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橙 side
橙
「 … はあ 、 はあ ッ 」
橙
「 いた 、 」
俺は 肩を 上下させながら 蒼ちゃんの 手を 掴む 。
電車へ 駆け込んで 三人で 座席へ 並んで座った 。
桃
「 橙も 病院 ? 」
橙
「 いや 、 まだ 決めてへん 、 けど 」
桃
「 …… 止めに 来たのかよ 」
橙
「 別に … 」
桃ちゃんから 目を 逸らして 、 言葉を 濁す 。
止めに来たわけじゃない 。
とは 言えないからだ 。
俺が 黙ると 、 桃ちゃんも 蒼も 静かになった 。
無言の 時間が 流れて 、 気まずくなった 俺は 、
何か 言うことを 探して 、 口を 開いた 。
橙
「 なあ 、 ほんまに 行く気なん … ? 」
桃
「 … ああ 」
小さく 頷く 桃ちゃん 。
蒼ちゃんは 緊張が 解けたように 眠り込んでいた 。
橙
「 でも 、、 ●●ちゃんの 部屋 分からんやろ ? 」
●●ちゃんに 会いたくない わけじゃない 。
でも 、
“ あの 優しい 紫くん ” が あんなに 止めた ことを 無視して 大丈夫 なのか と 思ってまうのだった 。
桃
「 …… 橙 、 怖いんだろ 」
橙
「 へっ 、 ? 」
突然 、 桃ちゃんに 思ってもなかった ことを 言われて 、 俺は 変な 声を あげる 。
桃
「 病院に 行って 、 本当の ことを 聞きたくないって 思ってるんだろ 」
驚いた 。
そんなことを 言われるとは 思っていなかったけど 、
そう 言われると しっくりくる 。
●●に 合わなくて いい 理由を 探して 。
とりあえず 、 場を 和ませようとして 。
橙
「 怖かった 、 んかな 」
また 、 沈黙が 電車内に 流れる 。
いや 、 そう いうと 嘘になる 。
俺たち 以外の 乗客は 、 楽しそうに 話している 。
沈黙は 、 俺たちの 間にだけ 流れていた 。
桃
「 …… 俺は 」
桃
「 俺は 怖いよ 」
ぼそっと 、 蚊の鳴くような声 で 、 桃ちゃん が 言った 。
桃ちゃんが 弱音を 漏らしたのは 、 初めてだった 。