雪降るグラウンドで
[大文字](寒い!!!)[/大文字]
おっと危ない。うっかり皆の前で叫んでしまうところだった。
6時間目の体育の時間は持久走だった。
こんなクソ寒いグラウンドでひたすら走り続けるという,考案者に一発拳を入れたくなる種目。
そう思っていたのはどうやら自分だけではないようで,実際教室では考案者への批判の声が続出していた。
意外なことに体育大好き運動部も批判勢だったのだ。かなり嫌われてるな,持久走。
なんだかちょっぴり可哀想な気もするが同情は致しません。
そんなことを考えながら準備体操を終えるとなにやら上空から白い粉が__いや,雪が降ってきた。
「雪だー!!ヤッター!」
なんて嬉しそうに騒ぐ人もいれば顔をしかめた人もいた。
数十分前の自分ならきっと前者の一員となっていただろうが極寒のグラウンドに立つ今,雪が降っているかなどどうでもいい。
もういっその事さっさと走って寒さを取っ払ってしまいたい。
「はーい,始めますよー!」
その言葉を待ってました先生。
とは言いながらもここからずっと走ると思うとやっぱり憂鬱だった。
なぜなら昨日いつもよりも調子が良かったのをいいことに調子に乗って走りすぎて全身筋肉痛状態になっていたからだ。
本格的に成績に入るのは今日からだというのに。
昨日の馬鹿な自分を粛清してやりたい。
しかし過去の自分を責めたって走ることには変わりない。
(行くか...)
意を決して白線トラックのスタートラインに立つ。
「始め!」
それを合図に全員が駆け出した。
やっぱり痛い。両足がズキズキ痛む。
まだ一周もしてないのに大丈夫か,これ。
******
三周目に突入する頃には両足に加え腰まで痛くなってきた。
噓だろ。まだ三周しかしてないぞ?
こうなってくるとやはりというか矛先は過去の自分へと向く。
もし昨日の自分に出会ったらおそらくキレると思う。いや,間違いなくブチギレだ。
そうしているうちに5周目。
あれ,もしかして余計な事を考えてたら意外といけるか?
だがそれに気付いたのは間違いだった。
何か考えながら走ろうとすればするほど頭の中は真っ白になっていく。
現在アナ雪のワンシーンみたく雪が降りしきる空のように。
何故だ。こうして言葉はすらすらでてくるのに。
仕方ない,こうなったら最終手段__
[太字]脳内で好きな曲を流す!![/太字]
とたんイントロが再生される。
最初は有効に思われた最終手段だが...
(なんでこうなるんだよ!)
どうやら最終手段でも肉体的疲労には敵わない模様。
どうしてもサビ手前で一時停止される。通信環境の悪い部屋でYou○ubeの動画を見てる時みたいに。
なんやかんやで9周目です。
疲れたので中間記録がてら一旦休憩。
お茶を飲んでると先生による残り10分の声が背後から聞こえてきた。
せめて20周はしたい。平均の速さは一分間に一周。
今から全速力で走ればいけるか?というかすかな希望が脳裏をよぎるが。
何を隠そう,自分は超絶運動音痴なのである。
そう,つまり今から全速力で走ろうというのは不可能。確実に体がもたないのである。
加えて全身筋肉痛だ。
折角筆記テストではいい感じの点数を取れたというのに,これでは再び通知票の評価が「3」になってしまう。
それだけはなんとしてでも阻止しなければ。
痛む腰を押さえながら再びトラックへ。
当然腰を押さえて走るなどという奇行にはしる生徒は自分しかいない。
母親や妹に「ジジイ」なんて綽名を付けられるのも少し納得してしまった。
生徒たちが顔を赤くして走る中,冷たい風(おまけの雪を添えて)は容赦なく吹き付けてくる。
筋肉痛と向かい風(おまけの(ry)のオーバーキルだ。
死ぬ。
「あと2分~」
まずい。まだ15周しかしてない。
その声で危機感を感じた生徒は一気にペースが速くなった。
自分もそうしたいところだが生憎例の痛みがそれを阻む。
勘弁してくれ。
ようやく16周目。
「あと1分!」
やばいやばいやばい。
記録は16周か。
そう思った矢先。
「最後はコーン通過すれば一周にカウントするから最後まで頑張れ!」
今救済の言葉が飛んできたような気がする。
走っていた者たちは早足から全力疾走へと切り替わる。
追い詰められた人間とは不思議なもので痛いはずなのに気づけば自分も同じように全速力で走っていた。
アドレナリンすげえ(?)。
「30秒~」
体中が悲鳴をあげている。
頼む,あと30秒耐えてくれ。
「20秒~」
コーンまで後5m。
「10秒~」
コーンまで後...1m。
ここで全力疾走は終わった。
足が上がらない。
だがなんとか残り3秒のところでコーン通過を果たした。
なんだか物凄い達成感を感じる。
魔王を討ちとった勇者はこんな気持ちなのだろうか。
いやいや。規模が違うな。
「終了!!」
うん。俺は頑張った。全身筋肉痛でありながらも。凄く頑張った。
20周出来なかったのはやはり悔しいが仲のいい友達,まめめん(仮)には勝てたので良しとしよう。
青い空を覆っていた雲はいつの間にか雪と共に消えていた。
I love nikkou!!
今すぐにでも地面に寝っ転がりたい気分だったが止めておこう。
体操服を派手に汚そうものならきっと母親からお𠮟りを受ける。
結果は17周。絶対昨日の方が良い記録だった。
先生,言い訳をさせてください。
筋肉痛なんです。
これでも頑張ったんです。
どうか4をください。いや,是非5を((
届くはずもない言い訳を並べながら,自分はグラウンドを後にした。
おっと危ない。うっかり皆の前で叫んでしまうところだった。
6時間目の体育の時間は持久走だった。
こんなクソ寒いグラウンドでひたすら走り続けるという,考案者に一発拳を入れたくなる種目。
そう思っていたのはどうやら自分だけではないようで,実際教室では考案者への批判の声が続出していた。
意外なことに体育大好き運動部も批判勢だったのだ。かなり嫌われてるな,持久走。
なんだかちょっぴり可哀想な気もするが同情は致しません。
そんなことを考えながら準備体操を終えるとなにやら上空から白い粉が__いや,雪が降ってきた。
「雪だー!!ヤッター!」
なんて嬉しそうに騒ぐ人もいれば顔をしかめた人もいた。
数十分前の自分ならきっと前者の一員となっていただろうが極寒のグラウンドに立つ今,雪が降っているかなどどうでもいい。
もういっその事さっさと走って寒さを取っ払ってしまいたい。
「はーい,始めますよー!」
その言葉を待ってました先生。
とは言いながらもここからずっと走ると思うとやっぱり憂鬱だった。
なぜなら昨日いつもよりも調子が良かったのをいいことに調子に乗って走りすぎて全身筋肉痛状態になっていたからだ。
本格的に成績に入るのは今日からだというのに。
昨日の馬鹿な自分を粛清してやりたい。
しかし過去の自分を責めたって走ることには変わりない。
(行くか...)
意を決して白線トラックのスタートラインに立つ。
「始め!」
それを合図に全員が駆け出した。
やっぱり痛い。両足がズキズキ痛む。
まだ一周もしてないのに大丈夫か,これ。
******
三周目に突入する頃には両足に加え腰まで痛くなってきた。
噓だろ。まだ三周しかしてないぞ?
こうなってくるとやはりというか矛先は過去の自分へと向く。
もし昨日の自分に出会ったらおそらくキレると思う。いや,間違いなくブチギレだ。
そうしているうちに5周目。
あれ,もしかして余計な事を考えてたら意外といけるか?
だがそれに気付いたのは間違いだった。
何か考えながら走ろうとすればするほど頭の中は真っ白になっていく。
現在アナ雪のワンシーンみたく雪が降りしきる空のように。
何故だ。こうして言葉はすらすらでてくるのに。
仕方ない,こうなったら最終手段__
[太字]脳内で好きな曲を流す!![/太字]
とたんイントロが再生される。
最初は有効に思われた最終手段だが...
(なんでこうなるんだよ!)
どうやら最終手段でも肉体的疲労には敵わない模様。
どうしてもサビ手前で一時停止される。通信環境の悪い部屋でYou○ubeの動画を見てる時みたいに。
なんやかんやで9周目です。
疲れたので中間記録がてら一旦休憩。
お茶を飲んでると先生による残り10分の声が背後から聞こえてきた。
せめて20周はしたい。平均の速さは一分間に一周。
今から全速力で走ればいけるか?というかすかな希望が脳裏をよぎるが。
何を隠そう,自分は超絶運動音痴なのである。
そう,つまり今から全速力で走ろうというのは不可能。確実に体がもたないのである。
加えて全身筋肉痛だ。
折角筆記テストではいい感じの点数を取れたというのに,これでは再び通知票の評価が「3」になってしまう。
それだけはなんとしてでも阻止しなければ。
痛む腰を押さえながら再びトラックへ。
当然腰を押さえて走るなどという奇行にはしる生徒は自分しかいない。
母親や妹に「ジジイ」なんて綽名を付けられるのも少し納得してしまった。
生徒たちが顔を赤くして走る中,冷たい風(おまけの雪を添えて)は容赦なく吹き付けてくる。
筋肉痛と向かい風(おまけの(ry)のオーバーキルだ。
死ぬ。
「あと2分~」
まずい。まだ15周しかしてない。
その声で危機感を感じた生徒は一気にペースが速くなった。
自分もそうしたいところだが生憎例の痛みがそれを阻む。
勘弁してくれ。
ようやく16周目。
「あと1分!」
やばいやばいやばい。
記録は16周か。
そう思った矢先。
「最後はコーン通過すれば一周にカウントするから最後まで頑張れ!」
今救済の言葉が飛んできたような気がする。
走っていた者たちは早足から全力疾走へと切り替わる。
追い詰められた人間とは不思議なもので痛いはずなのに気づけば自分も同じように全速力で走っていた。
アドレナリンすげえ(?)。
「30秒~」
体中が悲鳴をあげている。
頼む,あと30秒耐えてくれ。
「20秒~」
コーンまで後5m。
「10秒~」
コーンまで後...1m。
ここで全力疾走は終わった。
足が上がらない。
だがなんとか残り3秒のところでコーン通過を果たした。
なんだか物凄い達成感を感じる。
魔王を討ちとった勇者はこんな気持ちなのだろうか。
いやいや。規模が違うな。
「終了!!」
うん。俺は頑張った。全身筋肉痛でありながらも。凄く頑張った。
20周出来なかったのはやはり悔しいが仲のいい友達,まめめん(仮)には勝てたので良しとしよう。
青い空を覆っていた雲はいつの間にか雪と共に消えていた。
I love nikkou!!
今すぐにでも地面に寝っ転がりたい気分だったが止めておこう。
体操服を派手に汚そうものならきっと母親からお𠮟りを受ける。
結果は17周。絶対昨日の方が良い記録だった。
先生,言い訳をさせてください。
筋肉痛なんです。
これでも頑張ったんです。
どうか4をください。いや,是非5を((
届くはずもない言い訳を並べながら,自分はグラウンドを後にした。
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