ブラン邸のガゼボにて
シャルロッテの遅れまして誕生日おめでとう
パーティーが開かれていた。
紅茶のチーズケーキを食べる手を止めて
シャルロッテ「昨日は本当にすみませんでした…。」
テーブルに額がめり込みそうになるくらい頭を下げるシャルロッテ。
ロゼ「昨日は酔ってたんだし正常な判断ができなかったことを今更責める気はないわ。でも面白いわね、酒類管理が由来となった執事が下戸なんて。」
やっぱりちょっとからかいたいロゼ。
シャルロッテ「当分飲みません…。」
いと「今年はブランデー入りのガトーショコラも作ろうかと悩みましたがどうやら作らなくって正解だったようですね。」
あはは…と困り顔のいと。
シャルロッテ「ありがとうございます…」
ロゼ「そういえば話って?」
シャルロッテ「それは…」
世人「やあ。遅れてすまない。」
颯爽と現れたのはロゼの父、世人。
ロゼ「パパ?!なんでここに…」
世人「一応家主だよ?」
しゅんとなんとも言えない顔をする。
が、それも一瞬で
世人「それで話なんだけど…。」
すっと真剣な顔つきになる。
世人「単刀直入に言うね。シャルロッテ、キミの雇用期間は17才の誕生日まで。今日で執事は卒業だよ。」
ロゼ「…え」
シャルロッテ「…ロゼ様にはじめてお仕えしたあの日、世人様とそう約束していたのです。そして、この約束をロゼ様に喋らないように、とも言われていました。」
世人「シャルロッテ。」
シャルロッテ「え?なんでしょう…?」
世人「僕はね、君に謝りたかったんだ。いくらなんでも仕事と言いつつこの家に縛り付けてしまったことを。1つしか年の変わらない娘のお守りをさせてしまった。重荷だっただろう。好きなことをする時間も少なかったかもしれない。だからね、これからは誰に縛られることも無く自由に生きてほしいんだ。」
ふっと微笑むが少し辛そうな顔に見える。
シャルロッテ「…」
ロゼ「待って!待ってよ…全然理解できない!どうして黙ってたの?!なんで急にそんなこと言うの?!パパの言い方はまるでシャルロッテが無理矢理働かせられたみたい…どうしてそんなひどいこと言うの?!」
世人「黙りなさい。シャルロッテは約束を守っただけだ。仕えたのはロゼであっても雇用主は私だ。ロゼ、君にできることは何もないんだよ…。
それに、ロゼに仕えるように命じたのも私だ。
お金や権力を振りかざして若者の時間を奪ってしまったのもまた事実。ただ、本当の事を言っただけだ。」
シャルロッテ「もうやめてください。」
哀しそうな顔のシャルロッテに2人がハッとする。
シャルロッテ「誰も悪くありません。確かにロゼ様に仕えるように頼んできたのは世人様でした。でも仕えることを決めたのは私です。私がロゼ様にお仕えしたかったから今、ここにいるのです。時間を奪われたなんてとんでもない。叔父さんの家にいるだけで何もできなかった、どこにも居場所がなかった私に役割を与えてくれたこと、本当に感謝しているんです。謝らないでください。」
世人「…」
シャルロッテ「ロゼ様。この11年本当にありがとうございました。あなたにお仕えできたことでたくさんのことを学ばせていただきました。正直、嫌になることもありました。それでも辞めなかったのは自分で決めたことを最後まで全うするロゼ様のおかげなのです。黙っていたことで傷つけてしまったかもしれません。それでもこれだけは言わせて下さい、本当にロゼ様にお仕えできて幸せでした。」
ロゼ「っ…ごめんなさい…、私、…ひどいことたくさんしたしあなたの気持ちも考えないでたくさん無理を言った…。それもどこかでずっとあなたがそばにいてくれると思ってたから…ごめんなさい…」
すっとそばに駆け寄り、
泣きじゃくるロゼの涙を拭う。
シャルロッテ「…どうしてあなたが泣くのですか。本当に泣き虫なところは変わらないままですね。そんなに擦ったら折角お顔が綺麗なのに台無しじゃないですか、。」
ロゼ「…ぅっ…ぐすっ……」
いと「11年間お疲れ様でした。よく頑張りましたね。」
シャルロッテ「お世話になりました。本当に、…ありがとうございました。」
シャルロッテ「世人様。あなた様の大事な娘様を私に預けてくださって、ありがとうございました。」
世人「うん。こちらこそありがとう。……………いつまで泣いてるのロゼ。」
ロゼ「…っ…泣いてないっ…」
世人「目が真っ赤だよ。しょうがないなぁ…そんなにお互い大好きなら付き合えばいいんじゃん。」
ロゼ・シャルロッテ「「?!?!」」
シャルロッテ「ちょっと待ってください。変な輩がロゼ様につかないようにと私を雇ったのではないのですか?」
世人「こればっかりは私の負けだよ。そんなに男前なことされたらぐうの音も出ないし。」
ロゼ「本当なの…?パパ…?」
世人「君が幸せなら何でもいいよ。」
ロゼ「これで親公認になった!!ねぇ、シャルロッテ、今の聞いたでしょ???!」
シャルロッテ「近い。うるさい。」
ロゼ「ひどい!!」
世人「まさか私の知らないとこで付き合ってたの?」
ロゼ「シャルロッテが告白してきたのよ!」
シャルロッテ「ロゼ様にプロポーズされたました…」
世人「ああ…うわぁ…」
ショックでばたんと倒れる。
いと「あらあらまあまあ」
くすくす笑う呑気なメイド。
ロゼ「ふふっ」
ガン無視の娘。
シャルロッテ「さっきまで号泣してたのは幻…?」
幻覚を見たかのような気持ちになる。
ロゼ「執事じゃなくなって会えなくなるのかもって思ったら寂しかったの!!」
シャルロッテ「馬鹿な事言わないで下さい。引っ越すわけじゃあるまいし。学校の編入くらいで済みますよ。」
ロゼ「そっか。良かったぁ。」
ふふっと笑うロゼ。
その顔が眩しくてきらきらして見えたのは多分少し目が潤んだから。
シャルロッテ「卒業か…11年ってあっという間だな。」
おめでとうって両親の声が聞こえた気がした。
シャルロッテの遅れまして誕生日おめでとう
パーティーが開かれていた。
紅茶のチーズケーキを食べる手を止めて
シャルロッテ「昨日は本当にすみませんでした…。」
テーブルに額がめり込みそうになるくらい頭を下げるシャルロッテ。
ロゼ「昨日は酔ってたんだし正常な判断ができなかったことを今更責める気はないわ。でも面白いわね、酒類管理が由来となった執事が下戸なんて。」
やっぱりちょっとからかいたいロゼ。
シャルロッテ「当分飲みません…。」
いと「今年はブランデー入りのガトーショコラも作ろうかと悩みましたがどうやら作らなくって正解だったようですね。」
あはは…と困り顔のいと。
シャルロッテ「ありがとうございます…」
ロゼ「そういえば話って?」
シャルロッテ「それは…」
世人「やあ。遅れてすまない。」
颯爽と現れたのはロゼの父、世人。
ロゼ「パパ?!なんでここに…」
世人「一応家主だよ?」
しゅんとなんとも言えない顔をする。
が、それも一瞬で
世人「それで話なんだけど…。」
すっと真剣な顔つきになる。
世人「単刀直入に言うね。シャルロッテ、キミの雇用期間は17才の誕生日まで。今日で執事は卒業だよ。」
ロゼ「…え」
シャルロッテ「…ロゼ様にはじめてお仕えしたあの日、世人様とそう約束していたのです。そして、この約束をロゼ様に喋らないように、とも言われていました。」
世人「シャルロッテ。」
シャルロッテ「え?なんでしょう…?」
世人「僕はね、君に謝りたかったんだ。いくらなんでも仕事と言いつつこの家に縛り付けてしまったことを。1つしか年の変わらない娘のお守りをさせてしまった。重荷だっただろう。好きなことをする時間も少なかったかもしれない。だからね、これからは誰に縛られることも無く自由に生きてほしいんだ。」
ふっと微笑むが少し辛そうな顔に見える。
シャルロッテ「…」
ロゼ「待って!待ってよ…全然理解できない!どうして黙ってたの?!なんで急にそんなこと言うの?!パパの言い方はまるでシャルロッテが無理矢理働かせられたみたい…どうしてそんなひどいこと言うの?!」
世人「黙りなさい。シャルロッテは約束を守っただけだ。仕えたのはロゼであっても雇用主は私だ。ロゼ、君にできることは何もないんだよ…。
それに、ロゼに仕えるように命じたのも私だ。
お金や権力を振りかざして若者の時間を奪ってしまったのもまた事実。ただ、本当の事を言っただけだ。」
シャルロッテ「もうやめてください。」
哀しそうな顔のシャルロッテに2人がハッとする。
シャルロッテ「誰も悪くありません。確かにロゼ様に仕えるように頼んできたのは世人様でした。でも仕えることを決めたのは私です。私がロゼ様にお仕えしたかったから今、ここにいるのです。時間を奪われたなんてとんでもない。叔父さんの家にいるだけで何もできなかった、どこにも居場所がなかった私に役割を与えてくれたこと、本当に感謝しているんです。謝らないでください。」
世人「…」
シャルロッテ「ロゼ様。この11年本当にありがとうございました。あなたにお仕えできたことでたくさんのことを学ばせていただきました。正直、嫌になることもありました。それでも辞めなかったのは自分で決めたことを最後まで全うするロゼ様のおかげなのです。黙っていたことで傷つけてしまったかもしれません。それでもこれだけは言わせて下さい、本当にロゼ様にお仕えできて幸せでした。」
ロゼ「っ…ごめんなさい…、私、…ひどいことたくさんしたしあなたの気持ちも考えないでたくさん無理を言った…。それもどこかでずっとあなたがそばにいてくれると思ってたから…ごめんなさい…」
すっとそばに駆け寄り、
泣きじゃくるロゼの涙を拭う。
シャルロッテ「…どうしてあなたが泣くのですか。本当に泣き虫なところは変わらないままですね。そんなに擦ったら折角お顔が綺麗なのに台無しじゃないですか、。」
ロゼ「…ぅっ…ぐすっ……」
いと「11年間お疲れ様でした。よく頑張りましたね。」
シャルロッテ「お世話になりました。本当に、…ありがとうございました。」
シャルロッテ「世人様。あなた様の大事な娘様を私に預けてくださって、ありがとうございました。」
世人「うん。こちらこそありがとう。……………いつまで泣いてるのロゼ。」
ロゼ「…っ…泣いてないっ…」
世人「目が真っ赤だよ。しょうがないなぁ…そんなにお互い大好きなら付き合えばいいんじゃん。」
ロゼ・シャルロッテ「「?!?!」」
シャルロッテ「ちょっと待ってください。変な輩がロゼ様につかないようにと私を雇ったのではないのですか?」
世人「こればっかりは私の負けだよ。そんなに男前なことされたらぐうの音も出ないし。」
ロゼ「本当なの…?パパ…?」
世人「君が幸せなら何でもいいよ。」
ロゼ「これで親公認になった!!ねぇ、シャルロッテ、今の聞いたでしょ???!」
シャルロッテ「近い。うるさい。」
ロゼ「ひどい!!」
世人「まさか私の知らないとこで付き合ってたの?」
ロゼ「シャルロッテが告白してきたのよ!」
シャルロッテ「ロゼ様にプロポーズされたました…」
世人「ああ…うわぁ…」
ショックでばたんと倒れる。
いと「あらあらまあまあ」
くすくす笑う呑気なメイド。
ロゼ「ふふっ」
ガン無視の娘。
シャルロッテ「さっきまで号泣してたのは幻…?」
幻覚を見たかのような気持ちになる。
ロゼ「執事じゃなくなって会えなくなるのかもって思ったら寂しかったの!!」
シャルロッテ「馬鹿な事言わないで下さい。引っ越すわけじゃあるまいし。学校の編入くらいで済みますよ。」
ロゼ「そっか。良かったぁ。」
ふふっと笑うロゼ。
その顔が眩しくてきらきらして見えたのは多分少し目が潤んだから。
シャルロッテ「卒業か…11年ってあっという間だな。」
おめでとうって両親の声が聞こえた気がした。