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朽ちて、なお

#30

#29

俺が16で、あいつ13歳になった頃。
理玖は神様としてスカウトされていた。
[太字]”次期最高神候補“[/太字]として。
[斜体]俺の夢は最高神になることだった。[/斜体]
嬉しさと、虚しさと、イラつきが同時に襲いかかってきた。
そりゃあ、親友が偉大な人になれるということは俺としてもうれしい。
だけど、なんで俺じゃないんだろうってイラつきや虚しさがを頭によぎる。
理玖は[斜体]透と一緒に神様になりたい[/斜体]、とスカウトの人に行っていた。
スカウトの人は少し顔を歪ませながらも、“理玖が入ってくれるなら、君の親友も神様にするよ、約束する”、って言ってくれた。
おれは、ただの[太字]”理玖のおまけ“[/太字]だった。
俺はきっと神様としてあまり向いていないんだろう、と悟ってしまった。
16歳として初めてこんなにも重い悩みを抱いてしまった。
親友は大切だ。
でもそんな親友が憎くてたまらなかった。
俺もその時は幼かったから、彼に言っても無駄なのに、たくさんの憎しみを彼にぶつけてしまった。
「なんで…なんでずっと最高神を目指してきた俺がっ…!!ただの逸材としか言われてないような人間に最高神という玉座を奪われなきゃいけないんだよっ!!!!!」
理『透…。』
「でもっ…お前は優しいからっ…俺も神様にしてくれたらなるって言ってくれたよなあっ…」
「[大文字]俺は…ただの理玖のおまけなんだよっ…!!!」[/大文字]
理『それはちがうよ…!!』
「何が違うんだ…?なぁ、答えろよ。あの時のスカウトマンの顔みたか?苦笑いだったんだそ…っ!!!お前には真の笑顔しか向けないくせに、俺には苦笑いで、仕方なく…みたいなスタンスで…っ!!!」
「今だって俺のこと可哀想としか思ってないんだろ…??」
「そりゃそうだろうなぁ…本気で目指してもなかったし、スカウトされた身だし…哀れとしか思えないんだろ…??なぁ?」
[太字]理『透っ!!いい加減にしてよ!!』[/太字]
理玖がこんなに声を上げたところを見たのは初めてだった。
理『最高神は簡単になれる職業じゃない!!それは透が一番わかってるでしょ…!!』
理『そもそも僕は優しいから透と一緒に神様になろうって決めたわけじゃない…!!!』
理『1人じゃ、きっとなれないと思ったからだよ…!!!』
理『僕だけじゃ、きっと未熟だからうまくできないと思った…けど!!』
理『透がいればなんでもできるって思えたんだよ!!』
理『最高神っていう普通の人じゃなれないような重要な仕事も、やろうと思えたんだ!!』
俺らは初めて本気でぶつかりあえた。
”親友“として。
[太字]「お前には…俺の苦悩なんてわかるわけない…!!勝ち組は負け組の気持ちなんて一生わからない!!!」[/太字]
その言葉を放った瞬間、彼は寂しげに瞳を揺らした。
理『紡久…僕たちはっ…一度離れたほうがいいかもしれない…。』
理『これ以上ぶつかりあったって、きっと何も解決しないでしょ…??』
「あぁそうだなぁ、俺も強くそう思うよ。」
[下線]「じゃあな、次期最高神さんよぉ。」[/下線]
俺はその時、理玖の顔すらも見たくないほど嫌悪していたから、去り際の理玖の顔はわからない。
[斜体]ただ、綺麗な瞳が静かに揺れていた。[/斜体]

作者メッセージ

重いよ…激重なんですけど…。
みなさん読むのがんばってください(?)

2026/01/28 20:37

rary
ID:≫ 1acdLZrSPpU0c
コメント

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