ここは、とある時代、とある世界の、とある城下町。そこにある宿屋。そこで、初代勇者パーティー達は羽を休めていた。
度重なる戦闘。辿り着けない魔王城。疲労はもう限界だった。
「はぁ...」
ベッドに突っ伏し、ため息をもらす青年。これが___
「くっっっそだるい...」
この気怠げな青年が、初代勇者です。
[中央寄せ][太字]初代 勇者パーティー前日譚[/太字][/中央寄せ]
「こおおおらあああこのアホ勇者ァァァ!!!」
「うるっさいなぁ...もー」
馬鹿でかい声で、寝ていたオレ...セレンをたたき起こした彼女は宇尾市レイハ。優秀な魔法使いを産み落とすという有名な家系の出だ。
「なんだよレイ...オレ寝てたんだけど?」
「世界の命運を背負った勇者が惰眠を貪らないでください」
冷徹な瞳でオレを睨みながら、剥ぎ取った布団を綺麗に畳むレイハ。オレ寝てたのになぁ...なんて言えば、全力で魔法が飛んで来ることは間違いなしなので、適当な返事だけを返しておく。
「はいはい...」
ゴモットモデース。
手をあげて抵抗する気がないことを表しながら、オレは布団をはがされたベットから降りる。
「ふぁ…次はどこだっけ?」
オレがそう尋ねると、レイハはこれまたゴミを見るような目で見つめてきた。
「はぁ…貴方、一応勇者ですよね?」
もう一度深い溜息をついたあと、レイハは口を開く。
「次は、四天王のところです。えーと…」
「なんだかんだで答えてくれるんだぐぇ」
ツンデレとからかってやろうと思ったら、杖がみぞおちに入れられた。痛い。
「あ、次は呪王、ラーナ・グリッドのところです」
「誰それ…あちょっとまってやめてくださいレイハさん」
危ない危ない…また杖でぶん殴られるところだった、と考えなながら、オレは机に置いていた荷物をとる。
「さて…じゃあアイツらを呼びに行くか」
「…えぇ、いきましょう」
オレの仲間を、親愛なる、勇者パーティー達を。
「あ、いたいたルカー」
「そろそろ冒険に出ますよー」
城下町で薬草を見つめる少女、ルカ・カレア。彼女に、オレとレイハは声をかける。
「勇者様!レイハ!」
翡翠色の髪を揺らし、ルカは手を振って笑う。可愛いである。流石うちのパーティーの可愛い担当。あ、ちょっと睨まないでよレイハサン。
「あれ、ゾレアくんは?まだ合流してないの?」
「ん?あぁ、まだだよー」
ルカの問いにオレが答えると、彼女は少し残念そうな表情をしたあと、ぱっと顔を上げて笑った。
「あの、ちょっとまっててくれないかな?」
『?』
とりあえずオレが頷くと、ルカはぱたぱたと隣の店へ入っていった。
「おまたせ!」
「おかえりなさいルカ」
「おかえりー」
帰ってきたルカは、小袋を抱えていた。不思議に思い、入っていった店を見る。
「『アクセサリー』…」
やっぱ乙女だな、なんて内心微笑ましく思いながら、オレは二人に声をかける。
「じゃ、”ゾレア”を探しにいくぞ」
「はい」
「うん!」
「あ、いたいた、ゾレアー」
金髪で大柄な男、ゾレア=ロールクネス。うちのパーティーの戦士だ。
「お、ルカ!それにレイハとセレンも!」
どうしたんだ?と明るい笑顔でゾレアは聞いてくる。というか、まっさきにルカの名を呼ぶあたりコイツら…いや、これはどうでもいいな。
「いや、そろそろ冒険に戻るから呼びに来たんだー」
「そうか…次は四天王のところだったか?」
「そうだよ!きっと大変だろうけど…頑張ろうね!」
天使のような笑みを浮かべるルカ。回復魔法より回復しますその笑顔は。
「はぁ…相変わらずいちゃいちゃしてますね」
砂糖を吐きそうです、とレイハは溜息を吐く。その言葉に、ルカとゾレアは頬を紅潮させて見つめ合う。
「えー、レイにはオレがいるじゃやめてやめて冗談ですってレイハさん」
オレの言葉に、レイハは無言で杖を構える。死を覚悟したね。
「あはっ、レイハと勇者様も仲いいよねぇ」
「そーだそーだ、お前ら、ほんっとお似合いだぜ」
その様子を見て、先程まで照れていたルカも笑い声をあげ、ゾレアもオレ達をからかう。
「心外です…」
そう言って、レイハは手で顔を隠した。耳が赤いのを見ちゃったのは、オレだけの秘密にしておこう。
「さて…じゃあ、そろそろ旅にでようか」
「えぇ」
「うん!」
「おう!」
こうして、オレ達が魔王を倒すまでの旅が始まった。
度重なる戦闘。辿り着けない魔王城。疲労はもう限界だった。
「はぁ...」
ベッドに突っ伏し、ため息をもらす青年。これが___
「くっっっそだるい...」
この気怠げな青年が、初代勇者です。
[中央寄せ][太字]初代 勇者パーティー前日譚[/太字][/中央寄せ]
「こおおおらあああこのアホ勇者ァァァ!!!」
「うるっさいなぁ...もー」
馬鹿でかい声で、寝ていたオレ...セレンをたたき起こした彼女は宇尾市レイハ。優秀な魔法使いを産み落とすという有名な家系の出だ。
「なんだよレイ...オレ寝てたんだけど?」
「世界の命運を背負った勇者が惰眠を貪らないでください」
冷徹な瞳でオレを睨みながら、剥ぎ取った布団を綺麗に畳むレイハ。オレ寝てたのになぁ...なんて言えば、全力で魔法が飛んで来ることは間違いなしなので、適当な返事だけを返しておく。
「はいはい...」
ゴモットモデース。
手をあげて抵抗する気がないことを表しながら、オレは布団をはがされたベットから降りる。
「ふぁ…次はどこだっけ?」
オレがそう尋ねると、レイハはこれまたゴミを見るような目で見つめてきた。
「はぁ…貴方、一応勇者ですよね?」
もう一度深い溜息をついたあと、レイハは口を開く。
「次は、四天王のところです。えーと…」
「なんだかんだで答えてくれるんだぐぇ」
ツンデレとからかってやろうと思ったら、杖がみぞおちに入れられた。痛い。
「あ、次は呪王、ラーナ・グリッドのところです」
「誰それ…あちょっとまってやめてくださいレイハさん」
危ない危ない…また杖でぶん殴られるところだった、と考えなながら、オレは机に置いていた荷物をとる。
「さて…じゃあアイツらを呼びに行くか」
「…えぇ、いきましょう」
オレの仲間を、親愛なる、勇者パーティー達を。
「あ、いたいたルカー」
「そろそろ冒険に出ますよー」
城下町で薬草を見つめる少女、ルカ・カレア。彼女に、オレとレイハは声をかける。
「勇者様!レイハ!」
翡翠色の髪を揺らし、ルカは手を振って笑う。可愛いである。流石うちのパーティーの可愛い担当。あ、ちょっと睨まないでよレイハサン。
「あれ、ゾレアくんは?まだ合流してないの?」
「ん?あぁ、まだだよー」
ルカの問いにオレが答えると、彼女は少し残念そうな表情をしたあと、ぱっと顔を上げて笑った。
「あの、ちょっとまっててくれないかな?」
『?』
とりあえずオレが頷くと、ルカはぱたぱたと隣の店へ入っていった。
「おまたせ!」
「おかえりなさいルカ」
「おかえりー」
帰ってきたルカは、小袋を抱えていた。不思議に思い、入っていった店を見る。
「『アクセサリー』…」
やっぱ乙女だな、なんて内心微笑ましく思いながら、オレは二人に声をかける。
「じゃ、”ゾレア”を探しにいくぞ」
「はい」
「うん!」
「あ、いたいた、ゾレアー」
金髪で大柄な男、ゾレア=ロールクネス。うちのパーティーの戦士だ。
「お、ルカ!それにレイハとセレンも!」
どうしたんだ?と明るい笑顔でゾレアは聞いてくる。というか、まっさきにルカの名を呼ぶあたりコイツら…いや、これはどうでもいいな。
「いや、そろそろ冒険に戻るから呼びに来たんだー」
「そうか…次は四天王のところだったか?」
「そうだよ!きっと大変だろうけど…頑張ろうね!」
天使のような笑みを浮かべるルカ。回復魔法より回復しますその笑顔は。
「はぁ…相変わらずいちゃいちゃしてますね」
砂糖を吐きそうです、とレイハは溜息を吐く。その言葉に、ルカとゾレアは頬を紅潮させて見つめ合う。
「えー、レイにはオレがいるじゃやめてやめて冗談ですってレイハさん」
オレの言葉に、レイハは無言で杖を構える。死を覚悟したね。
「あはっ、レイハと勇者様も仲いいよねぇ」
「そーだそーだ、お前ら、ほんっとお似合いだぜ」
その様子を見て、先程まで照れていたルカも笑い声をあげ、ゾレアもオレ達をからかう。
「心外です…」
そう言って、レイハは手で顔を隠した。耳が赤いのを見ちゃったのは、オレだけの秘密にしておこう。
「さて…じゃあ、そろそろ旅にでようか」
「えぇ」
「うん!」
「おう!」
こうして、オレ達が魔王を倒すまでの旅が始まった。