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朽ちて、なお

#51

#50

[回想]
俺は小さい頃、木の実を食べたり、魚を食べたり、川の水を飲んだりしながら過ごしていた。
落ち着く家も、優しい両親もいなかった。
ただ、1人で必死に生きていた。
____一度、街中へ出たことがあった。
その時に、自分の能力に気がついた。
街の人々の声が脳内に響く。
耳で聞こえる声と違う、怖くて暗くて憎悪や嫉妬に塗れた汚い言葉や声が頭に流れ込んできた。
それも街中だったため、致死量以上の大勢の人たちが行き来していたため、パニックになり、吐いてしまったこともあった。
人間の本性なんざ知ってもいいことなんかない。
みんな、自分も周りも世界すらも憎んでいる人ばかり。
もう、この能力を使ったらいずれ自分も壊れる。
そう思い、[斜体]無理やり心を殺して封印させた。[/斜体]
その能力を封印させた時、今までに聞いたみんなの言葉や声が一気に流れてきた。
気持ち悪かった。
見知らぬ人が見知らぬ人を憎み、また違う人が憎み。
もう、人間と名乗ってはいけないほどぐじゃぐじゃと絡められた無数の血でべっとり汚れた言葉や声が俺の脳内を支配し、意識を失った。

[現在]
神[…紡…紡久…!紡久…!!]
「はッ…!!!」
神[…ごめん。プレッシャーかけすぎた。]
「俺、なにして…。」
琴〔急に白目向いて倒れちゃったんですよ。紡久兄さん。〕
神[…ほんとに無理させるつもりはないんだ。嫌なら、いやって____。]
[斜体]「やり、ます…俺がやらないと…。」[/斜体]
その刹那。
俺の中の封印が解けた。
その時、俺は再び
「ぁ…あ…。」
[下線]心を読めるようになっていた。[/下線]
神[紡久っ!!]
「…。」
吐き気がひどい。
頭がぐらぐらする。
何も声も言葉も聞こえないのに。
零《…お前は一回休め。落ち着いた方がいい。神楽。てめぇもな。》
神[…うん。そう、だね。一回みんな休憩を取ろう。]
[小文字]「俺の…せい、だ。」[/小文字]
俺のせいで話し合いを中断させてる。
迷惑になってる。
足手まといになってる。
零《…お前のせいじゃねぇよ。悪いのは、お前をここまで放っておいた親父だろ。》
零《一旦、静かに目ぇ瞑れ。何も考えずになにも感じずに。》
「…っ。」
俺はその言葉に身を委ねながら、目を瞑った。

[明朝体]{ほら、君は笑顔が似合うよ。}[/明朝体]
あなたは?
あなたは誰なんだ?
[明朝体]{ふふっ、紡久は優しいね。動物さん、好き?}[/明朝体]
優しい声が響く。
誰?
[明朝体]{ちょっと焦げちゃったけど…焦げた方がちょっと香ばしくて美味しいから無問題!}[/明朝体]
笑ってる…。
でも、鼻から上がうまく見えない。
あなたは…
[明朝体]{紡久はどんな大人になりたい?}[/明朝体]
あなたは…
[明朝体]{俺の名前?俺は_____。}[/明朝体]
[大文字]あなたは誰なんだ?[/大文字]

作者メッセージ

念願の#50ですよ。はやいもので、もうここまできました…!!うれしいです。とても。
まだまだまだありますのでお楽しみに!!
(ほんとに#100超えたらどうしよう)

2026/02/12 18:23

rary
ID:≫ 1acdLZrSPpU0c
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