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ODや自傷行為を彷彿とするワードが出てくる場合があります。ご注意ください。
紡『…近くに夜桜が見える場所があって。そこ、行きませんか?』
「うん。いいよ。」
2人で肩を並べながら歩く。
何年ぶりだろうか。
あの時は、小さくて、まだ俺の腰くらいだったのに今では背丈が高くなって、成人もして。
時の流れは残酷でもあり、美しくもあった。
紡『ここですよ。』
彼が連れていってくれたのは、何年も前に君に見せた一本の大きな桜の木だった。
「…懐かしいな。ここにきたのなんて、君を連れて最後だよ。」
紡『…あの日から、来ていないんですか?』
「…君に見せる顔がなかったから。」
「もう、ここには来てはいけないって思ってた。」
[斜体]「君のことをよく見てたから。」[/斜体]
あの日。
桜を見せたあの日。
僕は君を残して家を出た。
天蓋神にこれ以上干渉しようものなら、お前ごとあやつを消し去ると脅され、君を守るため、自分を守るために出た。
…いや、そんなのは保身の言葉であって、きっと本心は怖かったのだろう。
だから、そんな情けない兄でいたくなかった。
だから、君を裏切った。
[下線]置いていった。[/下線]
「能力のことも知ってた。君が人の心を簡単に読んでしまうことを。」
「苦しんでたのも昔から知ってた。」
「…なのに、能力をわざわざ解放させたことをすごく悔やんでる。」
「必要なことだったけれど…自分でも、君を苦しめすぎたと思ってる。」
「…どうか、恨んでくれ。思いっきり嫌ってくれ。」
夜の暗い空にピンク色の花びらが舞う。
あの日の笑顔はもう見れない。
あの日の日常は戻らない。
[太字]もう、2人では___。[/太字]
紡『長男だからって、育て親だからって、なんでも背負いすぎだよ。』
紡『…あの日、置いていったのだって、ただ逃げたんじゃないでしょ。』
紡『俺を守りたいから、置いていったんでしょ?』
[斜体]紡『あんたのことは、昔からよく知ってたから。』[/斜体]
なんで君の記憶を消したか。
…裏切られた、という感情を持ってほしくなかった。
俺の存在なんか忘れて、普通に生きて欲しかった。
ただただ、普通の男の子として、幸せになって欲しかった。
紡『…あなたが考えてしたことなら、俺は正しいって思える。』
紡『今回の継承式でさ…まぁ、色々あったけど、どう転んだってあなたがした選択が正しかった。』
「それは能力とかみんなのおかげで…」
紡『能力のおかげとか、みんなのおかげとかってさ。そうじゃなくて、それを最大限活用して、最善の道を選んだんだったら、それは正しい道だと思う。』
紡『現に今、怪我はしてるけど、みんなぴんぴんしてるじゃん。そうでしょ?』
紡『だからまぁ…とにかく言いたいのは。』
紡『[下線]俺はあなたを嫌いにならないし、恨まない。[/下線]』
紡『逆に…今にでも崩れてしまいそうなこの手を離したくない。』
紡『俺は、あんたの”弟“であり、あんたの育てた“子供”だから。』
紡『ちゃんと、次こそ[斜体]親の責任、取ってくださいよ。[/斜体]』
「…。」
まっすぐな優しい目が突き刺さる。
君は俺が知らない間に、ずいぶんと優しい青年に育ってしまったようで…。
親代わりとして、誇らしいや。
「今まで、ごめん。そして______
________________ここまで立派に成長してくれてありがとう。」
桜の木の下で、俺らはやっと一つになれた。
「うん。いいよ。」
2人で肩を並べながら歩く。
何年ぶりだろうか。
あの時は、小さくて、まだ俺の腰くらいだったのに今では背丈が高くなって、成人もして。
時の流れは残酷でもあり、美しくもあった。
紡『ここですよ。』
彼が連れていってくれたのは、何年も前に君に見せた一本の大きな桜の木だった。
「…懐かしいな。ここにきたのなんて、君を連れて最後だよ。」
紡『…あの日から、来ていないんですか?』
「…君に見せる顔がなかったから。」
「もう、ここには来てはいけないって思ってた。」
[斜体]「君のことをよく見てたから。」[/斜体]
あの日。
桜を見せたあの日。
僕は君を残して家を出た。
天蓋神にこれ以上干渉しようものなら、お前ごとあやつを消し去ると脅され、君を守るため、自分を守るために出た。
…いや、そんなのは保身の言葉であって、きっと本心は怖かったのだろう。
だから、そんな情けない兄でいたくなかった。
だから、君を裏切った。
[下線]置いていった。[/下線]
「能力のことも知ってた。君が人の心を簡単に読んでしまうことを。」
「苦しんでたのも昔から知ってた。」
「…なのに、能力をわざわざ解放させたことをすごく悔やんでる。」
「必要なことだったけれど…自分でも、君を苦しめすぎたと思ってる。」
「…どうか、恨んでくれ。思いっきり嫌ってくれ。」
夜の暗い空にピンク色の花びらが舞う。
あの日の笑顔はもう見れない。
あの日の日常は戻らない。
[太字]もう、2人では___。[/太字]
紡『長男だからって、育て親だからって、なんでも背負いすぎだよ。』
紡『…あの日、置いていったのだって、ただ逃げたんじゃないでしょ。』
紡『俺を守りたいから、置いていったんでしょ?』
[斜体]紡『あんたのことは、昔からよく知ってたから。』[/斜体]
なんで君の記憶を消したか。
…裏切られた、という感情を持ってほしくなかった。
俺の存在なんか忘れて、普通に生きて欲しかった。
ただただ、普通の男の子として、幸せになって欲しかった。
紡『…あなたが考えてしたことなら、俺は正しいって思える。』
紡『今回の継承式でさ…まぁ、色々あったけど、どう転んだってあなたがした選択が正しかった。』
「それは能力とかみんなのおかげで…」
紡『能力のおかげとか、みんなのおかげとかってさ。そうじゃなくて、それを最大限活用して、最善の道を選んだんだったら、それは正しい道だと思う。』
紡『現に今、怪我はしてるけど、みんなぴんぴんしてるじゃん。そうでしょ?』
紡『だからまぁ…とにかく言いたいのは。』
紡『[下線]俺はあなたを嫌いにならないし、恨まない。[/下線]』
紡『逆に…今にでも崩れてしまいそうなこの手を離したくない。』
紡『俺は、あんたの”弟“であり、あんたの育てた“子供”だから。』
紡『ちゃんと、次こそ[斜体]親の責任、取ってくださいよ。[/斜体]』
「…。」
まっすぐな優しい目が突き刺さる。
君は俺が知らない間に、ずいぶんと優しい青年に育ってしまったようで…。
親代わりとして、誇らしいや。
「今まで、ごめん。そして______
________________ここまで立派に成長してくれてありがとう。」
桜の木の下で、俺らはやっと一つになれた。
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- 3.#3
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- 22.【番外編 神様なのにお正月満喫しちゃってます。】
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- 67.【第3章終了記念番外編 なぜか学生になってました。】
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