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グロテスクな描写,キャラ崩壊,急展開,厨二感半端ない文章(?)あり。
苦手な方は回れ右。

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【参加再募集】オニアソビ~銷魂の宴~

#15

偽りに偽りを-後編-

"鬼側の天皇が誰だか分かった"。

伊織のその言葉を聞いた瞬間,一部の参加者たちは思わず彼に驚きの目を向けた。

しかし,その行動は間違いだったのかもしれない。

「こんな短時間で天皇が分かった...?お前,それは本当か?」
その一人であるしのかが振り返った隙をつくように鬼は彼女に切りかかった。

「しまった!」
前を向いてももう遅い。
しのかは諦め,目を閉じた。

[明朝体]ザシュッ[/明朝体]

肉が切れる音ともにぽたぽたと血が垂れる音がする。


「どうして...」
切られたのはしのかではなく月下だった。

「このゲームに巻き込まれた時,正直私は他人を蹴落としてでも生き残りたいと思ってました。でも,それは...しのかさん。貴方に出会うことで変わったんです。」
自分を庇って目の前の相手が[打消し]瀕死[/打消し]寸前になっていることと,月下の思いもよらない告白にしのかは酷く動揺していた。

「貴方はこんなに不甲斐ない私を守ってくれた。一緒に行動してくれた。私はとても嬉しかったです。それと同時に貴方を最期まで守り抜こう。そう誓いました。」
そう続ける月下は,吐血しても話を止めることはなかった。

「だからこうして__最期までしのかさんと居ることができて,私はとても幸せです。」
彼女の体は次第に透けていき,例のブロックノイズが出現していた。

「そんな...嫌じゃ!月下!!」
叫んだところで月下の脱落は避けられない。そう分かっていてもしのかはそう叫ばずにいられなかった。

「どうか......生き延びて___
自分の[打消し]死[/打消し]を悟っても不思議と月下が[打消し]死[/打消し]への恐怖を感じることはなかった。
むしろ何かやり遂げたかのような気さえした。


ー「月下っていう名前はね,"美しく華やかな女性"を花言葉にする"月下美人"っていう花から付けたんだよ。」
リビングでよく祖母が言っていた言葉が,その風景と共にビデオが再生されたかのように月下の脳内に浮かんだ。
これを走馬灯というのだろうか。

その花には他にも花言葉があることを彼女は知っていた。

[下線]貴方にもう一度会いたい。[/下線]

(最後にもう一度だけ会いたかったな...おばあちゃん......)
月下の下半身は完全に消え,上半身も徐々に消えていこうとしていた。

涙を流すしのかの姿が朧気に見える。

(お父さん,お母さん...もうすぐそっちに行けそうだよ)

[明朝体]ジジッ[/明朝体]

月下美人の別の花言葉である,"儚い夢"を示すかのように,月下は泡沫の如く消えていった。


その様子を見届けたしのかは涙を拭い,何も言わずゆっくりと立ち上がった。
そのまま両腕を前へと広げる。

それと同時に室外機やガラス片に瓦礫に屋根瓦と,恐ろしい量の物がふわりと浮いた。

「散れ。」

しのかの放った言葉からは禍々しい殺気しか感じ取れなかった。

ガシャンと音を立てて浮いていたものが地面へと叩き付けられる。
それにより月下を切った鬼は消滅した。
しかし彼女はそれだけでは止まらず,尚も同じことを繰り返そうとしている。

「だめだよ,しのかちゃん!こんなに沢山のものを浮かしたりしたらしのかちゃんの体力がもたない!!」
それを制止したのは永夢だった。

「体力が尽きようとも構わん!わしは月下の仇を...」
「違う!月下さんはきっとそんなことは望んでいない!あの人はしのかちゃんに生きてほしいって言ってた!だったら月下ちゃんの分まで生きることがしのかちゃんのすべきことじゃないか!!!」
声を震わせながらも必死に訴える永夢を前に,しのかははっと我に返った。

(そうじゃ...月下はそう言っておった...じゃが,わしのポジションは__)
そう考え雑念を振り払うかのように首を振った後,彼女は永夢を見つめて言った。

「...そうじゃな。永夢の言うとうりじゃ。」
その言葉に永夢は安心したようだった。
次の瞬間。

ぐぅー,という音が永夢のお腹からした。
「あ,えっと...ごめん,私安心するとなぜかお腹が鳴るんだよね」
顔を赤らめて自分のお腹を抑える永夢にしのかは自然と笑みがこぼれた。

「おいお前ら,そういうのは後だ!今はこいつらの対処が先だ。...こんなところで[打消し]死ぬ[/打消し]んじゃねぇぞ!」
鬼に飛びかかりながらつっけんにしょたが言う。
だが,それは彼なりのしのかへの配慮でもあった。

「ああ!」
しょたに続きしのかと永夢も鬼への攻撃を再開する。

「俺としたことが...不用意にものを言うのは良くないか」
一連の出来事を見て,誰にも気づかれないように伊織はそう呟いた。





******
「えっ,天皇が分かったって本当なんですか?」
一方こちらはスカイツリーの中。

伊織と同じく蓮も繫華街での戦闘の様子を見ているうちに天皇が誰だか分かったようだった。

「あぁ。よく見てみろ。一人,明らかに他の奴に守られている奴がいるだろ」
緑色の目をした鬼。
注目して見ているとそれだけ度々他の鬼に庇われているように見えた。

「あ,本当ですね。でもこれ明らかではないですよー。あいつに注目して見てないと分からないレベルじゃないですか」
「馬鹿」
「うるさいです」
軽く言い合っている蓮と水泉の前に一体の鬼が現れた。

「鬼...?何だ。羽月さんでしたか。」
目が紫色であることを確認した水泉は構えていたライフルを下ろした。

「お前がここに来たということは俺の出番ってことか?」
「はい。話が早くて助かります。行きましょうか」

「それと水泉さん。引き続き援護射撃,お願いします」
「はーい」
水泉の返事を聞くと,羽月と蓮は激戦区へと向かって行った。

「...そろそろ私もちゃんと仕事しますかねー。お,まずはあれを撃っちゃいましょうか」
スコープ覗き,獲物を見つけた水泉はそう微笑んでいた。





******
「で,結局鬼の天皇というのは誰なんだい?」
鬼の数もようやく半分以下ほどに減った頃。

こちらでは伊織が天皇の正体を零に尋ねられていた。

「もしかして...緑色の瞳のやつですか?」
零に続き凛も尋ねる。

「うん。それ。あいつだけ妙に守りが固いだろ~?それに,だ。」
天皇らしき鬼へと弾幕を飛ばす伊織。

それを防いだのは別の鬼だった。

「どこから攻撃しても他の奴が絶対に邪魔をしてくる。」
「決まり,だね」

[明朝体]▼情報通達▼
鬼側の天皇は緑色の目をしたもの。
[下線]道府県支部に注意して攻撃を。[/下線][/明朝体]

凛の通達により天皇の正体は全員に知れ渡った。

「えっ,天皇あいつなの?」
「りょうかーい!」
「だったら他の三体をどうにか引き剝がさないとな」
「もっと早くいってよ~」
その通達に場が騒然としだす。

「天皇が分かったのはいいですが問題は残りの三体をどうするかですね。おそらくあの三体が道府県支部。それ故に動体視力も他とは比べ物にならないですからね。」
どうしたものかと考える星河。

(もし鬼に挑発が有効であるのなら...)
そこで彼は一つの策を思いつく。
「ルナさん,伊織さん,少しよろしいですか?とある策が浮かんだのですが」
二人の立っている場所へ近づき星河はこう言った。

「策~?いいね,教えてくれるか~?」
「自分は全然構いませんよ」
伊織とルナの同意を確認したうえで星河は話し始めた。





******
「鬼さんよぉ。いい加減こっちの天皇潰しにこないとまずいんじゃないか?」
他の参加者と戦っている鬼にも届くようわざと大きな声で伊織が挑発を始める。

「そうですよ。ほら,私達の天皇はここですよ」
そう言って星河はルナの方を一瞥し,すぐに鬼に視線を戻した。

(これで向こうがのってくれると助かるのですが...)
そんな星河の心配はすぐに消えた。

なぜなら鬼はルナめがけて攻撃をしようとしているからだ。
「挑発成功ですね。では,他の鬼が戦っている間にこちらも決着をつけましょうか」
そう言い星河が能力を発動させようとした時。

何者かが物凄いスピードで彼を追い越し鬼の方へと向かっていった。

「蓮......?!」
その姿を見て真っ先に反応したのは伊織だった。

しかし蓮の方は伊織には目もくれず鬼の天皇へと飛び込んでいった。

「あいつ...さては"[漢字]狂屡[/漢字][ふりがな]きょうる[/ふりがな]"使ってんな~?」

蓮の能力,狂屡。
身体能力,攻撃力諸々が上昇する代わりに敵を倒すまで暴れ続ける,というものだ。
しかし30分使ったら強制解除され,まともに動けなくなるという[漢字]副作用[/漢字][ふりがな]デメリット[/ふりがな]がある。

「それにしても...鬼の天皇の方も強いんですね。自分には他の三体と同じぐらい強そうに見えます」
強化されている蓮とも互角に渡り合っている鬼をみて,少し驚いた様子でルナが言った。

「主催者側としてはここで人数を減らしておきたいんでしょうね。」
蓮に加勢するタイミングを窺いながら星河が言う。
「これ以上犠牲者が出ないように早く終わらせたいところです__
彼がそう言い終わらない内に緑色の目をした鬼はこちらへと向かっていた。
蓮もそれを追いかけるが鬼が星河たちの方へ着く方が早かった。

「ルナ~来たぞ。例の作戦,再開といこうじゃないか」
「...はい!」
鬼がルナに触れようとしたその瞬間。

「動かないでください。」
星河により膨大な重力が鬼へとかかった。
それにより鬼は動けないようだ。

すかさずルナが動けない鬼に触れると__

[大文字]ダン![/大文字]

先程までとは桁違いの強さで彼は鬼を遥か後方へと吹っ飛ばした。
鬼が壁に激突すると同時に大きな振動がはしる。

「残念だったな~。こいつに触れられたら詰み確定だ~」
ルナが鬼に触れたその瞬間,伊織と星河は勝利を確信した。

なぜなら,ルナの能力__触れた相手と自分の力量を反転させる能力が発動したからだ。

ルナは今触れた鬼と同等の身体能力を持っている。
一方,鬼側の天皇の方は普段の彼と変わらない程弱くなっている。

「それに,だ。俺の言ったことにまんまと騙されているようだが天皇はこいつじゃねぇ。」

よろめきながら立ち上がる鬼に蓮の蹴りがクリティカルヒットした。
それに加え水泉の撃った鉛玉が心臓辺りにめり込んでいる。

戦いの終わりを告げる電子音が辺りに響いた。

「冥土の土産に教えてやるよ。本当の天皇は...」


「俺だ。」

伊織がそう言い終える頃には鬼はすべて消滅していた。





******
「鬼が消えた...?」
「あれ...天皇倒されたの?」
「あぶねー助かったー」
「やっと終わった~」

イベントを何とか乗り切ることができた安心と疲労で,殆どの者が地面に座りこんでいた。

「てかさっきちらっと聞こえたんだけど天皇が伊織ってどういうことだよ」
呼吸が乱れていながらも伊織の放った言葉が気掛かりらしいしょたが口を開いた。

「言葉通りですよ。ルナさんは天皇ではありません。あれは鬼をおびき寄せるための噓です」
「マジかよ...思いっきり騙されたわ」
「敵を欺くには味方から,ですよ。」
偽りの通達を送った当事者である星河は淡々とその質問に答えた。

「まぁいいじゃねぇか~。一先ず終わったんだしな~」
能力の副作用により動けない蓮のもとへと歩み寄り,伊織は言った。

「それにそろそろ[漢字]主催者側[/漢字][ふりがな]むこう[/ふりがな]からの連絡も入るんじゃないか~?」

彼が目を向けたスピーカーからは放送開始を意味するノイズが聞こえたきた。

作者メッセージ

ここから本格的に(?)グロくなっていきます
苦手な方は閲覧注意です

2025/01/13 13:59

キリサメアメ
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