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ODや自傷行為を彷彿とするワードが出てくる場合があります。ご注意ください。
紡久side
僕はずっと前から理玖さんの様子には気がついていた。
無理やり作ったような笑顔。
日に日にご飯を食べなくなること。
日に日に部屋から出ないで、1人で作業していたこと。
睡眠をしっかり取れていないこと。
栄養が足りてないこと。
全部わかっていたはずなのに。
その虚しさと苦しさでおかしくなりそうだ。
透〔…強引に連れてきちゃって、申し訳ない。〕
「いえ、全然大丈夫です。…それで、お話とは一体…?」
透〔…あんたは身近にいるから、なんとなくあいつの様子には勘付いているだろうが…
___あいつ、今以上に深刻になるぞ。〕
[大文字] 「ッ…!?」[/大文字]
気づいていたはずだった。
でも彼のことを気遣いたくて…。
いやこんなの、綺麗事にすぎないか。
[太字] __ずっと見て見ぬふりをしていただけか。[/太字]
どんどん追い詰められていく彼を見ていられなくて、逃げていただけか。
透〔…ちょっと強く言ってもいいか。君に。〕
「…はい。」
透〔なんで一番身近にいたのに気づけなかったんだ?〕
透〔料理を作るのも、家事をするのも、仕事の管理をするのも、あんたの仕事だって言うのに、なんでただの同僚の俺が気づけて、あんたは気づけてないんだ?〕
「僕だって…!!」
透〔じゃあ、なんで見て見ぬふりをしたんだ?〕
一瞬空気が凍りついた。
僕は口の動くままに話し始めた。
「…見たくなかったんです。見ていられなかったんです。」
「だから、ずっと逃げてたんです。」
「…僕は何度か確認しました。1人で食事をとるから自分のご飯を作らなくていいと言った時に、本当にご飯は食べているのか、栄養はとっているのかを。」
「彼は無理やり笑顔を作って、食べているから心配しないでって…。」
「…正直、その言葉は信用できなかった。…でも、彼が言うならそれが真実だと思っていたんです。」
「仕事のことだって、仕事量が多いから減らすことを何度か提案しました。でも、その時だって彼は、このままでいい、大丈夫、なんて戯言を言っていました。」
「…僕は、何度だって止めようと思ってた。無理やりにだって止めようと。」
「でも…そんなの、透さんから見たら綺麗事にすぎない…。」
透〔…最近のあいつ、みたか。テレビに映っているあいつを。〕
「…あまりテレビを見る機会がなくて、見ておりません。」
透〔…あいつ、過呼吸起こしてた。〕
「…はっ…?」
透〔演説を見ていた観衆の中に、あいつが最高神なのを反対する団体がいた。そしたら、急に呼吸を荒くしてた。のちにあいつに聞いたら、僕がダメだから僕を思ってみんな僕を反対しているんだ、って無理やり笑ってた。〕
透〔…正直な、あんたにもあいつにも苛立ってる。〕
透〔あんたは、あいつを気遣いすぎて空振りしてるし、あいつは人に頼ればいいのに、全部1人で抱えてやろうとするから腹が立つ。〕
彼は拳を握りしめていた。
僕はなんで彼に背を向けていたんだろう。
彼は助けのサインを出していたのに。
虚しさが体全体に広がっていく。
透〔…一番近くで守れるのは、あんたしかいない。俺は外側でしか守ることができない。〕
透〔だからどうか…___
___あいつを守ってくれ。〕
僕は、理玖さんにとって、“従者“だ。
従者というのは、時折主人を守るもの。
「…わかりました。絶対に彼の“心“を守ります。」
透〔ありがとな。…じゃあ、さっき医者から聞いた話、全部話すから聞いてくれ。〕
透さんがお医者様から聞いたお話は、理玖さんは薬を過剰に摂取していること、栄養失調なこと、摂食障害の可能性が高いこと、トラウマがかなりひどい可能性があることだった。
透〔んじゃあ、俺はもう帰る。…あんたも帰る前に、あいつと話してきな。〕
「はい、そうします。」
透〔じゃあな。〕
そう言って彼はさっていった。
僕はずっと前から理玖さんの様子には気がついていた。
無理やり作ったような笑顔。
日に日にご飯を食べなくなること。
日に日に部屋から出ないで、1人で作業していたこと。
睡眠をしっかり取れていないこと。
栄養が足りてないこと。
全部わかっていたはずなのに。
その虚しさと苦しさでおかしくなりそうだ。
透〔…強引に連れてきちゃって、申し訳ない。〕
「いえ、全然大丈夫です。…それで、お話とは一体…?」
透〔…あんたは身近にいるから、なんとなくあいつの様子には勘付いているだろうが…
___あいつ、今以上に深刻になるぞ。〕
[大文字] 「ッ…!?」[/大文字]
気づいていたはずだった。
でも彼のことを気遣いたくて…。
いやこんなの、綺麗事にすぎないか。
[太字] __ずっと見て見ぬふりをしていただけか。[/太字]
どんどん追い詰められていく彼を見ていられなくて、逃げていただけか。
透〔…ちょっと強く言ってもいいか。君に。〕
「…はい。」
透〔なんで一番身近にいたのに気づけなかったんだ?〕
透〔料理を作るのも、家事をするのも、仕事の管理をするのも、あんたの仕事だって言うのに、なんでただの同僚の俺が気づけて、あんたは気づけてないんだ?〕
「僕だって…!!」
透〔じゃあ、なんで見て見ぬふりをしたんだ?〕
一瞬空気が凍りついた。
僕は口の動くままに話し始めた。
「…見たくなかったんです。見ていられなかったんです。」
「だから、ずっと逃げてたんです。」
「…僕は何度か確認しました。1人で食事をとるから自分のご飯を作らなくていいと言った時に、本当にご飯は食べているのか、栄養はとっているのかを。」
「彼は無理やり笑顔を作って、食べているから心配しないでって…。」
「…正直、その言葉は信用できなかった。…でも、彼が言うならそれが真実だと思っていたんです。」
「仕事のことだって、仕事量が多いから減らすことを何度か提案しました。でも、その時だって彼は、このままでいい、大丈夫、なんて戯言を言っていました。」
「…僕は、何度だって止めようと思ってた。無理やりにだって止めようと。」
「でも…そんなの、透さんから見たら綺麗事にすぎない…。」
透〔…最近のあいつ、みたか。テレビに映っているあいつを。〕
「…あまりテレビを見る機会がなくて、見ておりません。」
透〔…あいつ、過呼吸起こしてた。〕
「…はっ…?」
透〔演説を見ていた観衆の中に、あいつが最高神なのを反対する団体がいた。そしたら、急に呼吸を荒くしてた。のちにあいつに聞いたら、僕がダメだから僕を思ってみんな僕を反対しているんだ、って無理やり笑ってた。〕
透〔…正直な、あんたにもあいつにも苛立ってる。〕
透〔あんたは、あいつを気遣いすぎて空振りしてるし、あいつは人に頼ればいいのに、全部1人で抱えてやろうとするから腹が立つ。〕
彼は拳を握りしめていた。
僕はなんで彼に背を向けていたんだろう。
彼は助けのサインを出していたのに。
虚しさが体全体に広がっていく。
透〔…一番近くで守れるのは、あんたしかいない。俺は外側でしか守ることができない。〕
透〔だからどうか…___
___あいつを守ってくれ。〕
僕は、理玖さんにとって、“従者“だ。
従者というのは、時折主人を守るもの。
「…わかりました。絶対に彼の“心“を守ります。」
透〔ありがとな。…じゃあ、さっき医者から聞いた話、全部話すから聞いてくれ。〕
透さんがお医者様から聞いたお話は、理玖さんは薬を過剰に摂取していること、栄養失調なこと、摂食障害の可能性が高いこと、トラウマがかなりひどい可能性があることだった。
透〔んじゃあ、俺はもう帰る。…あんたも帰る前に、あいつと話してきな。〕
「はい、そうします。」
透〔じゃあな。〕
そう言って彼はさっていった。
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- 22.【番外編 神様なのにお正月満喫しちゃってます。】
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- 67.【第3章終了記念番外編 なぜか学生になってました。】
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- 81.#79
- 82.#80
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