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本作には、家族による身体的・精神的な虐待、およびネグレクトの描写が含まれます。また、持病(心臓疾患)による苦痛の描写があります。苦手な方はご注意ください。※物語は最終的に、主人公が全力で救済され、幸せになるハッピーエンドをお約束します!

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役立たずの心臓、愛で満たして。〜冷徹な家族に捨てられた私と、過保護すぎる医者の卵〜

#1

第1話:賞味期限切れの命

「っ、は、お母さん…薬…もうっ…」
胸の奥を、熱い針でかき乱されるような感覚。
這うようにして辿り着いたリビングで、私は母の裾を掴んだ。
けれど、返ってきたのは、ゴミを見るような冷ややかな一瞥だった。

「またその話? やめなさいよ。甘えよ、そんなの。お兄ちゃんの迷惑でしょう?」

母は私の手を払いのけると、お弁当を包む作業に戻る。
隣でトーストを齧っていた兄が、心配そうにこちらを見た。

「……母さん、アイツ、顔色本気で悪いけど。一回、病院連れてった方が……」

「大丈夫だ。ただの風邪だからすぐ治る。お前は気にせず学校へ行け」

新聞から目を上げることなく、父が断定するように告げる。
「心臓の持病」という、私が生まれた時から抱えているはずの事実は、この家では「都合の悪い風邪」として処理されていた。

「……でも、本当に、苦しくて……」

「本当は苦しくないんでしょう? 注目を浴びたいからって、いつまでも病人気取りはやめなさい」

母が、ピシャリと言い放つ。
その瞳には、娘への愛情など欠片もなかった。
「本当にあなたは役立たずね。……そんな顔で突っ立ってると、こっちまで気分が悪くなるわよ。早く学校へ行きなさい」

(……ああ、そうか)

視界が歪む。
私の心臓がどれだけ悲鳴を上げても、この人たちには「不快なノイズ」にしか聞こえないんだ。
私は、ふらつく足取りで玄関へ向かった。

(……いつか、本当に止まっちゃえばいいのに)

そんな呪いのような願いを抱えて、私は家を出た。
まだ、あの「チャラい王子様」が、私の地獄をぶち壊してくれるなんて、これっぽっちも知らずに。

作者メッセージ

第1話をお読みいただきありがとうございます!
主人公の状況があまりに過酷で心が痛みますが、ご安心ください。ここから黒髪センターパートのピアスバチバチでちょーチャラそうに見える過保護な先輩が登場し、全力で彼女を救い出し、甘やかしまくる物語が始まります!
もしよろしければ、応援の『いいね』や『ブクマ(お気に入り)』をいただけると、執筆の励みになります!

2026/02/26 17:12

雪村 すのー
ID:≫ .1NbP/5ujsxUU
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