黒星の閃光が走った方向へ、アストたちは必死に駆けていった。
「……まだ追ってきてるやんけ!」
リオが振り返る。
そしてアストの胸元――黒星の紋が、脈打つように淡く光っていた。
まるで“こっちだ”と道を示すように、光は一定の方向へ引っ張られる。
「……分かってる。黒星が、導いてるんだ」
アストは胸の痛みに耐えながら、光の示す方向へ走った。
騎士たちの足音が迫る。
だが、ある地点を越えた瞬間――
音が、ふっと遠ざかった。
まるで世界から切り離されたように、追手の気配が消えたのだ。
「……え? どういうこと?」
フィアが振り返る。
霧の向こうには、もう騎士たちの姿はなかった。
声も、足音も、何も聞こえない。
リオが眉をひそめる。
「おかしい……距離を取ったわけじゃない。まるで、僕たちの存在が“見えなくなった”みたいだ」
アストは胸の黒星に触れた。
「黒星が……僕たちを隠したのか?」
「いや、違う」
リオが首を振る。
「“この場所”が、外から見えへんねん。星の力で覆われてる……そんな感じがする」
霧が晴れ、視界が開けた。
そこには、山間にひっそりと佇む小さな村があった。
中央には巨大な黒い岩――星核石が鎮座し、淡い光を放っている。
「ここって……星読みの村…?」
フィアが息を呑む。
そのとき、白い外套を纏った女性が三人に近づいてきた。淡い光を宿した瞳が、アストをまっすぐに見つめる。
「ようこそ、星読みの村へ。私はセラ。あなたたちがここに来ることは、星が教えてくれたわ」
アストは身構える。
「どうして僕たちのことを……?」
「黒星があなたを導いたのでしょう。この村は、外界から隠されている。黒星を持つ者だけが、道を見つけられるの」
リオが目を見開く。
「だから騎士たちは追ってこなかったのか……そもそも、この村の存在を認識できないんだな」
セラは静かに頷いた。
「ええ。結界は、外の者の目を曇らせる。あなたたちは、黒星に選ばれたから辿り着けたのよ」
アストは胸の黒星を見下ろす。
(……導かれた? 僕が望んだわけじゃないのに)
セラは三人を村の中央へ案内した。
星核石の前で立ち止まり、アストに向き直る。
「アスト。黒星は、あなたに“問い”を投げかけている。星核石に触れれば、その声が聞こえるはず」
アストは息を呑む。
フィアが心配そうに腕を掴んだ。
「アスト……無理しないで」
「大丈夫。確かめたいんだ。僕が……何に巻き込まれてるのか」
アストは星核石に手を置いた。
――瞬間、視界が白く弾ける。
星々が流れ、無数の世界が重なり合う光景が脳裏に流れ込む。その中心で、黒い星が脈動していた。
(……これは……?)
[太字][下線][斜体][明朝体]“聞こえるか、継承者よ”[/明朝体][/斜体][/下線][/太字]
低く、遠い声が響く。
(誰だ……?)
[明朝体][太字][斜体][下線]“いずれ、お前は選ばねばならぬ。世界を繋ぐか、閉じるか――その選択を”
[/下線][/斜体][/太字][/明朝体]
声が途切れ、光景が崩れ落ちる。
アストは膝をつき、荒い息を吐いた。
フィアが駆け寄る。
「アスト! 何が見えたの?」
アストは震える声で答えた。
「……黒星が……僕に話しかけてきた。“世界を繋ぐか、閉じるか”って……」
セラは静かに目を閉じる。
「やはり……。アスト、あなたはもう後戻りできないわ。」
アストは拳を握りしめた。胸の奥で黒星が脈打つ。
――自分は、何を選ぶべきなのか。
その答えはまだ見えない。
だが確かに、運命の扉が開いたのを感じていた。
「……まだ追ってきてるやんけ!」
リオが振り返る。
そしてアストの胸元――黒星の紋が、脈打つように淡く光っていた。
まるで“こっちだ”と道を示すように、光は一定の方向へ引っ張られる。
「……分かってる。黒星が、導いてるんだ」
アストは胸の痛みに耐えながら、光の示す方向へ走った。
騎士たちの足音が迫る。
だが、ある地点を越えた瞬間――
音が、ふっと遠ざかった。
まるで世界から切り離されたように、追手の気配が消えたのだ。
「……え? どういうこと?」
フィアが振り返る。
霧の向こうには、もう騎士たちの姿はなかった。
声も、足音も、何も聞こえない。
リオが眉をひそめる。
「おかしい……距離を取ったわけじゃない。まるで、僕たちの存在が“見えなくなった”みたいだ」
アストは胸の黒星に触れた。
「黒星が……僕たちを隠したのか?」
「いや、違う」
リオが首を振る。
「“この場所”が、外から見えへんねん。星の力で覆われてる……そんな感じがする」
霧が晴れ、視界が開けた。
そこには、山間にひっそりと佇む小さな村があった。
中央には巨大な黒い岩――星核石が鎮座し、淡い光を放っている。
「ここって……星読みの村…?」
フィアが息を呑む。
そのとき、白い外套を纏った女性が三人に近づいてきた。淡い光を宿した瞳が、アストをまっすぐに見つめる。
「ようこそ、星読みの村へ。私はセラ。あなたたちがここに来ることは、星が教えてくれたわ」
アストは身構える。
「どうして僕たちのことを……?」
「黒星があなたを導いたのでしょう。この村は、外界から隠されている。黒星を持つ者だけが、道を見つけられるの」
リオが目を見開く。
「だから騎士たちは追ってこなかったのか……そもそも、この村の存在を認識できないんだな」
セラは静かに頷いた。
「ええ。結界は、外の者の目を曇らせる。あなたたちは、黒星に選ばれたから辿り着けたのよ」
アストは胸の黒星を見下ろす。
(……導かれた? 僕が望んだわけじゃないのに)
セラは三人を村の中央へ案内した。
星核石の前で立ち止まり、アストに向き直る。
「アスト。黒星は、あなたに“問い”を投げかけている。星核石に触れれば、その声が聞こえるはず」
アストは息を呑む。
フィアが心配そうに腕を掴んだ。
「アスト……無理しないで」
「大丈夫。確かめたいんだ。僕が……何に巻き込まれてるのか」
アストは星核石に手を置いた。
――瞬間、視界が白く弾ける。
星々が流れ、無数の世界が重なり合う光景が脳裏に流れ込む。その中心で、黒い星が脈動していた。
(……これは……?)
[太字][下線][斜体][明朝体]“聞こえるか、継承者よ”[/明朝体][/斜体][/下線][/太字]
低く、遠い声が響く。
(誰だ……?)
[明朝体][太字][斜体][下線]“いずれ、お前は選ばねばならぬ。世界を繋ぐか、閉じるか――その選択を”
[/下線][/斜体][/太字][/明朝体]
声が途切れ、光景が崩れ落ちる。
アストは膝をつき、荒い息を吐いた。
フィアが駆け寄る。
「アスト! 何が見えたの?」
アストは震える声で答えた。
「……黒星が……僕に話しかけてきた。“世界を繋ぐか、閉じるか”って……」
セラは静かに目を閉じる。
「やはり……。アスト、あなたはもう後戻りできないわ。」
アストは拳を握りしめた。胸の奥で黒星が脈打つ。
――自分は、何を選ぶべきなのか。
その答えはまだ見えない。
だが確かに、運命の扉が開いたのを感じていた。