閲覧前に必ずご確認ください
グロテスクな描写,キャラ崩壊,急展開,厨二感半端ない文章(?)あり。
苦手な方は回れ右。
「さて,通達を出したしそろそろ誰か来るか~?」
伊織は腕を組んで辺りを見回す。
「何であれ送ったのさ~...僕,戦うとか嫌なんだけど~!」
満足げな伊織とは違い,冷は不満をあらわにしていた。
もちろん伊織は動じる様子もない。
「まぁまぁ冷さん。鬼側が行動を起こさないのであればこちらから何かをしなければ埒が明きません。いつまでもこのままでいるわけにはいきませんから____ね!」
語尾を少し強くして放った星河の言葉に並行してバキッという音たてていつの間にかいた鬼があっけなく潰れた。
近くにあった室外機に重力をかけて鬼を押し潰したのだろう。
「...まさか先に鬼が来るとは。」
組んでいた腕をほどきながら消滅する鬼の姿を覗き込むようにしてしゃがむ。
「こんな所に一人で乗り込んでくるはずもないよな~....つまり。」
ゆっくりと立ち上がった伊織の前には無数の弾幕。
「仲間引き連れて来たんだろ~?鬼側の天皇さん?」
彼は直進する弾幕にそっと人差し指を向ける。
[明朝体]パチン。[/明朝体]
そのまま指を鳴らすと一瞬固まったかのように見えた弾幕は突然向きを変えると飛んできた方向へと飛んでいった。
数回にわたる爆音と共に煙が辺りに広がる。
煙が晴れる頃にはさっきまでとは比べ物にならない数の鬼がいた。
残っていた鬼を全て動員してきたのだろうか。
「かなり人数多いけど...これ僕たちだけでやる気?」
重い体を起こすかのようにおもむろに前に進み出た冷が気だるそうに言う。
今まで通りの無気力そうな顔。
しかし鬼に取り囲まれるという状況になってもその顔が冷静という二文字を欠くことはなかった。
「いや。そうでもないようだぞ~」
伊織は冷と同じように冷静さを保ちながら,変わらず笑顔のまま後ろに目をやる。
その先にはしのかに月下,星崎姉妹と橙智の姿が。
それに加えどこからかかすかに靴音が聞こえてくる。
おそらくこちらへ向かっている者が他にもいるのだろう。
「こっちもある程度のメンバーは揃っているしな。」
視線を再び鬼の方へと戻した伊織は試合開始を告げる掛け声のようにやや声量を上げてこう言い放った。
「さぁ,全面戦争といこうか。」
それを境に鬼の方は攻撃を開始する。
近接攻撃向きの武器や飛び道具,魔法のような遠距離攻撃をしてくる者。攻撃方法は様々だった。
[漢字]逃げ側[/漢字][ふりがな]こちら[/ふりがな]も同じようにその相手をする。
金属の擦れ合う音や銃声がその場を埋め尽くしたのはその数秒後のことだった。
******
天皇の所在へと向かう途中,その道中で出会った羽月に連れられ,蓮と水泉はとある建物の中を進んでいた。
「建物って全部入れないものだと思ってましたけどそうでもないみたいですねー」
ガラス張りになった展望回廊を歩きながら水泉は辺りを見渡し言う。
「入れる建物はかなり少ないんすけどね。ここ,見つけるの本当苦労したっすよ~...」
先頭を歩いていた羽月が振り向き返答する。
「これは完全に...東京スカイツリーだな。」
ガラス越しに見える景色は絶景と言えるものだった。
しかし,そこに見えるのは東京の街並みではなかった。
あろうことか隣には通天閣が見える。その反対方向である東側からは清水寺を望むことができた。
実際の世界ではあり得ないマップであることは一目瞭然だった。
「自分も初めてここを見つけた時そう思ったんすけどね~...その両サイドに通天閣と清水寺っすよ?ほんとビックリしたっすよ~」
大きな窓のロックを外す羽月。その途端そこから風が吹き込んできた。
「ゲームが終わったらここを観光するのも良いかもしれませんね」
「馬鹿言うな」
日本を代表する観光地が終結しているマップになっているとなると水泉がそう言うのも無理はなかった。
蓮の方はそうでもないようだが。
「それは置いておいて...私達はここから援護すればいいってことですか?」
羽月が開けた窓からでも伊織たちがいる繫華街は十分見えた。
「あー成程。だから私のポジションを真っ先に確認したんですね」
水泉のポジションは"ニンゲン"。それに加え彼女が支給された武器はスナイパーライフル。
スコープが付いており,命中精度と飛距離に優れた,射撃にはうってつけの代物だった。
この窓からでも繫華街で戦う鬼を打ち抜くことは十二分に可能だ。
「はい。お二人にはそれで援護をしていただきたいんっす!」
両手を合わせて"お願いします"のポーズをしたまま羽月は二人に頼み込む。
それは紛れもなくここで狙撃をしてほしいということを指していた。
反射的に蓮はどうする,と言いたげに水泉へと視線を移した。
水泉の方も蓮の顔を真っ直ぐ見つめていた。
その目からは協力しようという彼女の意図しか読み取れなかった。
「分かった。」
止めても無駄だということは水泉の性格上容易く想像できることだ。
なので蓮は彼女が何か言う前に返事をすることにした。
「私も同意見です。ですが羽月さんはどうするおつもりで?」
蓮の予想通り水泉も賛成した。
だが彼女の注目するところはそこではない。
羽月がどう行動するか。
それによってとる手段も変わると水泉は言いたいようだった。
「自分は伊織さん達の加勢に行ってくるっす。でも暫くしたら戻ってくると思います。その時に蓮さん,貴方のお力を貸していただきたいっす」
そう告げる羽月の姿はもう黒い翼を生やした陽気な少年では無かった。
敵である鬼の姿。
しかしあくまでも変化したのは見た目だけ。
その証拠に笑顔で話す,という鬼からすれば有り得ないことをしている。
「あぁー。羽月さんは〈大都市支部〉だったんですね。それじゃあ激戦区には行った方がいいですね」
「この姿で行けば鬼の方も攻撃してこないと思うのでそれを狙って動いていきたいと思います。あ,自分のこと撃たないでくださいよ?」
冗談交じりで自分にライフルを向ける水泉を見て反射的に飛びのく羽月。
「じゃあ分かりやすいようにこれでも付けといてください」
そう言って水泉が差し出したのはカラコンの入ったケースだった。
「見たところ鬼に紫色の目をしているのはいなさそうですからこれで分かると思うので」
「何で都合よくこんなの持ってるんすか」
素直に紫色のコンタクトをはめながらも尋ねる羽月。
「親の仕事上」
とだけ水泉は応えた。
彼女の目はどこか遠くを見据えているようだった。
******
戦闘が始まるまでの静けさとは一転して,繫華街のある南エリアは現在最も危険な戦場と化していた。
「ねぇこれ本当にLv.2,3辺りなの~?なんか強くない?」
敵の攻撃をひらりと避けながら隣で戦う伊織に話しかける冷。
「おそらくこいつらはそれ以上の強さを持っているじゃろうな。さっきわしらが戦ったのとは比べものにならん。」
伊織の代わりに応えたのは鉄パイプを剣の代わりにして鬼と打ち合っているしのかだった。
「Lv.5かどうかは判断出来んがLv.4以上の実力を持っていると言っても過言ではない。」
水泉の出した考えと同じように,しのかもその真相に嫌でも気付いていた。
「うっわGMの野郎思いっ切りサギりやがったな」
その言葉と同時に姿を現したのは瀾だった。
タッグを組んだ行里兄妹,熊ヶ崎兄妹にしょたも一緒だった。
「っし行くぜ!」
間伐を入れずにしょたは鬼の方へと飛びかかる。
行里兄妹はそれを弓矢で援護する。
凪は凶暴そうな動物を召喚し,使役していた。
そんな風に戦っている中。
「...そう言うことか。」
ルナを守りながらもじっと鬼側の動きを観察していた伊織が口を開いた。
「俺,誰が天皇か分かったな~」
伊織は腕を組んで辺りを見回す。
「何であれ送ったのさ~...僕,戦うとか嫌なんだけど~!」
満足げな伊織とは違い,冷は不満をあらわにしていた。
もちろん伊織は動じる様子もない。
「まぁまぁ冷さん。鬼側が行動を起こさないのであればこちらから何かをしなければ埒が明きません。いつまでもこのままでいるわけにはいきませんから____ね!」
語尾を少し強くして放った星河の言葉に並行してバキッという音たてていつの間にかいた鬼があっけなく潰れた。
近くにあった室外機に重力をかけて鬼を押し潰したのだろう。
「...まさか先に鬼が来るとは。」
組んでいた腕をほどきながら消滅する鬼の姿を覗き込むようにしてしゃがむ。
「こんな所に一人で乗り込んでくるはずもないよな~....つまり。」
ゆっくりと立ち上がった伊織の前には無数の弾幕。
「仲間引き連れて来たんだろ~?鬼側の天皇さん?」
彼は直進する弾幕にそっと人差し指を向ける。
[明朝体]パチン。[/明朝体]
そのまま指を鳴らすと一瞬固まったかのように見えた弾幕は突然向きを変えると飛んできた方向へと飛んでいった。
数回にわたる爆音と共に煙が辺りに広がる。
煙が晴れる頃にはさっきまでとは比べ物にならない数の鬼がいた。
残っていた鬼を全て動員してきたのだろうか。
「かなり人数多いけど...これ僕たちだけでやる気?」
重い体を起こすかのようにおもむろに前に進み出た冷が気だるそうに言う。
今まで通りの無気力そうな顔。
しかし鬼に取り囲まれるという状況になってもその顔が冷静という二文字を欠くことはなかった。
「いや。そうでもないようだぞ~」
伊織は冷と同じように冷静さを保ちながら,変わらず笑顔のまま後ろに目をやる。
その先にはしのかに月下,星崎姉妹と橙智の姿が。
それに加えどこからかかすかに靴音が聞こえてくる。
おそらくこちらへ向かっている者が他にもいるのだろう。
「こっちもある程度のメンバーは揃っているしな。」
視線を再び鬼の方へと戻した伊織は試合開始を告げる掛け声のようにやや声量を上げてこう言い放った。
「さぁ,全面戦争といこうか。」
それを境に鬼の方は攻撃を開始する。
近接攻撃向きの武器や飛び道具,魔法のような遠距離攻撃をしてくる者。攻撃方法は様々だった。
[漢字]逃げ側[/漢字][ふりがな]こちら[/ふりがな]も同じようにその相手をする。
金属の擦れ合う音や銃声がその場を埋め尽くしたのはその数秒後のことだった。
******
天皇の所在へと向かう途中,その道中で出会った羽月に連れられ,蓮と水泉はとある建物の中を進んでいた。
「建物って全部入れないものだと思ってましたけどそうでもないみたいですねー」
ガラス張りになった展望回廊を歩きながら水泉は辺りを見渡し言う。
「入れる建物はかなり少ないんすけどね。ここ,見つけるの本当苦労したっすよ~...」
先頭を歩いていた羽月が振り向き返答する。
「これは完全に...東京スカイツリーだな。」
ガラス越しに見える景色は絶景と言えるものだった。
しかし,そこに見えるのは東京の街並みではなかった。
あろうことか隣には通天閣が見える。その反対方向である東側からは清水寺を望むことができた。
実際の世界ではあり得ないマップであることは一目瞭然だった。
「自分も初めてここを見つけた時そう思ったんすけどね~...その両サイドに通天閣と清水寺っすよ?ほんとビックリしたっすよ~」
大きな窓のロックを外す羽月。その途端そこから風が吹き込んできた。
「ゲームが終わったらここを観光するのも良いかもしれませんね」
「馬鹿言うな」
日本を代表する観光地が終結しているマップになっているとなると水泉がそう言うのも無理はなかった。
蓮の方はそうでもないようだが。
「それは置いておいて...私達はここから援護すればいいってことですか?」
羽月が開けた窓からでも伊織たちがいる繫華街は十分見えた。
「あー成程。だから私のポジションを真っ先に確認したんですね」
水泉のポジションは"ニンゲン"。それに加え彼女が支給された武器はスナイパーライフル。
スコープが付いており,命中精度と飛距離に優れた,射撃にはうってつけの代物だった。
この窓からでも繫華街で戦う鬼を打ち抜くことは十二分に可能だ。
「はい。お二人にはそれで援護をしていただきたいんっす!」
両手を合わせて"お願いします"のポーズをしたまま羽月は二人に頼み込む。
それは紛れもなくここで狙撃をしてほしいということを指していた。
反射的に蓮はどうする,と言いたげに水泉へと視線を移した。
水泉の方も蓮の顔を真っ直ぐ見つめていた。
その目からは協力しようという彼女の意図しか読み取れなかった。
「分かった。」
止めても無駄だということは水泉の性格上容易く想像できることだ。
なので蓮は彼女が何か言う前に返事をすることにした。
「私も同意見です。ですが羽月さんはどうするおつもりで?」
蓮の予想通り水泉も賛成した。
だが彼女の注目するところはそこではない。
羽月がどう行動するか。
それによってとる手段も変わると水泉は言いたいようだった。
「自分は伊織さん達の加勢に行ってくるっす。でも暫くしたら戻ってくると思います。その時に蓮さん,貴方のお力を貸していただきたいっす」
そう告げる羽月の姿はもう黒い翼を生やした陽気な少年では無かった。
敵である鬼の姿。
しかしあくまでも変化したのは見た目だけ。
その証拠に笑顔で話す,という鬼からすれば有り得ないことをしている。
「あぁー。羽月さんは〈大都市支部〉だったんですね。それじゃあ激戦区には行った方がいいですね」
「この姿で行けば鬼の方も攻撃してこないと思うのでそれを狙って動いていきたいと思います。あ,自分のこと撃たないでくださいよ?」
冗談交じりで自分にライフルを向ける水泉を見て反射的に飛びのく羽月。
「じゃあ分かりやすいようにこれでも付けといてください」
そう言って水泉が差し出したのはカラコンの入ったケースだった。
「見たところ鬼に紫色の目をしているのはいなさそうですからこれで分かると思うので」
「何で都合よくこんなの持ってるんすか」
素直に紫色のコンタクトをはめながらも尋ねる羽月。
「親の仕事上」
とだけ水泉は応えた。
彼女の目はどこか遠くを見据えているようだった。
******
戦闘が始まるまでの静けさとは一転して,繫華街のある南エリアは現在最も危険な戦場と化していた。
「ねぇこれ本当にLv.2,3辺りなの~?なんか強くない?」
敵の攻撃をひらりと避けながら隣で戦う伊織に話しかける冷。
「おそらくこいつらはそれ以上の強さを持っているじゃろうな。さっきわしらが戦ったのとは比べものにならん。」
伊織の代わりに応えたのは鉄パイプを剣の代わりにして鬼と打ち合っているしのかだった。
「Lv.5かどうかは判断出来んがLv.4以上の実力を持っていると言っても過言ではない。」
水泉の出した考えと同じように,しのかもその真相に嫌でも気付いていた。
「うっわGMの野郎思いっ切りサギりやがったな」
その言葉と同時に姿を現したのは瀾だった。
タッグを組んだ行里兄妹,熊ヶ崎兄妹にしょたも一緒だった。
「っし行くぜ!」
間伐を入れずにしょたは鬼の方へと飛びかかる。
行里兄妹はそれを弓矢で援護する。
凪は凶暴そうな動物を召喚し,使役していた。
そんな風に戦っている中。
「...そう言うことか。」
ルナを守りながらもじっと鬼側の動きを観察していた伊織が口を開いた。
「俺,誰が天皇か分かったな~」