閲覧前に必ずご確認ください
本作には、家族による身体的・精神的な虐待、およびネグレクトの描写が含まれます。また、持病(心臓疾患)による苦痛の描写があります。苦手な方はご注意ください。※物語は最終的に、主人公が全力で救済され、幸せになるハッピーエンドをお約束します!
「っ、は、お母さん…薬…もうっ…」
胸の奥を、熱い針でかき乱されるような感覚。
這うようにして辿り着いたリビングで、私は母の裾を掴んだ。
けれど、返ってきたのは、ゴミを見るような冷ややかな一瞥だった。
「またその話? やめなさいよ。甘えよ、そんなの。お兄ちゃんの迷惑でしょう?」
母は私の手を払いのけると、お弁当を包む作業に戻る。
隣でトーストを齧っていた兄が、心配そうにこちらを見た。
「……母さん、アイツ、顔色本気で悪いけど。一回、病院連れてった方が……」
「大丈夫だ。ただの風邪だからすぐ治る。お前は気にせず学校へ行け」
新聞から目を上げることなく、父が断定するように告げる。
「心臓の持病」という、私が生まれた時から抱えているはずの事実は、この家では「都合の悪い風邪」として処理されていた。
「……でも、本当に、苦しくて……」
「本当は苦しくないんでしょう? 注目を浴びたいからって、いつまでも病人気取りはやめなさい」
母が、ピシャリと言い放つ。
その瞳には、娘への愛情など欠片もなかった。
「本当にあなたは役立たずね。……そんな顔で突っ立ってると、こっちまで気分が悪くなるわよ。早く学校へ行きなさい」
(……ああ、そうか)
視界が歪む。
私の心臓がどれだけ悲鳴を上げても、この人たちには「不快なノイズ」にしか聞こえないんだ。
私は、ふらつく足取りで玄関へ向かった。
(……いつか、本当に止まっちゃえばいいのに)
そんな呪いのような願いを抱えて、私は家を出た。
まだ、あの「チャラい王子様」が、私の地獄をぶち壊してくれるなんて、これっぽっちも知らずに。
胸の奥を、熱い針でかき乱されるような感覚。
這うようにして辿り着いたリビングで、私は母の裾を掴んだ。
けれど、返ってきたのは、ゴミを見るような冷ややかな一瞥だった。
「またその話? やめなさいよ。甘えよ、そんなの。お兄ちゃんの迷惑でしょう?」
母は私の手を払いのけると、お弁当を包む作業に戻る。
隣でトーストを齧っていた兄が、心配そうにこちらを見た。
「……母さん、アイツ、顔色本気で悪いけど。一回、病院連れてった方が……」
「大丈夫だ。ただの風邪だからすぐ治る。お前は気にせず学校へ行け」
新聞から目を上げることなく、父が断定するように告げる。
「心臓の持病」という、私が生まれた時から抱えているはずの事実は、この家では「都合の悪い風邪」として処理されていた。
「……でも、本当に、苦しくて……」
「本当は苦しくないんでしょう? 注目を浴びたいからって、いつまでも病人気取りはやめなさい」
母が、ピシャリと言い放つ。
その瞳には、娘への愛情など欠片もなかった。
「本当にあなたは役立たずね。……そんな顔で突っ立ってると、こっちまで気分が悪くなるわよ。早く学校へ行きなさい」
(……ああ、そうか)
視界が歪む。
私の心臓がどれだけ悲鳴を上げても、この人たちには「不快なノイズ」にしか聞こえないんだ。
私は、ふらつく足取りで玄関へ向かった。
(……いつか、本当に止まっちゃえばいいのに)
そんな呪いのような願いを抱えて、私は家を出た。
まだ、あの「チャラい王子様」が、私の地獄をぶち壊してくれるなんて、これっぽっちも知らずに。