文字サイズ変更

突然同居することになりまして

#13

言いたいことを言うのに、努力はいりますか?ねえ、衝騎さん。

四月。桜の咲く季節。
我が家、広陵家の庭にある桜の樹(樹齢100年という噂が、家族2人の中で渦巻いている)もついに見ごろを迎えた。
そのころに、急にお母さんが言い出したのだ。
「花見しに行こう、親戚も集めて」
お母さんの言うことには絶対服従の俺は、同居人の坂只紫と共に花見に行った。
今回は、そこでの出来事である。

花見会場に着いた。
知らない人(親戚?)がたくさんいる。子供、俺と坂只だけじゃねえか。
穴場スポットということで、俺たち以外に人は居なかった。
「……」
坂只が委縮している。
そりゃそうだろうな……知らんおじさんたちが酒盛りしてる中にいるたった一人の女子高校生。
その「知らんおじさん」は、坂只には無関係だしな。
「ちげーよ、衝騎」
違いました。何が?!
「あそこにいるおばあさん」
ああ、あの人か。
歳はお母さん寄りも少し上ぐらいか。
……あの人は見たことあるかも。お母さんと話しているのを見たことがある。
あの人がどうした。
「私のお祖母ちゃん」

坂只のお祖母ちゃんと言ったら、広陵家に坂只を送り込んだ張本人である。
あの人が、そうなのか。
呼んだのはお母さんだろう。
坂只の気を考えず。
「いや、私は嬉しいよ」
いや、坂只が広陵家に来たのは、坂只自身の判断だったか?
「私が嫌ってるのはお祖母ちゃんじゃなくてお父さんだよ」
この前までは、そのお祖母ちゃんの枠がお父さんで、嫌いなのは自分だったはずだ。
成長したな……。
成長前の坂只を一切見たことが無い俺が言うのもおかしな話だが。







舞い散る桜が美しい。
私、坂只紫は決心する。

「紫、ごめんね」
お祖母ちゃんは言う。
私は全然、大丈夫だよ。
お祖母ちゃんは安心したのか静かに涙を流した。
ただ、言いたいことはこれではない。


ずっと、広陵さんの家に居たいんだけど、いいかな?


「自分で言いなさい。私からは絶対に言わない」
お祖母ちゃんは言う。

それが難しいからお祖母ちゃんに言ったのに。
お母さんに、衝騎に、そのことを言えないから言ったのに。

そんなことも言えないのか、と。
私は少し自分にいら立った。
少し自分が嫌いになった。

作者メッセージ

インスタントな展開を求める僕なので、こうなりました。
13話かかってインスタントというのも何だかなーという感じではありますが。
早足で行きますよ。
転ばないよう駆け抜けるぞ!
……一番気を付けるべきことは、止まらないことですけど。

追記・止まりました、案の定。

2026/02/27 21:18

n氏
ID:≫ 15/k7pnxnDS1U
コメント

この小説につけられたタグ

同居

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はn氏さんに帰属します

TOP