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ー人生ー

#33

「破会議壊」

雷は落ちない。
だが、屋根裏の空間は世界の中心のように静まり返っていた。丸い卓がひとつ。その周囲に三柱。
天の威圧をまとったゼウス。
大地の呼吸そのもののガイア。
そして、破壊神“シヴァ”
アレスの気配はある。
だが姿は現れていない。
「まず確認しよう」
ゼウスが低く言う。
「この戦は、人の意志によるものか。それとも我らの残滓か」
ガイアが目を閉じる。
「根は人にある。だが、恐れと怒りを煽る残響がある」
シヴァが指先で空間をなぞる。
そこに、かすかな赤い波紋が浮かぶ。
「難しい話はやめよ、俺バカだからついていけん」
ゼウスが卓を軽く叩く。
「この会議はスペルに影響する。無闇には動けない」
ガイアが頷く。
「土は耕せば芽吹く。だが踏み荒らせば硬くなる」
会議が深刻化するなかただ独り焦ったように、固まる。
(いや俺スペルさんの為に来たんだけどスペルさんいねぇじゃん。てかスペルさんって本当にすごいんだよね。強いのに全然偉そうじゃなくて、ちゃんと相手の痛みも認めた上で自分の答えを出すのがかっこよすぎる、そこに痺れる憧れるぅぅっ!(?)失敗してしまったりしても「[明朝体]次の自分の為の投資[/明朝体]」に変えようとするところ、本気で尊敬する。静かなのに芯が強くて、そばにいたら絶対安心できる人だと思う!!!他にも…」
彼はスペルの大ファンだったのである。
そんなことをよそに会議は進む。
屋根裏の時計が、かすかに鳴った。
戦場ではない。
まだ引き返せる時間。
「一度、止める」
ゼウスが宣言する。
「神意の干渉を凍結する」
ガイアが両手を床に触れる。
揺れていた空間が、安定する。
「人の選択に委ねる猶予を」
シヴァは目を細める。
「もうこの話やめてスペルさんとこ行こうぜ!」
「はぁ..」
アレスは呼ばれない。呼ばなければ、来ない。
「ただし」
ゼウスの声が重くなる。
「再び大規模な殺意が連鎖した場合」
シヴァが続ける。
「その時は、均衡として動くんすよね!」
ガイアは穏やかに締めくくる。
「だが今は、芽の時間」
決定は下された。戦闘は凍結。
神々は介入しない。
屋根裏に、ただの朝の光が差す。遠くで子どもの笑い声。まだ壊れていない音。ゼウスの雷は沈黙し、
ガイアの震動は収まり、
シヴァの輪は静止する。
卓が消え、三柱の姿も薄れていく。
最後に残ったのは、止まらず進む時計の音だけ。
カチ、カチ、と。
それは戦の足音ではない。猶予の音だった。

作者メッセージ

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2026/03/10 22:08

徒花
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創作長期ファンタジー天文

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