「莉緒ちゃん、よろしくね!」
席替えをして、前から仲が良かった、鈴木莉緒ちゃんと隣になった、私。
これから、平和で楽しい日々が待っていると思っていたけれど…。
ある日。
私はいつも通り、学校に来た。
階段をのぼって、教室に向かっていた、その時。
「でも、私は…」
「鈴木さん。僕は…」
廊下で話していたのは、莉緒ちゃんと黒崎先生。
何を話しているかは、わからない。
でも、莉緒ちゃんが、なぜか悲しそうに見えた。
[水平線]
「おはようございます!」
私が教室に入ってから、少し経って、先生も教室に入ってきた。
まだ、莉緒ちゃんは来てない…。
「先生! 鈴木莉緒が来てないです!」
1人の男子がそう言って、みんながざわつき始める。
「鈴木さんは、もうすぐ来ますよ」
でも、先生は焦った様子などなく、そう答えた。
でも、莉緒ちゃんがまだ来ないことと、さっき黒崎先生と話していたこと、何か関係がある気がする…。
「おはようございます」
すると、莉緒ちゃんが教室に入ってきた。
さっきは少し悲しそうに見えたけれど、今はいつも通り。
「麻結ちゃん、おはよう」
「あっ、おはよう」
莉緒ちゃんは、挨拶をしてくれた。
中休み。
「莉緒ちゃん。今日の朝、なにかあったの?」
私は気になって、聞いてみた。
「えっ? なんにもないよ。ただ、遅刻しちゃっただけ」
そんなわけない。だって、朝、私は話してるのを見たから…。
「黒崎先生と… 話してたよね…?」
私がそう言うと、一瞬、莉緒ちゃんの顔がこわばった。
「ちょっと… 違うところで話そう」
「…うん」
図工準備室。ここは、狭いうえに暗いから、ほとんど誰も来ない。
「見てたんだね、私と黒崎先生が話してたの」
「うん…」
「…実はね、私、ずっっと黒崎先生のことが好きだったの」
「えっ…?」
莉緒ちゃんが、黒崎先生のことを…?
じゃあ、私と莉緒ちゃんは… ライバルってこと…?
「私と黒崎先生が出会ったのは、去年の6月。黒崎先生は、私のパパの友達で、一目惚れだったの」
「じゃあ、今日の朝、話してたのは…」
「告白、したの。ダメだってわかってたけど、諦めるためには、必要だと思って。でも、やっぱりダメだった…」
莉緒ちゃんの頬に1粒、涙が流れる。
莉緒ちゃん、告白したんだ…。
私、「告白」なんて考えてもなかった。
「莉緒ちゃんは、すごいよ」
「えっ?」
「告白して、前に進もうとする莉緒ちゃんは、すごいよ」
「…ほんと…?」
「うん、すごい」
「麻結ちゃん…っ」
莉緒ちゃんの涙は、キラキラと輝いていた。
まるで、今までの頑張りを現しているかのように…。
[水平線]
それから、少し経って。
「先生、ここって、どうすれば良いですか?」
私は、運動会代表委員になった。
運動会代表委員は、5年生と6年生のクラスから2人ずつ、毎日放課後に集まって、
運動会の準備をする、特別委員会。
私はくじ引きでたまたま選ばれた。男子は… 高森くん。
「私と高森くん」って発表された時、斎藤さんも私も、動揺していたけれど。
でも、私にとってハッピーなことがあった。
それが…。
「ここは、こうすればいいよ。あと、藤野さん。この資料も、お願いしてもいい?」
「…はい!」
運動会代表委員の担当の先生が、黒崎先生だったんだ!
いつも、みんなより長い時間、黒崎先生と一緒にいれることすら、嬉しかったけれど、
今日は、もっともっと、良いことがあった。
「藤野さん。もうすぐ帰宅時刻ですよ」
「あっ… はい。じゃあ、帰りますね」
気づいたら、みんなはもう、帰っていた。
残っているのは、私と、黒崎先生だけ。
「この頃、頑張ってますね。藤野さん」
「そうですか?」
「みんなを引っ張って、積極的に仕事をしている藤野さんを見ると、僕も頑張ろうって思えます」
「……!」
夕日で輝く、黒崎先生の横顔。
目を離すことが、できなかった。
「あと、2週間くらいですね。本番まで、一緒に頑張りましょう」
「…あっ、はい!」
今日、また、黒崎先生への想いが、もっともっと、大きくなった気がした。
でも、運動会直前にあんなことが起こるなんて…。
この頃の私は、思ってもいなかった。
続く!
席替えをして、前から仲が良かった、鈴木莉緒ちゃんと隣になった、私。
これから、平和で楽しい日々が待っていると思っていたけれど…。
ある日。
私はいつも通り、学校に来た。
階段をのぼって、教室に向かっていた、その時。
「でも、私は…」
「鈴木さん。僕は…」
廊下で話していたのは、莉緒ちゃんと黒崎先生。
何を話しているかは、わからない。
でも、莉緒ちゃんが、なぜか悲しそうに見えた。
[水平線]
「おはようございます!」
私が教室に入ってから、少し経って、先生も教室に入ってきた。
まだ、莉緒ちゃんは来てない…。
「先生! 鈴木莉緒が来てないです!」
1人の男子がそう言って、みんながざわつき始める。
「鈴木さんは、もうすぐ来ますよ」
でも、先生は焦った様子などなく、そう答えた。
でも、莉緒ちゃんがまだ来ないことと、さっき黒崎先生と話していたこと、何か関係がある気がする…。
「おはようございます」
すると、莉緒ちゃんが教室に入ってきた。
さっきは少し悲しそうに見えたけれど、今はいつも通り。
「麻結ちゃん、おはよう」
「あっ、おはよう」
莉緒ちゃんは、挨拶をしてくれた。
中休み。
「莉緒ちゃん。今日の朝、なにかあったの?」
私は気になって、聞いてみた。
「えっ? なんにもないよ。ただ、遅刻しちゃっただけ」
そんなわけない。だって、朝、私は話してるのを見たから…。
「黒崎先生と… 話してたよね…?」
私がそう言うと、一瞬、莉緒ちゃんの顔がこわばった。
「ちょっと… 違うところで話そう」
「…うん」
図工準備室。ここは、狭いうえに暗いから、ほとんど誰も来ない。
「見てたんだね、私と黒崎先生が話してたの」
「うん…」
「…実はね、私、ずっっと黒崎先生のことが好きだったの」
「えっ…?」
莉緒ちゃんが、黒崎先生のことを…?
じゃあ、私と莉緒ちゃんは… ライバルってこと…?
「私と黒崎先生が出会ったのは、去年の6月。黒崎先生は、私のパパの友達で、一目惚れだったの」
「じゃあ、今日の朝、話してたのは…」
「告白、したの。ダメだってわかってたけど、諦めるためには、必要だと思って。でも、やっぱりダメだった…」
莉緒ちゃんの頬に1粒、涙が流れる。
莉緒ちゃん、告白したんだ…。
私、「告白」なんて考えてもなかった。
「莉緒ちゃんは、すごいよ」
「えっ?」
「告白して、前に進もうとする莉緒ちゃんは、すごいよ」
「…ほんと…?」
「うん、すごい」
「麻結ちゃん…っ」
莉緒ちゃんの涙は、キラキラと輝いていた。
まるで、今までの頑張りを現しているかのように…。
[水平線]
それから、少し経って。
「先生、ここって、どうすれば良いですか?」
私は、運動会代表委員になった。
運動会代表委員は、5年生と6年生のクラスから2人ずつ、毎日放課後に集まって、
運動会の準備をする、特別委員会。
私はくじ引きでたまたま選ばれた。男子は… 高森くん。
「私と高森くん」って発表された時、斎藤さんも私も、動揺していたけれど。
でも、私にとってハッピーなことがあった。
それが…。
「ここは、こうすればいいよ。あと、藤野さん。この資料も、お願いしてもいい?」
「…はい!」
運動会代表委員の担当の先生が、黒崎先生だったんだ!
いつも、みんなより長い時間、黒崎先生と一緒にいれることすら、嬉しかったけれど、
今日は、もっともっと、良いことがあった。
「藤野さん。もうすぐ帰宅時刻ですよ」
「あっ… はい。じゃあ、帰りますね」
気づいたら、みんなはもう、帰っていた。
残っているのは、私と、黒崎先生だけ。
「この頃、頑張ってますね。藤野さん」
「そうですか?」
「みんなを引っ張って、積極的に仕事をしている藤野さんを見ると、僕も頑張ろうって思えます」
「……!」
夕日で輝く、黒崎先生の横顔。
目を離すことが、できなかった。
「あと、2週間くらいですね。本番まで、一緒に頑張りましょう」
「…あっ、はい!」
今日、また、黒崎先生への想いが、もっともっと、大きくなった気がした。
でも、運動会直前にあんなことが起こるなんて…。
この頃の私は、思ってもいなかった。
続く!