龍騎士(ドラグナイト) -draghknight-
#1
第零之章 物語のハジマリ
2050年、愛知県名古屋市中区の那古野城跡に、一人の少年が立っていた。
「ここが、織田上総介様の幼年時代の城か・・・。」
そう、彼こそがこの物語の主人公、長尾裕翔である。彼は、[下線][斜体]東京の家から絶賛家出中![/斜体][/下線]
そして、誰よりも織田信長推しの少年。
もちろん、家族には「お出かけ」としか伝えていない。彼は16歳。今の処、山梨県と静岡県で4日を過ごしており、今日で愛知県は2日目だ。
携帯がなる。
「もしもし?」
「助けて・・・、怪物が・・・ッ!」
その母の言葉を最後に、電話は途切れた。
―刹那、震度5弱の揺れが東日本全域を襲う。
(こんな揺れだと、母さん達が危ない・・・、地震で瓦礫に押しつぶされてるかも・・・。)
ただ、交通手段は地震で全て止まっていたため、2週間かけて陸を自分の足で走り、服が破れ、四肢と顔から血を吹き出しながらも家の近くまで来た。あたりには赤いインキが撒き散らされ、蟻のような意味不明の影が蠢いていた。
(何だ、俺は頭でもおかしくなっているのか?)
―と、頭上から滴る赤い液体に気がついた。上を向くと、滴る液体で顔中と視界が紅色に染まった。
刹那、その味で気づく。
―――血だ。しかも、人間の。
まさか・・・!
窓は割れていたが、力一杯家のドアを引き千切り、叫ぶ。
アアアアアアアアア‼
――果たして、家族はかの幻影の如き巨大な蟻に喰われていた。
もう一度外へ出て、今度こそ目を凝らしてみていると、自由勝手に暴れる巨大な昆虫たちがいた。
はちみつの入った瓶を割り、はちみつを舐めるカブトムシがいた。
あたり一面の家を好き勝手に壊すカミキリムシがいた。
牧場から運ばれてきている途中の肉牛を鎌で斬り殺して食うカマキリがいた。
そして何より、他の昆虫と同じかのように、生きている人間、死んでいる人間の体をもぎ、その場で食らう蟻がいた。
「キャー!」
後ろから女性の悲鳴。
振り返ると、かつて片思いをしていた女子、柳野咲良がいた。
―――もうこれ以上、俺にとって大切な人の死に様を見たくない。
裕翔の心は決まった。
柳野と巨大な蟻の間に立った裕翔は、巨大な蟻を強く見据えた―。
「ここが、織田上総介様の幼年時代の城か・・・。」
そう、彼こそがこの物語の主人公、長尾裕翔である。彼は、[下線][斜体]東京の家から絶賛家出中![/斜体][/下線]
そして、誰よりも織田信長推しの少年。
もちろん、家族には「お出かけ」としか伝えていない。彼は16歳。今の処、山梨県と静岡県で4日を過ごしており、今日で愛知県は2日目だ。
携帯がなる。
「もしもし?」
「助けて・・・、怪物が・・・ッ!」
その母の言葉を最後に、電話は途切れた。
―刹那、震度5弱の揺れが東日本全域を襲う。
(こんな揺れだと、母さん達が危ない・・・、地震で瓦礫に押しつぶされてるかも・・・。)
ただ、交通手段は地震で全て止まっていたため、2週間かけて陸を自分の足で走り、服が破れ、四肢と顔から血を吹き出しながらも家の近くまで来た。あたりには赤いインキが撒き散らされ、蟻のような意味不明の影が蠢いていた。
(何だ、俺は頭でもおかしくなっているのか?)
―と、頭上から滴る赤い液体に気がついた。上を向くと、滴る液体で顔中と視界が紅色に染まった。
刹那、その味で気づく。
―――血だ。しかも、人間の。
まさか・・・!
窓は割れていたが、力一杯家のドアを引き千切り、叫ぶ。
アアアアアアアアア‼
――果たして、家族はかの幻影の如き巨大な蟻に喰われていた。
もう一度外へ出て、今度こそ目を凝らしてみていると、自由勝手に暴れる巨大な昆虫たちがいた。
はちみつの入った瓶を割り、はちみつを舐めるカブトムシがいた。
あたり一面の家を好き勝手に壊すカミキリムシがいた。
牧場から運ばれてきている途中の肉牛を鎌で斬り殺して食うカマキリがいた。
そして何より、他の昆虫と同じかのように、生きている人間、死んでいる人間の体をもぎ、その場で食らう蟻がいた。
「キャー!」
後ろから女性の悲鳴。
振り返ると、かつて片思いをしていた女子、柳野咲良がいた。
―――もうこれ以上、俺にとって大切な人の死に様を見たくない。
裕翔の心は決まった。
柳野と巨大な蟻の間に立った裕翔は、巨大な蟻を強く見据えた―。