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グロテスクな描写,キャラ崩壊,急展開,厨二感半端ない文章(?)あり。
苦手な方は回れ右。
「鬼側の天皇が倒されたため特別イベント,"退勢翼賛会"は終了となりまーす!ここからは再び通常通りのルールで進行していきます!それでは~」
変わることのないマイペースな放送はその一言で終わった。
もはや丁寧な説明は誰も期待していなかった。
わざわざ聞く必要もないような内容しか言わない放送は聞き流し,よっこらせと立ち上がりながら瀾が言う。
「とりあえず終わったなー。こっからはまたバラバラで行動する感じか?」
「...大人数で移動するのは危険だからそれでいいと思う」
先ほどからずっと周りを警戒している来夢が言った。
それに続けて伊織も言う。
「そうだな~。んじゃ,ここは解散ってことで」
******
......ということがあってから十分ほどが経過。
イベント前から組んでいたメンバーたちと共に,しょたは激戦区であった繫華街を後にした。
「意外とあっけなく終わった気がするなー。...脱落者も1人だけだったし」
「それは良いことじゃないですか。こうしてこれまでと同じように一緒に行動することができているんですから」
「それはそうなんだけど...なんつーかもっと交流?とかすると思ってたんだよ」
「確かにそうですね。あの中にいたメンバーの殆どがまだ名前が分からないままですし。」
「うんうん。雛も自己紹介とかするのかな~って思ってたけど違ったね」
しょた,凪,雛は何となく歩きながらもついさっきの出来事を思い出していた。
躊躇うことなく自分たちを襲ってくる鬼との戦闘。
枷となる[打消し]死[/打消し]への恐怖。
常に神経をすり減らしているような感覚。
そして__ようやく実感がもてた"脱落"の意味。
心のどこかで本当に[打消し]死ぬ[/打消し]ことなんてないと思っていた。
きっとデスゲームなんていうのは噓なんだと。
......そう[漢字]考えるようにしていた[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・・[/ふりがな]。
「じゃあここからはまた鬼に見つからないように動けばいいのかな?」
雛の言葉でしょたははっと我に返った。
「そうだな。そうしよう」
...それが今の自分たちに出来ることだ。
「さっき繫華街へ向かう途中に人のいなさそうな場所を見つけたんですが...良ければそこへ行きませんか?」
「俺はいいと思う!じゃあそこへの案内頼んだ」
「なぎにぃ,よろしく」
凪に連れられ,彼らは再び行動を開始した。
******
一方でイベント前とは違ったメンバーで行動する者もいた。
「本当に良かったの?羽月さん,今まであの人たちと行動してたんでしょ?」
橙智は疑問混じりの声で思っていたことを羽月に尋ねてみる。
「いやー...自分は結構単独行動をしてたっすからね。それにそれは橙智さんにも言えることっすよ?」
「僕は完全に何となくだけど」
「気分屋っすね~...」
途端会話が途切れる。
特に話すこともなく,羽月と橙智は辺りを見回しながら並んで歩いていた。
別に無言が嫌なわけではない。むしろ静かな方が好きだった。
しかし今はとにかく情報が欲しい。
何でも良いから聞き出してみよう。
そう判断した羽月はおもむろに口を開く。
「そう言えば橙智さんってポジションは何だったんすか?」
「えっとねー。僕のポジションは__
そこで橙智の返答は途切れた。
数秒経っても返事が返ってこないことを不審に思った羽月は正面から隣に視線を移した。
「どうかしたっすか?橙智さ...」
目の前には信じられない光景があった。
「だ,橙智さん...!?」
近くに鬼が居たわけでもない。
そうであったなら今頃自分たちは戦っているはずだ。
それなのになぜ隣にいる彼に槍のようなものが刺さっているのか。
「心臓を狙ったつもりだったんだけどなー。外したか」
背後から聞こえた声は[下線]参加者のものだった。[/下線]
「...あんた,参加者っすよね?」
気づかないうちに目の前に立っている人物を睨みながら,羽月は恐る恐る会話を試みる。
「そうだよ。ああ,自己紹介がまだだったね。僕の名前はルピナス・ラフレイシアだ。」
笑顔を絶やさずそう言う,ルピナスと名乗った人物からは殺気しか感じ取れなかった。
「何でこんなことしたんすか」
話は一応通じることに少し安堵しながらも羽月は数歩後退りする。
「君,ルール説明を読み直した方が良いんじゃないか?このゲームで生き残れるのは一人だけだとあっただろう?」
次は君の番だと言わんばかりにルピナスはいつの間にか手の中に収まっていた槍を羽月の方へと向ける。
「それは...そう,っすけど....」
羽月が次の言葉を述べる前に大きな槍が飛んできた。
「避けずに当たれば楽に[打消し]死ねるぞ[/打消し]?」
こういう人のことをサイコパスと人は言うのだろうか。
なんて流暢に思っている暇は羽月には無かった。
(あの人には多分自分だけじゃ勝てない...ここは橙智さんを連れてなんとか距離をとりたいところ...。)
必死に考えを巡らせようとするも緊張と恐怖で思うようにならない。
(一体どうすれば...!)
そんな彼に対してルピナスが再び攻撃を仕掛けようとした時だった。
地面が微かに揺れたかと思うとそこから数本の茨が出現した。
それらはルピナスに複雑に絡み付き,彼の動きを制しているようにも見えた。
羽月はとっさに橙智の方を見る。
予想通り,それは彼の仕業だった。
「橙智さん...?!ご無事で...?」
駆け寄ろうとした羽月に橙智は最期の力を振り絞って叫んだ。
[大文字]「今のうちに逃げて!羽月さんの能力があれば今すぐにここから離れられるでしょ!!」[/大文字]
その言葉は自分を置いて逃げろということを指していた。
「な,何言ってるんすか....橙智さんもまだ脱落にはなってないし__
「どうせ僕はここから逃げきれても[打消し]失血死[/打消し]する。だから早く!!」
「そうだね,そこの人の言う通りだと思うよ」
茨をものともせずに振り払うルピナス。
彼に巻き付いていたはずの茨は砂のようにはらはらと散っていった。
[小文字]「...早く」[/小文字]
橙智の体力も殆ど限界に達していた。
「...すいません,橙智さん!!」
意を決して羽月は翼を広げて飛び去る。
最後にちらりと見えた橙智の横顔は,どこか微笑んでいるようにも見えた。
羽月が飛び去るのを確認し,橙智は目の前の相手に向き直る。
「折角二人消せると思ったんだけどね。面倒なことをしてくれたよ」
「そう?僕と君が脱落すればちょうど二人消えることになるけど」
ブロックノイズに包まれた体を必死に奮い立たせながら橙智はPDW銃を取り出す。
ポジションにより支給されたものが役にたったと思いながら銃口をルピナスへ突き付けるようにして構える。
「そんな状態で当てられるとでも?」
余裕ぶった笑みを浮かべているルピナスは無視し,橙智は引き金を引くと共に能力を発動させる。
「別にこれが当たらなくたっていいんだよ」
予想通り銃弾を避けたルピナスの足元が僅かに光る。
そこには魔法陣のようなものが張られていた。
途端,ルピナスを覆うようにしてトリカブトが咲き乱れる。
「どうせ死ぬなら,君も道連れにしてやるよ」
感情の抜け落ちたような,掠れたような声で橙智は言い放つ。
トリカブト。
美しい見た目に反して強力な毒を持つ花。
その花言葉は___"復讐"。
(羽月さんは逃げきれたかな...)
そこで橙智の意識はぷつんと途切れた。
******
「どこに居ても鬼に会う!も~嫌だ!!」
大声で不満を露わにする永夢はその不平を炎にのせて敵対者にぶつけていた。
「...やっぱり君たちに着いて行って正解だったよ。鬼はあの人が勝手に倒してくれるし」
その後ろでは冷がその様子を見守っていた。
彼の澄んだ青い瞳には怒りに任せて鬼を燃やす永夢の姿が映されていた。
「永夢,体力切れにならないといいんだけど」
冷の横では彼女の双子の姉の来夢が永夢の援護をしながら呟いていた。
何もすることがない冷はまたしても欠伸をし,隣をちらりと見ると小さい声で口ごもる。
「眠いな~。ねぇ僕寝ててもいい?」
「絶対だめ」
「えぇ~...」
とある街角に,無気力な声が小さく響いた。
変わることのないマイペースな放送はその一言で終わった。
もはや丁寧な説明は誰も期待していなかった。
わざわざ聞く必要もないような内容しか言わない放送は聞き流し,よっこらせと立ち上がりながら瀾が言う。
「とりあえず終わったなー。こっからはまたバラバラで行動する感じか?」
「...大人数で移動するのは危険だからそれでいいと思う」
先ほどからずっと周りを警戒している来夢が言った。
それに続けて伊織も言う。
「そうだな~。んじゃ,ここは解散ってことで」
******
......ということがあってから十分ほどが経過。
イベント前から組んでいたメンバーたちと共に,しょたは激戦区であった繫華街を後にした。
「意外とあっけなく終わった気がするなー。...脱落者も1人だけだったし」
「それは良いことじゃないですか。こうしてこれまでと同じように一緒に行動することができているんですから」
「それはそうなんだけど...なんつーかもっと交流?とかすると思ってたんだよ」
「確かにそうですね。あの中にいたメンバーの殆どがまだ名前が分からないままですし。」
「うんうん。雛も自己紹介とかするのかな~って思ってたけど違ったね」
しょた,凪,雛は何となく歩きながらもついさっきの出来事を思い出していた。
躊躇うことなく自分たちを襲ってくる鬼との戦闘。
枷となる[打消し]死[/打消し]への恐怖。
常に神経をすり減らしているような感覚。
そして__ようやく実感がもてた"脱落"の意味。
心のどこかで本当に[打消し]死ぬ[/打消し]ことなんてないと思っていた。
きっとデスゲームなんていうのは噓なんだと。
......そう[漢字]考えるようにしていた[/漢字][ふりがな]・・・・・・・・・・[/ふりがな]。
「じゃあここからはまた鬼に見つからないように動けばいいのかな?」
雛の言葉でしょたははっと我に返った。
「そうだな。そうしよう」
...それが今の自分たちに出来ることだ。
「さっき繫華街へ向かう途中に人のいなさそうな場所を見つけたんですが...良ければそこへ行きませんか?」
「俺はいいと思う!じゃあそこへの案内頼んだ」
「なぎにぃ,よろしく」
凪に連れられ,彼らは再び行動を開始した。
******
一方でイベント前とは違ったメンバーで行動する者もいた。
「本当に良かったの?羽月さん,今まであの人たちと行動してたんでしょ?」
橙智は疑問混じりの声で思っていたことを羽月に尋ねてみる。
「いやー...自分は結構単独行動をしてたっすからね。それにそれは橙智さんにも言えることっすよ?」
「僕は完全に何となくだけど」
「気分屋っすね~...」
途端会話が途切れる。
特に話すこともなく,羽月と橙智は辺りを見回しながら並んで歩いていた。
別に無言が嫌なわけではない。むしろ静かな方が好きだった。
しかし今はとにかく情報が欲しい。
何でも良いから聞き出してみよう。
そう判断した羽月はおもむろに口を開く。
「そう言えば橙智さんってポジションは何だったんすか?」
「えっとねー。僕のポジションは__
そこで橙智の返答は途切れた。
数秒経っても返事が返ってこないことを不審に思った羽月は正面から隣に視線を移した。
「どうかしたっすか?橙智さ...」
目の前には信じられない光景があった。
「だ,橙智さん...!?」
近くに鬼が居たわけでもない。
そうであったなら今頃自分たちは戦っているはずだ。
それなのになぜ隣にいる彼に槍のようなものが刺さっているのか。
「心臓を狙ったつもりだったんだけどなー。外したか」
背後から聞こえた声は[下線]参加者のものだった。[/下線]
「...あんた,参加者っすよね?」
気づかないうちに目の前に立っている人物を睨みながら,羽月は恐る恐る会話を試みる。
「そうだよ。ああ,自己紹介がまだだったね。僕の名前はルピナス・ラフレイシアだ。」
笑顔を絶やさずそう言う,ルピナスと名乗った人物からは殺気しか感じ取れなかった。
「何でこんなことしたんすか」
話は一応通じることに少し安堵しながらも羽月は数歩後退りする。
「君,ルール説明を読み直した方が良いんじゃないか?このゲームで生き残れるのは一人だけだとあっただろう?」
次は君の番だと言わんばかりにルピナスはいつの間にか手の中に収まっていた槍を羽月の方へと向ける。
「それは...そう,っすけど....」
羽月が次の言葉を述べる前に大きな槍が飛んできた。
「避けずに当たれば楽に[打消し]死ねるぞ[/打消し]?」
こういう人のことをサイコパスと人は言うのだろうか。
なんて流暢に思っている暇は羽月には無かった。
(あの人には多分自分だけじゃ勝てない...ここは橙智さんを連れてなんとか距離をとりたいところ...。)
必死に考えを巡らせようとするも緊張と恐怖で思うようにならない。
(一体どうすれば...!)
そんな彼に対してルピナスが再び攻撃を仕掛けようとした時だった。
地面が微かに揺れたかと思うとそこから数本の茨が出現した。
それらはルピナスに複雑に絡み付き,彼の動きを制しているようにも見えた。
羽月はとっさに橙智の方を見る。
予想通り,それは彼の仕業だった。
「橙智さん...?!ご無事で...?」
駆け寄ろうとした羽月に橙智は最期の力を振り絞って叫んだ。
[大文字]「今のうちに逃げて!羽月さんの能力があれば今すぐにここから離れられるでしょ!!」[/大文字]
その言葉は自分を置いて逃げろということを指していた。
「な,何言ってるんすか....橙智さんもまだ脱落にはなってないし__
「どうせ僕はここから逃げきれても[打消し]失血死[/打消し]する。だから早く!!」
「そうだね,そこの人の言う通りだと思うよ」
茨をものともせずに振り払うルピナス。
彼に巻き付いていたはずの茨は砂のようにはらはらと散っていった。
[小文字]「...早く」[/小文字]
橙智の体力も殆ど限界に達していた。
「...すいません,橙智さん!!」
意を決して羽月は翼を広げて飛び去る。
最後にちらりと見えた橙智の横顔は,どこか微笑んでいるようにも見えた。
羽月が飛び去るのを確認し,橙智は目の前の相手に向き直る。
「折角二人消せると思ったんだけどね。面倒なことをしてくれたよ」
「そう?僕と君が脱落すればちょうど二人消えることになるけど」
ブロックノイズに包まれた体を必死に奮い立たせながら橙智はPDW銃を取り出す。
ポジションにより支給されたものが役にたったと思いながら銃口をルピナスへ突き付けるようにして構える。
「そんな状態で当てられるとでも?」
余裕ぶった笑みを浮かべているルピナスは無視し,橙智は引き金を引くと共に能力を発動させる。
「別にこれが当たらなくたっていいんだよ」
予想通り銃弾を避けたルピナスの足元が僅かに光る。
そこには魔法陣のようなものが張られていた。
途端,ルピナスを覆うようにしてトリカブトが咲き乱れる。
「どうせ死ぬなら,君も道連れにしてやるよ」
感情の抜け落ちたような,掠れたような声で橙智は言い放つ。
トリカブト。
美しい見た目に反して強力な毒を持つ花。
その花言葉は___"復讐"。
(羽月さんは逃げきれたかな...)
そこで橙智の意識はぷつんと途切れた。
******
「どこに居ても鬼に会う!も~嫌だ!!」
大声で不満を露わにする永夢はその不平を炎にのせて敵対者にぶつけていた。
「...やっぱり君たちに着いて行って正解だったよ。鬼はあの人が勝手に倒してくれるし」
その後ろでは冷がその様子を見守っていた。
彼の澄んだ青い瞳には怒りに任せて鬼を燃やす永夢の姿が映されていた。
「永夢,体力切れにならないといいんだけど」
冷の横では彼女の双子の姉の来夢が永夢の援護をしながら呟いていた。
何もすることがない冷はまたしても欠伸をし,隣をちらりと見ると小さい声で口ごもる。
「眠いな~。ねぇ僕寝ててもいい?」
「絶対だめ」
「えぇ~...」
とある街角に,無気力な声が小さく響いた。