「リオさんって、ずっと旅してるんですか?」
フィアが歩きながら尋ねる。
「せやで。星の巡りを記録するのが仕事やからね。世界中を回ってんねん。北の氷海から、南の砂漠まで」
フィアの目が輝く。
アストは黙って聞いていたが、胸の黒星がじわりと熱を帯びているのを感じていた。
(……なんだろな、また反応してる)
影が現れたときほど強くはない。けれど、確かに“何か”を感じ取っている。
リオがふとアストを見た。
「アスト、胸が痛むんか?」
「えっ……なぜ分かる?」
「気配が揺れてる。君の中の星が、何かを探してるみたいや」
アストは思わず胸を押さえた。フィアが心配そうに覗き込む。
「大丈夫? 無理しないでね」
「平気。ただ、何回も言ってるけど……[太字][大文字]呼ばれてる感じがするんだよ!![/大文字][/太字]」
リオは頷いた。
「黒星は“導く星”だよ。本来は、道を示すための星なんだ」
アストとフィアは同時に顔を上げた。
「道を……?」
「そう。黒星は災厄じゃない。千年前の戦争で誤解されたけど、本当は――」
リオが言いかけたそのとき。
アストの胸が、強く脈打った。
ドクンッ!
アストは思わず足を止めた。
「アスト!?」
フィアが駆け寄る。リオも表情を引き締めた。
「……来る」
アストの声は震えていた。
黒星が、まるで“警告”のように熱を放っている。
街道の先、森の影が揺れた。風が止まり、空気が冷たくなる。
「また……影なのか?」
「いや、違う」
リオが低く言った。
「これは……人だ」
森の中から、複数の足音が近づいてくる。
鎧の擦れる音。規則正しい歩調。訓練された兵士の動き。
フィアが息を呑む。
「……王都の騎士ね」
アストの心臓が跳ねた。
(追いつかれた……!?)
黒星が熱を帯び、アストの胸を締めつける。リオがふたりを庇うように前に出た。
「落ち着いて。まだ敵と決まったわけじゃない」
だが、森から現れた騎士たちは、アストを見るなり剣に手をかけた。
「黒星の子を確保せよ!」
フィアが叫ぶ。
「アスト、逃げて!」
アストは反射的に走り出した。
フィアが風を巻き起こし、騎士たちの視界を遮る。
リオもアストの腕を掴んだ。
「こっちだ!」
街道を外れ、森の奥へ駆け込む。枝が頬をかすめ、土が跳ねる。
アストの胸の黒星が、まるで“逃げろ”と叫ぶように脈打っていた。
フィアが後ろを振り返りながら叫ぶ。
「アスト、こっち! まだ追ってきてる!」
リオが短く息を吐く。
「黒星の気配を追ってるんだ……!このままじゃ振り切れない!」
アストは胸を押さえながら叫んだ。
「じゃあ……どうすれば……!」
その瞬間――
黒星が強烈に光った。
森の奥で、何かが反応するように光を返した。
リオが目を見開く。
「……今の光……まさか……!」
フィアがアストの手を握る。
「アスト! あっちに何かある!黒星が呼んでる!」
アストは頷いた。
「行こう……!」
ふたりとリオは、光の方向へ駆け出した。
騎士たちの怒号が遠くで響く。
フィアが歩きながら尋ねる。
「せやで。星の巡りを記録するのが仕事やからね。世界中を回ってんねん。北の氷海から、南の砂漠まで」
フィアの目が輝く。
アストは黙って聞いていたが、胸の黒星がじわりと熱を帯びているのを感じていた。
(……なんだろな、また反応してる)
影が現れたときほど強くはない。けれど、確かに“何か”を感じ取っている。
リオがふとアストを見た。
「アスト、胸が痛むんか?」
「えっ……なぜ分かる?」
「気配が揺れてる。君の中の星が、何かを探してるみたいや」
アストは思わず胸を押さえた。フィアが心配そうに覗き込む。
「大丈夫? 無理しないでね」
「平気。ただ、何回も言ってるけど……[太字][大文字]呼ばれてる感じがするんだよ!![/大文字][/太字]」
リオは頷いた。
「黒星は“導く星”だよ。本来は、道を示すための星なんだ」
アストとフィアは同時に顔を上げた。
「道を……?」
「そう。黒星は災厄じゃない。千年前の戦争で誤解されたけど、本当は――」
リオが言いかけたそのとき。
アストの胸が、強く脈打った。
ドクンッ!
アストは思わず足を止めた。
「アスト!?」
フィアが駆け寄る。リオも表情を引き締めた。
「……来る」
アストの声は震えていた。
黒星が、まるで“警告”のように熱を放っている。
街道の先、森の影が揺れた。風が止まり、空気が冷たくなる。
「また……影なのか?」
「いや、違う」
リオが低く言った。
「これは……人だ」
森の中から、複数の足音が近づいてくる。
鎧の擦れる音。規則正しい歩調。訓練された兵士の動き。
フィアが息を呑む。
「……王都の騎士ね」
アストの心臓が跳ねた。
(追いつかれた……!?)
黒星が熱を帯び、アストの胸を締めつける。リオがふたりを庇うように前に出た。
「落ち着いて。まだ敵と決まったわけじゃない」
だが、森から現れた騎士たちは、アストを見るなり剣に手をかけた。
「黒星の子を確保せよ!」
フィアが叫ぶ。
「アスト、逃げて!」
アストは反射的に走り出した。
フィアが風を巻き起こし、騎士たちの視界を遮る。
リオもアストの腕を掴んだ。
「こっちだ!」
街道を外れ、森の奥へ駆け込む。枝が頬をかすめ、土が跳ねる。
アストの胸の黒星が、まるで“逃げろ”と叫ぶように脈打っていた。
フィアが後ろを振り返りながら叫ぶ。
「アスト、こっち! まだ追ってきてる!」
リオが短く息を吐く。
「黒星の気配を追ってるんだ……!このままじゃ振り切れない!」
アストは胸を押さえながら叫んだ。
「じゃあ……どうすれば……!」
その瞬間――
黒星が強烈に光った。
森の奥で、何かが反応するように光を返した。
リオが目を見開く。
「……今の光……まさか……!」
フィアがアストの手を握る。
「アスト! あっちに何かある!黒星が呼んでる!」
アストは頷いた。
「行こう……!」
ふたりとリオは、光の方向へ駆け出した。
騎士たちの怒号が遠くで響く。