グチャグチャと不快な音があたりに響き渡っている。
周りに漂うのは血と焦げた肉の匂い。
この惨状を引き起こしているのは、たった一体の妖……巨大な鬼。
170はあろうかという巨大な体を揺らし、人肉を貪っている。
あの鬼の討伐が今回の任務の為、こちらに気づいていないのは好都合だ。[漢字]元凶の妖[/漢字][ふりがな]ターゲット[/ふりがな]に向けて体を踊らせた。
ぐん、と足が地面を蹴って鬼の目を掻い潜る。
鬼の赤い眼は、私が先ほどいたところに向けられている。
まだ見つかってはいないはずだ。
手に持っている刀で[漢字]元凶[/漢字][ふりがな]ターゲット[/ふりがな]の腕を切る。鬼の腕が血を撒き散らしながら宙を舞う。
刹那、私と鬼の目が合った。憎悪と苦痛、そして驚きに揺れる二つの目はお前を絶対に殺してやると告げていた。
お前なんかに殺されてたまるか。死ぬのはお前一人で十分。
すれ違いざまこちらに向けて振るわれたであろう鬼の長い爪をよけ、逆手にした刀で左足を深く切り裂いた。
「グオオオオオ!」
鬼の咆哮が夜の闇を切り裂く。失った右腕と左足の痛みに、右手で持っていた金棒が地面に叩きつけられる。
痛みに震える鬼を見下ろした。私は冷たい瞳で鬼を見据える。
かわいそうだとは思わない。この鬼が行ったのは罪のない村人の大量虐殺。
「終わりですね」
鬼に向けて刀を構える。式神は使わない。
私の命を、こんな奴のために削るつもりはない。この刀だけで、終わらせる。
刀を振り上げたら、背後からか、空中からか、甘い囁くような声が聞こえた。
「…最後まで足掻いて見せて。僕がサポートしてあげるから。鏡亡、白色をあげる」
パキパキ、と音が聞こえる。直後、足に焼けるような冷気が走った。痛みから地面に目を向ければ足首から先が銀色の氷に覆われていた!
マズイ、動けない。それに鬼が反撃してくるかもしれない。
予想通りといったところか、金棒を振り上げている鬼とまた目があった。
鬼の目は愉悦に歪んでいる。最後の好機、ざまあみろとでも思っているのだろう。
背に腹は変えられない。
「[漢字]白狐[/漢字][ふりがな]びゃっこ[/ふりがな]、出てこい」
私の声に渋々と言った様子で出てきた式神に、鬼の退治を命じる。
「こんな雑魚に妾を召喚するとは、お主も[漢字]落魄[/漢字][ふりがな]おちぶ[/ふりがな]れたものだのう」
白狐が白銀の天秤を召喚して、私の方をみる。天秤の片方には私の胸から抜き出された、温かい金色の光が。もう片方には、鬼の体から立ち昇る、病的なほど青白い霊力が乗っている
「こやつを倒すなら、お主の寿命を1日分じゃ。いいな?」
即座に頷く。戦場では一瞬の迷いが命取りだから。
周りに漂うのは血と焦げた肉の匂い。
この惨状を引き起こしているのは、たった一体の妖……巨大な鬼。
170はあろうかという巨大な体を揺らし、人肉を貪っている。
あの鬼の討伐が今回の任務の為、こちらに気づいていないのは好都合だ。[漢字]元凶の妖[/漢字][ふりがな]ターゲット[/ふりがな]に向けて体を踊らせた。
ぐん、と足が地面を蹴って鬼の目を掻い潜る。
鬼の赤い眼は、私が先ほどいたところに向けられている。
まだ見つかってはいないはずだ。
手に持っている刀で[漢字]元凶[/漢字][ふりがな]ターゲット[/ふりがな]の腕を切る。鬼の腕が血を撒き散らしながら宙を舞う。
刹那、私と鬼の目が合った。憎悪と苦痛、そして驚きに揺れる二つの目はお前を絶対に殺してやると告げていた。
お前なんかに殺されてたまるか。死ぬのはお前一人で十分。
すれ違いざまこちらに向けて振るわれたであろう鬼の長い爪をよけ、逆手にした刀で左足を深く切り裂いた。
「グオオオオオ!」
鬼の咆哮が夜の闇を切り裂く。失った右腕と左足の痛みに、右手で持っていた金棒が地面に叩きつけられる。
痛みに震える鬼を見下ろした。私は冷たい瞳で鬼を見据える。
かわいそうだとは思わない。この鬼が行ったのは罪のない村人の大量虐殺。
「終わりですね」
鬼に向けて刀を構える。式神は使わない。
私の命を、こんな奴のために削るつもりはない。この刀だけで、終わらせる。
刀を振り上げたら、背後からか、空中からか、甘い囁くような声が聞こえた。
「…最後まで足掻いて見せて。僕がサポートしてあげるから。鏡亡、白色をあげる」
パキパキ、と音が聞こえる。直後、足に焼けるような冷気が走った。痛みから地面に目を向ければ足首から先が銀色の氷に覆われていた!
マズイ、動けない。それに鬼が反撃してくるかもしれない。
予想通りといったところか、金棒を振り上げている鬼とまた目があった。
鬼の目は愉悦に歪んでいる。最後の好機、ざまあみろとでも思っているのだろう。
背に腹は変えられない。
「[漢字]白狐[/漢字][ふりがな]びゃっこ[/ふりがな]、出てこい」
私の声に渋々と言った様子で出てきた式神に、鬼の退治を命じる。
「こんな雑魚に妾を召喚するとは、お主も[漢字]落魄[/漢字][ふりがな]おちぶ[/ふりがな]れたものだのう」
白狐が白銀の天秤を召喚して、私の方をみる。天秤の片方には私の胸から抜き出された、温かい金色の光が。もう片方には、鬼の体から立ち昇る、病的なほど青白い霊力が乗っている
「こやつを倒すなら、お主の寿命を1日分じゃ。いいな?」
即座に頷く。戦場では一瞬の迷いが命取りだから。