警報音が、空気そのものを震わせていた。
ピ─────────────ッ!!
これまでの“使い”とは格が違う。
誰もが武器を構える中、
「……重いな」
蒼が低く呟いた。
領域の内側ですら、空気が沈んでいる。
空の裂け目のような黒雲から、巨大な“影”が降りてくる。
腕が六本。顔の代わりに歪んだ穴が空き、その奥で赤黒い光が脈動していた。
「上位個体か」
綺羅が炎を灯す。
ルクスは拳を鳴らして笑う。
「やっと殴り甲斐ありそうなの来たなっ!!」
だが次の瞬間。
ズンッ……
全員の身体が、急に重くなった。
「っ……!?」
私は思わず膝をつく。
小夜の刀先が地面に触れる。
奏の指揮棒も震えた。
「重力……?」
蒼が眉をひそめる。
巨大な使いの周囲だけ、空間が歪んでいる。
立っているだけで身体が潰されそうだった。
「まずいな……近づけない」
その時だった。
「あーもう、鬱陶しいですねぇ!!」
ブォンッ!!
どこからか“巨大な斧”が飛んできた。
そのまま回転しながら、重力を撒き散らしていた使いの腕を──
ズガァァァンッ!!!
まとめて吹き飛ばした。
「……は?」
誰かの間抜けな声が漏れる。
斧は地面に突き刺さる。
直後、瓦礫の上から小さな影が飛び降りた。
トンッ。
現れたのは、黒髪ショートの小柄な少女。いや、女性だった。
灰色シャツに黒の袖。くすんだピンクの瞳。
その身体には不釣り合いなほど巨大な斧を、軽々と担いでいる。
「ったく、避難勧告くらいちゃんと聞いてくださいよ〜」
そして彼女は、こちらを見渡してから眉を吊り上げた。
「……誰ですか、小学生って言おうとした人」
「いやまだ誰も言ってない」
蒼が即答する。
「絶対思いましたよね!? 顔に書いてあります!」
「書いてねぇよ」
「しかも“まだ”って、これから言う予定じゃん!」
テンポが妙に軽い。
なのに――
彼女が斧を握った瞬間、空気が変わった。
「その重力……」
蒼が目を細める。
少女は斧を肩に担ぎ直し、にっと笑う。
「小手斧こもです」
「神が嫌いな、ただの人間ですよ」
ピ─────────────ッ!!
これまでの“使い”とは格が違う。
誰もが武器を構える中、
「……重いな」
蒼が低く呟いた。
領域の内側ですら、空気が沈んでいる。
空の裂け目のような黒雲から、巨大な“影”が降りてくる。
腕が六本。顔の代わりに歪んだ穴が空き、その奥で赤黒い光が脈動していた。
「上位個体か」
綺羅が炎を灯す。
ルクスは拳を鳴らして笑う。
「やっと殴り甲斐ありそうなの来たなっ!!」
だが次の瞬間。
ズンッ……
全員の身体が、急に重くなった。
「っ……!?」
私は思わず膝をつく。
小夜の刀先が地面に触れる。
奏の指揮棒も震えた。
「重力……?」
蒼が眉をひそめる。
巨大な使いの周囲だけ、空間が歪んでいる。
立っているだけで身体が潰されそうだった。
「まずいな……近づけない」
その時だった。
「あーもう、鬱陶しいですねぇ!!」
ブォンッ!!
どこからか“巨大な斧”が飛んできた。
そのまま回転しながら、重力を撒き散らしていた使いの腕を──
ズガァァァンッ!!!
まとめて吹き飛ばした。
「……は?」
誰かの間抜けな声が漏れる。
斧は地面に突き刺さる。
直後、瓦礫の上から小さな影が飛び降りた。
トンッ。
現れたのは、黒髪ショートの小柄な少女。いや、女性だった。
灰色シャツに黒の袖。くすんだピンクの瞳。
その身体には不釣り合いなほど巨大な斧を、軽々と担いでいる。
「ったく、避難勧告くらいちゃんと聞いてくださいよ〜」
そして彼女は、こちらを見渡してから眉を吊り上げた。
「……誰ですか、小学生って言おうとした人」
「いやまだ誰も言ってない」
蒼が即答する。
「絶対思いましたよね!? 顔に書いてあります!」
「書いてねぇよ」
「しかも“まだ”って、これから言う予定じゃん!」
テンポが妙に軽い。
なのに――
彼女が斧を握った瞬間、空気が変わった。
「その重力……」
蒼が目を細める。
少女は斧を肩に担ぎ直し、にっと笑う。
「小手斧こもです」
「神が嫌いな、ただの人間ですよ」