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〈回想〉
俺は人間としての生涯を4年で終えた。
最初は、母さんだって優しかった。
本屋さんに行ったら欲しい本を一冊買ってくれた。
そして、毎晩それを読み聞かせてくれた。
母{ふふっ、理玖はこの本大好きだね〜。}
「うんっ!おもしろくてすき!」
母{飽きない?また新しい本買おうか?}
「ううん、だいじょうぶ!このほんあきないし!」
母{そう?笑ならいいけどね。欲しいものある時は、ちゃんとお母さんに言うんだよ?}
「うんっ!」
大好きな本だった。
数少ない思い出の中に深く刻まれていた。
母さんの落ち着いた優しい小さな声で囁かれるような読み聞かせが大好きだった。
僕が3歳の頃だろうか。
そこから母さんはおかしくなり始めた。
食事も昔ほどくれなくなった。
一緒に過ごす時間もほぼなくなった。
本を読み聞かせる時間もなくなった。
母さんは街へ出掛けていたせいで、深い夜の中、僕はひとりぼっちだった。
その頃には、もうひらがなも読めるようになっていた。
母さんがいない寂しさを埋めるために、毎晩1人で読んでいた。
でも、とある日、母さんは早く帰ってきてくれた。
母{…あんた、まだ起きてたんだね。}
ため息まじりの気怠けな声を出していた。
「ほんよみたかったから、おきてたの。」
母{あっそ。てかまだあったんだね、その本。もうてっきり捨てたかと思ってたわ。}
「…。」
なんだか、僕の思い出をグジャグジャにされたような気持ちになった。
この本にはたくさんの思い入れがあって、その思い出の中には母さんもいたのに。
僕は悔しくなって、少し大きな声で音読し始めた。
「〜は…〜の…」
その様子を見た母さんがポツリと話した。
母{…うるさい。耳障り。}
母{あのさ、私疲れてるの。私の分じゃなくて、あんたの食事代も全部稼がなきゃいけないの。}
母{養ってもらってる側なんだから、少しは静かにできない?}
その時、僕は一つの糸が切れたように、ぷつっと何かが切れた。
_______母さんに愛されない人生なら。
[下線]もう僕には生きる価値がない。[/下線]
毎日そう思うようになった。
4歳の誕生日を迎えた日。
母さんは一緒にいてはくれなかった。
「かあさん…。」
今日はいつもよりもずうっと寂しく感じた。
「おなかすいたよぉ…。」
ご飯なんて最後に食べたの、いつだっけ。
「かあ…さん…。」
寂しくて寂しくてたまらなかった。
でも迷惑はかけたくなかった。
母さんの笑う顔が好きだったから。
でも今は怒る顔ばかりしか見てないや。
_____ねぇ、母さん。
[太字]母さんは僕を愛してる?[/太字]
今もずっと。
[下線]大切な息子[/下線]だと思ってくれてる?
それとも、ただの[下線]邪魔な存在?[/下線]
{いっそのこと死んで保険金になってくれないかなーー。}
〈それは言い過ぎだろー笑〉
{いいのよ、どうせ聞いてないし笑}
僕が死んだらお金になれるんだって。
僕が死んだら、母さんは笑ってくれるかな。
もう怒ることもないのかな。
「…。」
僕は大切な本を持って、冬の冷たく凍ったベランダへ向かった。
ベランダから外に出た。
寒くて、冷たくて、今すぐにでも凍ってしまいそうだった。
「母さん…。」
僕からのプレゼント。
よかったらもらって。
ゆっくりと地面に近づく身体。
その時間がとっても長く感じた。
でも着実にゆっくりと地面に近づいていた。
[斜体]ぐしゃ、と嫌な音が耳に響いて、そこから意識を失った。[/斜体]
俺は人間としての生涯を4年で終えた。
最初は、母さんだって優しかった。
本屋さんに行ったら欲しい本を一冊買ってくれた。
そして、毎晩それを読み聞かせてくれた。
母{ふふっ、理玖はこの本大好きだね〜。}
「うんっ!おもしろくてすき!」
母{飽きない?また新しい本買おうか?}
「ううん、だいじょうぶ!このほんあきないし!」
母{そう?笑ならいいけどね。欲しいものある時は、ちゃんとお母さんに言うんだよ?}
「うんっ!」
大好きな本だった。
数少ない思い出の中に深く刻まれていた。
母さんの落ち着いた優しい小さな声で囁かれるような読み聞かせが大好きだった。
僕が3歳の頃だろうか。
そこから母さんはおかしくなり始めた。
食事も昔ほどくれなくなった。
一緒に過ごす時間もほぼなくなった。
本を読み聞かせる時間もなくなった。
母さんは街へ出掛けていたせいで、深い夜の中、僕はひとりぼっちだった。
その頃には、もうひらがなも読めるようになっていた。
母さんがいない寂しさを埋めるために、毎晩1人で読んでいた。
でも、とある日、母さんは早く帰ってきてくれた。
母{…あんた、まだ起きてたんだね。}
ため息まじりの気怠けな声を出していた。
「ほんよみたかったから、おきてたの。」
母{あっそ。てかまだあったんだね、その本。もうてっきり捨てたかと思ってたわ。}
「…。」
なんだか、僕の思い出をグジャグジャにされたような気持ちになった。
この本にはたくさんの思い入れがあって、その思い出の中には母さんもいたのに。
僕は悔しくなって、少し大きな声で音読し始めた。
「〜は…〜の…」
その様子を見た母さんがポツリと話した。
母{…うるさい。耳障り。}
母{あのさ、私疲れてるの。私の分じゃなくて、あんたの食事代も全部稼がなきゃいけないの。}
母{養ってもらってる側なんだから、少しは静かにできない?}
その時、僕は一つの糸が切れたように、ぷつっと何かが切れた。
_______母さんに愛されない人生なら。
[下線]もう僕には生きる価値がない。[/下線]
毎日そう思うようになった。
4歳の誕生日を迎えた日。
母さんは一緒にいてはくれなかった。
「かあさん…。」
今日はいつもよりもずうっと寂しく感じた。
「おなかすいたよぉ…。」
ご飯なんて最後に食べたの、いつだっけ。
「かあ…さん…。」
寂しくて寂しくてたまらなかった。
でも迷惑はかけたくなかった。
母さんの笑う顔が好きだったから。
でも今は怒る顔ばかりしか見てないや。
_____ねぇ、母さん。
[太字]母さんは僕を愛してる?[/太字]
今もずっと。
[下線]大切な息子[/下線]だと思ってくれてる?
それとも、ただの[下線]邪魔な存在?[/下線]
{いっそのこと死んで保険金になってくれないかなーー。}
〈それは言い過ぎだろー笑〉
{いいのよ、どうせ聞いてないし笑}
僕が死んだらお金になれるんだって。
僕が死んだら、母さんは笑ってくれるかな。
もう怒ることもないのかな。
「…。」
僕は大切な本を持って、冬の冷たく凍ったベランダへ向かった。
ベランダから外に出た。
寒くて、冷たくて、今すぐにでも凍ってしまいそうだった。
「母さん…。」
僕からのプレゼント。
よかったらもらって。
ゆっくりと地面に近づく身体。
その時間がとっても長く感じた。
でも着実にゆっくりと地面に近づいていた。
[斜体]ぐしゃ、と嫌な音が耳に響いて、そこから意識を失った。[/斜体]