初恋は叶わない
「なぁ、恋してる?」
友人の[漢字]緋兎[/漢字][ふりがな]ひと[/ふりがな]が、いきなりそんなことを言ってくる。
「…急に何言ってんのお前」
緋兎とは幼稚園からの幼馴染だが、そんなことを言ってきたことは今まで一度も無かったため、そう返す。
「冷たっ![漢字]寧夏[/漢字][ふりがな]ねいか[/ふりがな]、対応冷たすぎだろ!」
「いや普通じゃね」
友人がいきなりそんなことを聞いてきたら、誰でも驚くものだろう…と思う。
「で?なんでいきなり」
「なんかさ、昨日聞いた話なんだけど!」
「“初恋は叶わない”らしいんだよ!」
“初恋は叶わない”…ねぇ。
「ふぅん」
「反応薄くね…?」
お前の反応がデカすぎるのでは…と言おうとしたが、まぁ黙っておいてやろう。
「…まぁ、恋、してるけど」
そう言うと、いきなりガバッと顔をあげる。
「まじっ!?誰だれ!?」
キョロキョロと周りを見渡す緋兎に、冷たい一言を浴びせる。
「そんなん素直に教えるわけないだろばぁーか」
緋兎はふたたび机に倒れ込んだ。
[水平線]
帰りのHRが終わり、家に帰ろうと廊下に出たとき。
ふわりと、爽やかな風とすれ違う。
いや、正確には爽やかな風を纏った人、だ。
[下線] [/下線][漢字]西園寺悠音[/漢字][ふりがな]さいおんじゆうと[/ふりがな]。
眉目秀麗、文武両道。さながら学校のアイドル様。
彼はオレに気づくと、柔らかい笑みをこちらに向けた。
「…!///」
…あぁ、本当に彼はずるい。
そう。オレは、西園寺悠音に恋をしている。
しかもそれが人生で初めての恋ときた。
理由?そんなの覚えていない。ただ、気づいたら彼にドキドキしている自分がいたってだけ。
とにかくそのせいで、毎日彼とすれ違っただけで心臓がバクバクだ。
なのに、むこうはずっと爽やかな顔で…あーもう、思い出しただけで顔が熱い…///
そのとき、脳裏に一つの言葉が浮かぶ。
[下線] [/下線][太字]“初恋は叶わない”。[/太字]
もしそれが本当なら…
オレのこの恋は、叶わないのか。
[水平線]
翌日。
学校に行くと、何やら人だかりができていた。
「なに?なにが起きてんの?」
教室の前で騒がれちゃあ、中に入れない。
近くにいた緋兎に、事情を聞く。
「あ!寧夏!聞けよ、大ニュース!あの西園寺悠音にさ、」
「彼女出来たらしいんだよ!」
「…は?」
「うちのクラスの女子が相手らしくてさぁ!いま、確かめようとした女子が教室の前に群がってて…寧夏?」
「…」
「おーい、寧夏?」
「…ぁ、ごめん…」
あまりの衝撃に、声を失っていたらしい。
「大丈夫かお前?なんか顔色悪いけど…」
「だい、じょぶ…」
「ホントか?体調悪いとかじゃ…」
「ほんと、大丈夫だからっ!」
緋兎が差し出した手をはらいのける。
「…寧夏?」
「っあ、ごめ、やっぱ体調悪いかも!保健室行ってくる!」
そう言って、ダッシュでその場を去る。
「[小文字]寧夏、そっち逆方向[下線] [/下線][/小文字]」
緋兎の声が、周りの雑音と共に遠のく。
[水平線]
「ハァッ、ハァ」
うそだろ、そんなわけ、だってかれはおんなのひとにきょうみなんか[下線] [/下線]
色んな考えが頭をめぐっていて、ぐるぐるとした気持ち悪さを覚える。
しばらくして、一息つく。
[下線] [/下線]よく考えれば、当たり前か。
オレみたいな冴えない陰キャの男より、可愛い女の方がいいに決まってる。
なのに色々考えて、もしかしたら叶うかもなんて…バカじゃないのか。
そう思うと、自然と涙が溢れる。
“初恋は叶わない”。
“初恋は叶わない”。
[下線] [/下線]“初恋は叶わない”。
あぁ、あれって、本当だったんだ。
…もう、どうでもいいか。
オレは、穴が空いたような心のまま、教室へと戻った。
友人の[漢字]緋兎[/漢字][ふりがな]ひと[/ふりがな]が、いきなりそんなことを言ってくる。
「…急に何言ってんのお前」
緋兎とは幼稚園からの幼馴染だが、そんなことを言ってきたことは今まで一度も無かったため、そう返す。
「冷たっ![漢字]寧夏[/漢字][ふりがな]ねいか[/ふりがな]、対応冷たすぎだろ!」
「いや普通じゃね」
友人がいきなりそんなことを聞いてきたら、誰でも驚くものだろう…と思う。
「で?なんでいきなり」
「なんかさ、昨日聞いた話なんだけど!」
「“初恋は叶わない”らしいんだよ!」
“初恋は叶わない”…ねぇ。
「ふぅん」
「反応薄くね…?」
お前の反応がデカすぎるのでは…と言おうとしたが、まぁ黙っておいてやろう。
「…まぁ、恋、してるけど」
そう言うと、いきなりガバッと顔をあげる。
「まじっ!?誰だれ!?」
キョロキョロと周りを見渡す緋兎に、冷たい一言を浴びせる。
「そんなん素直に教えるわけないだろばぁーか」
緋兎はふたたび机に倒れ込んだ。
[水平線]
帰りのHRが終わり、家に帰ろうと廊下に出たとき。
ふわりと、爽やかな風とすれ違う。
いや、正確には爽やかな風を纏った人、だ。
[下線] [/下線][漢字]西園寺悠音[/漢字][ふりがな]さいおんじゆうと[/ふりがな]。
眉目秀麗、文武両道。さながら学校のアイドル様。
彼はオレに気づくと、柔らかい笑みをこちらに向けた。
「…!///」
…あぁ、本当に彼はずるい。
そう。オレは、西園寺悠音に恋をしている。
しかもそれが人生で初めての恋ときた。
理由?そんなの覚えていない。ただ、気づいたら彼にドキドキしている自分がいたってだけ。
とにかくそのせいで、毎日彼とすれ違っただけで心臓がバクバクだ。
なのに、むこうはずっと爽やかな顔で…あーもう、思い出しただけで顔が熱い…///
そのとき、脳裏に一つの言葉が浮かぶ。
[下線] [/下線][太字]“初恋は叶わない”。[/太字]
もしそれが本当なら…
オレのこの恋は、叶わないのか。
[水平線]
翌日。
学校に行くと、何やら人だかりができていた。
「なに?なにが起きてんの?」
教室の前で騒がれちゃあ、中に入れない。
近くにいた緋兎に、事情を聞く。
「あ!寧夏!聞けよ、大ニュース!あの西園寺悠音にさ、」
「彼女出来たらしいんだよ!」
「…は?」
「うちのクラスの女子が相手らしくてさぁ!いま、確かめようとした女子が教室の前に群がってて…寧夏?」
「…」
「おーい、寧夏?」
「…ぁ、ごめん…」
あまりの衝撃に、声を失っていたらしい。
「大丈夫かお前?なんか顔色悪いけど…」
「だい、じょぶ…」
「ホントか?体調悪いとかじゃ…」
「ほんと、大丈夫だからっ!」
緋兎が差し出した手をはらいのける。
「…寧夏?」
「っあ、ごめ、やっぱ体調悪いかも!保健室行ってくる!」
そう言って、ダッシュでその場を去る。
「[小文字]寧夏、そっち逆方向[下線] [/下線][/小文字]」
緋兎の声が、周りの雑音と共に遠のく。
[水平線]
「ハァッ、ハァ」
うそだろ、そんなわけ、だってかれはおんなのひとにきょうみなんか[下線] [/下線]
色んな考えが頭をめぐっていて、ぐるぐるとした気持ち悪さを覚える。
しばらくして、一息つく。
[下線] [/下線]よく考えれば、当たり前か。
オレみたいな冴えない陰キャの男より、可愛い女の方がいいに決まってる。
なのに色々考えて、もしかしたら叶うかもなんて…バカじゃないのか。
そう思うと、自然と涙が溢れる。
“初恋は叶わない”。
“初恋は叶わない”。
[下線] [/下線]“初恋は叶わない”。
あぁ、あれって、本当だったんだ。
…もう、どうでもいいか。
オレは、穴が空いたような心のまま、教室へと戻った。
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