※ご注意ください※
一度投稿したリレー小説は、編集はできますが削除することはできません。投稿前によく見直した上でご投稿ください。
まるでアクション映画のような。
きれいな不協和音が重なって、一つ下の階のガラスが弾けたのを、とある少女は見た。
少女は、従者に声をかけてこの場から去ろうとして────そして、恵まれし者として、叩き込まれた責務を思い出して。
声を上げた。
「皆様、逃げてください!」
丁寧に手入れされてるであろう、ふんわりとしたピンク色の髪を気にかけることなく振り乱し、少女はよく通る声で叫んだ。
「このビルの15階から、火災が発生しているようです!
皆様、今なら間に合いますので早く避難を!」
その声は果たして届いたのかはわからないが、思い出したかのように、我先にと階段を駆け下りていく人の波。
流れ出す人を見て、声を張り上げていた少女はそっとため息を吐いた。
『[漢字]珠麗[/漢字][ふりがな]みれい[/ふりがな]お嬢様、時間がありません。お嬢も早く避難を』
控えていた執事が、[漢字]少女[/漢字][ふりがな]珠麗[/ふりがな]に耳打ちする。
「ええ、わかっていますわ。貴方も私と一緒に早く逃げ────!」
逃げるわよ、と言おうとした珠麗の視界に映り込んだのは、逃げ遅れた老人の夫婦。
互いに支え合って歩こうという姿勢を見せる老夫婦を、珠麗は場違いながらも美しいと思った。
くるりとそのピンク色の髪を翻し、珠麗は執事に目線を送る。
「わかっているわね?」
『────はいはい、もう! お嬢の我儘には慣れていますからね!!』
[水平線]
猫型になっているルイは、窺うようにこちらを見ている。
『セルリス、本当に大丈夫なのか? やはり、さっきの場所へ戻って安静にしていたほうが────』
「大丈夫よ。それに、さっきの爆発音を放っておいたら、仮に変身できないとはいえ、マザーに怒られそうだもの」
私は、まだ疲れが抜けきらない体を引きずるようにして、爆発音が鳴った方向へと足を運んだ。
道中、赤い液体────おそらく血であるもの────が、道路に引いてある白線のように跡を残していた。
多分、さっきの爆発でガラスか何かで出血した人が逃げた跡⋯⋯のかもしれない。
⋯⋯それにしたら血の量が多くて心配だけど。
この[漢字]血痕[/漢字][ふりがな]みちしるべ[/ふりがな]の先を辿っていけば、なにかが起こるような。
お気に入りのパズルの、欠けていた最後のピースを見つけられるような、そんな気がした。
────でも。
私は、⋯⋯⋯⋯私は【魔法少女】セルリス・メルシアなのだ。
優先すべきは、民間人の命。
決して自身の根拠のない勘ではない。
ひとりでに止まった足を、無理やりにでも動かす。
不思議そうに見上げるルイに、スピードを上げるように指示をして、私自身も走り出す。
なぜか、胸の奥が痛んだ。
ようやくたどり着いた、爆発音の発信源と思われるビルは、半分から上が煙に包まれていて見えない。
そして、ガタリ、という音を立てて、他のビルへとつながっていた連絡橋が崩れ落ちた。
きれいな不協和音が重なって、一つ下の階のガラスが弾けたのを、とある少女は見た。
少女は、従者に声をかけてこの場から去ろうとして────そして、恵まれし者として、叩き込まれた責務を思い出して。
声を上げた。
「皆様、逃げてください!」
丁寧に手入れされてるであろう、ふんわりとしたピンク色の髪を気にかけることなく振り乱し、少女はよく通る声で叫んだ。
「このビルの15階から、火災が発生しているようです!
皆様、今なら間に合いますので早く避難を!」
その声は果たして届いたのかはわからないが、思い出したかのように、我先にと階段を駆け下りていく人の波。
流れ出す人を見て、声を張り上げていた少女はそっとため息を吐いた。
『[漢字]珠麗[/漢字][ふりがな]みれい[/ふりがな]お嬢様、時間がありません。お嬢も早く避難を』
控えていた執事が、[漢字]少女[/漢字][ふりがな]珠麗[/ふりがな]に耳打ちする。
「ええ、わかっていますわ。貴方も私と一緒に早く逃げ────!」
逃げるわよ、と言おうとした珠麗の視界に映り込んだのは、逃げ遅れた老人の夫婦。
互いに支え合って歩こうという姿勢を見せる老夫婦を、珠麗は場違いながらも美しいと思った。
くるりとそのピンク色の髪を翻し、珠麗は執事に目線を送る。
「わかっているわね?」
『────はいはい、もう! お嬢の我儘には慣れていますからね!!』
[水平線]
猫型になっているルイは、窺うようにこちらを見ている。
『セルリス、本当に大丈夫なのか? やはり、さっきの場所へ戻って安静にしていたほうが────』
「大丈夫よ。それに、さっきの爆発音を放っておいたら、仮に変身できないとはいえ、マザーに怒られそうだもの」
私は、まだ疲れが抜けきらない体を引きずるようにして、爆発音が鳴った方向へと足を運んだ。
道中、赤い液体────おそらく血であるもの────が、道路に引いてある白線のように跡を残していた。
多分、さっきの爆発でガラスか何かで出血した人が逃げた跡⋯⋯のかもしれない。
⋯⋯それにしたら血の量が多くて心配だけど。
この[漢字]血痕[/漢字][ふりがな]みちしるべ[/ふりがな]の先を辿っていけば、なにかが起こるような。
お気に入りのパズルの、欠けていた最後のピースを見つけられるような、そんな気がした。
────でも。
私は、⋯⋯⋯⋯私は【魔法少女】セルリス・メルシアなのだ。
優先すべきは、民間人の命。
決して自身の根拠のない勘ではない。
ひとりでに止まった足を、無理やりにでも動かす。
不思議そうに見上げるルイに、スピードを上げるように指示をして、私自身も走り出す。
なぜか、胸の奥が痛んだ。
ようやくたどり着いた、爆発音の発信源と思われるビルは、半分から上が煙に包まれていて見えない。
そして、ガタリ、という音を立てて、他のビルへとつながっていた連絡橋が崩れ落ちた。