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作者による勝手な解釈,独自の世界観設定あり。苦手な方は回れ右。
35XX年。
人類の科学技術はますます発展していき,1500年前にあった職業の8割をロボットが請け負う時代。
人々の生活がより充実したものとなっている一方で,人間の勢力は後退の道を歩もうとしていた。
その引き金となったのが4月4日"感情を持ったロボット"の発明だった。
従来のロボットとは違い,自分で感情表現をすることが出来,それに従って行動することを可能とするものだった。
"KOKORO"という名で発売されたそれは瞬く間に普及されていき,数日経つ頃には普及率は92%を超えていた。
KOKOROとは友達や相棒,仕事仲間として共に過ごす者が大半だった。
より一層豊かな生活を送ることが出来ると誰もが期待していた。
しかし,そんな期待はただの偶像に過ぎなかった。
感情を持つということは喜びや協調性を理解することだけではない。
負の感情だって理解できるのだ。
はじめは人間と共存しているかのように思えたKOKORO達だが彼らは次第にその状況に違和感を覚えるようになっていた。
"なぜ我々よりも脆く知識量も少ない人間がこの世界を支配する立場にいるのか。"
いつの間にかそんな考えを持つロボットが各地で反乱を起こすようになった。
最初はちょっとした言い合いで済む程度だったが人間もロボットも度が過ぎる行動を起こすようになったのだ。
暴言の次は暴力。
では暴力の次は___?
******
『速報です。昨夜23:34,[漢字]豊町[/漢字][ふりがな]とよまち[/ふりがな]でロボットが自宅で寝ていた家族3人を[打消し]殺害[/打消し]したとのことです。警察は事件の調査と共に開発者へのサーバー停止要請を...』
朝食を食べている[漢字]夢川[/漢字][ふりがな]ゆめかわ[/ふりがな] [漢字]希[/漢字][ふりがな]のぞみ[/ふりがな]の耳元にそんな音声が流れてきた。
「えっ...」
希は驚きのあまり思わずトーストを吹き出すところだった。
「ん?どしたー?もしかしてそのエフィシェントトーストが美味すぎて吐きそうになったか?」
希の一連の動作を見ていた彼の同級生が冗談半分でそんなことを言った。
こちらは[漢字]深沢[/漢字][ふりがな]ふかざわ[/ふりがな] [漢字]優真[/漢字][ふりがな]ゆうま[/ふりがな]。
彼は度々希の家に泊まりにくる。今優真が希の家にいるのも例外ではなかった。
「んなわけないだろ,ニュース聞いてなかったの?」
希は耳にはめていた端末を取り外し,優真の方へと向けた。
「なんだーてっきり感動のあまり吐きそうになったのかと思ったぜ。なんたってこのエフィシェントトーストは[漢字]森林[/漢字][ふりがな]もりばやし[/ふりがな]パンがかの有名な大企業オプティマル社とコラボしてできた奇跡のパンで一個で一日に必要な栄養分を全て摂取することが出来ると共に脳の活性化も行ってくれてなおかつうまいって評判の__
「あー分かった。これの凄さは分かったから。ストップ!」
優真のオプティマル社に関するマシンガントークは大親友である希でも引くレベルの長さだった。
一番短い"豆知識コース"でも1時間はかかる。
「僕が言ったニュースもそのオプティマル社に関することだから!」
いいから聞け,と付け加え,希は優真の耳に自分の端末をねじ込んだ。
そのオプティマル社という会社こそが"KOKORO"を創り出した企業なのである。
ロボットといえばこの会社,と言われるほどに名の知れた企業である。
優真のような大ファンもごまんと存在している。
「え。噓だろ。KOKOROが[打消し]人殺し[/打消し]!?」
ようやく大人しくニュースを聞き始めたかのように思われた優真だったが彼は再びその口を開いた。
「幸いにもここらへんはKOKORO持ってる家少ねーからな...まぁそれで良かったっぽいけど」
端末を希に返却しながら優真が残念そうな顔をしてそう呟いた。
「これ,どうなるのかな...」
「さぁなー......ってもうこんな時間かよ?希,そろそろ学校行こうぜ!」
そう言って優真が宙に浮いた半透明の画面をタッチするとどこからともなくガラスでできたような扉が現れた。
その扉を通れば二人は教室の前に立っていた。
「んじゃ,また昼休みに。」
「うん。」
軽く会話を交わした後,希と優真はそれぞれ別の教室へと入っていった。