あの場所から少し遠のいた場所に来た。街灯の数も次第に減り、どんどん薄暗くなってきている。
ポツン
ポツン
何やら上から雫が落ちてきようだ。スペルはそれに動揺する訳でも喜ぶ訳でもなく、ただただ上からしたあと落ちる雫を見ていた。そうしているうちに数分たった。そろそろ寝床を見つけなければならない。ちょうどその時だった。ビチャっビチャっ泥だらけの道から出てくるのは、まだ小さな幼女だった。
「.....大丈夫?」
少しの沈黙の後、幼女は倒れた。この子は夏紀と同じ孤児なのか。そんなふうな疑問を抱きながら、冷静になってこれがいかに大変なことだとか悟った。
辺りは薄暗く、きっとこの子には帰る場所がない。とりあえずその幼女を背負い、街へと帰った。街には宿泊できる施設があり、今日はそこで睡眠を取ることができる。なるべく早くこの子を下ろすために受付も一瞬で終わらせた。部屋に入るまでの視線が目に毒だったが、救う側になる、その“立場”がスペルの原動力となった。部屋に入ってすぐに幼女をおろした。するとすぐに起きてその小さな目を揺らしている。
「...ここ、..どこですか?...」
途切れ途切れに話す言葉には、恐怖が感情を占めていた。
「雨の中倒れてたよ、あのままだったら君、死んでたから」
熱のない声で返す。
「あの...!ありがとう..ございます。」
「わたし、いままで...ひとにたすけてもらうことな
んて...なかったから..」
見たところ年齢は7歳程度か、舌足らずな発音力に身長から見て、まだ余りにも小さいのではないか。
「君、名前は...」
「....わかりません」
「親は」
[下線]「きのうまでいました」[/下線]
「...昨日まで?」
ポツン
ポツン
何やら上から雫が落ちてきようだ。スペルはそれに動揺する訳でも喜ぶ訳でもなく、ただただ上からしたあと落ちる雫を見ていた。そうしているうちに数分たった。そろそろ寝床を見つけなければならない。ちょうどその時だった。ビチャっビチャっ泥だらけの道から出てくるのは、まだ小さな幼女だった。
「.....大丈夫?」
少しの沈黙の後、幼女は倒れた。この子は夏紀と同じ孤児なのか。そんなふうな疑問を抱きながら、冷静になってこれがいかに大変なことだとか悟った。
辺りは薄暗く、きっとこの子には帰る場所がない。とりあえずその幼女を背負い、街へと帰った。街には宿泊できる施設があり、今日はそこで睡眠を取ることができる。なるべく早くこの子を下ろすために受付も一瞬で終わらせた。部屋に入るまでの視線が目に毒だったが、救う側になる、その“立場”がスペルの原動力となった。部屋に入ってすぐに幼女をおろした。するとすぐに起きてその小さな目を揺らしている。
「...ここ、..どこですか?...」
途切れ途切れに話す言葉には、恐怖が感情を占めていた。
「雨の中倒れてたよ、あのままだったら君、死んでたから」
熱のない声で返す。
「あの...!ありがとう..ございます。」
「わたし、いままで...ひとにたすけてもらうことな
んて...なかったから..」
見たところ年齢は7歳程度か、舌足らずな発音力に身長から見て、まだ余りにも小さいのではないか。
「君、名前は...」
「....わかりません」
「親は」
[下線]「きのうまでいました」[/下線]
「...昨日まで?」
- 1.「人生」
- 2.「奇跡の星」
- 3.「夏紀」
- 4.「とある隣人は」
- 5.「立場」
- 6.徒花の行方
- 7.「幼女は」
- 8.「笑顔」
- 9.「軸柊奏」
- 10.徒花の行方
- 11.「居場所」
- 12.「弦の音」
- 13.「答え」
- 14.「日常編」
- 15.「悩むものか」
- 16.「歪み」
- 17.「信頼」
- 18.「余命」
- 19.「時歌」
- 20.「日常編」
- 21.「神として」
- 22.「忘却列車」
- 23.「微熱」
- 24.「クリスマス」
- 25.「プレゼント」
- 26.「鳴っている」
- 27.「バレンタイン」
- 28.「日常」
- 29.「誰」
- 30.「戦場」
- 31.「アレス」
- 32.「日常編」
- 33.「破会議壊」
- 34.「徒花の行方」
- 35.「戦の予兆」
- 36.「日常編」