理 想 郷 の 裏 側
#1
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蒼 side
ぴんぽーん 。
やけに 軽やかな 音が 、 リビングに 響いた 。
… 黄くんかな っ 。
僕は 涙を 拭いて 、 顔を 上げる 。
やっと 、 帰ってきてくれたのかな 。
恋人の 誕生日なのに 何処かへ 行ってしまった 僕の 彼氏が …… 。
桃
「 よ 、 蒼 」
… 。
そう 思って 、 玄関を 覗いたけれど 、 そこにいたのは 黄くんじゃなかった 。
幼馴染 の 、 桃くんだった 。
蒼
「 … っ 」
思わず 涙が 溢れてしまう 。
悲しさ 、 悔しさ 、 寂しさ 。
そんな 感情が 複雑に 絡み合う 。
俯いて いると 、 桃くんが 焦って 僕の方へ 近づいてきた 。
桃
「 えぇ 、 蒼 ⁈ 」
桃
「 どしたの … ⁉︎ 」
桃くんが 僕の 目尻に 溜まった 涙を そっと ふく 。
蒼
「 …… ッう 」
桃
「 どーしたの … 」
桃
「 俯いてたら 分かんないよ ? 」
嗚咽を 漏らす 僕に 、 優しく 声を かけてくれた 。
そんな 桃くんの 態度に 、 僕は 何かが 吹っ切れて しまった 。
蒼
「 … 黄くんが ッ 」
蒼
「 いないの 、 っ 」
蒼
「 昨日の 夜は 一緒に いたのに 」
蒼
「 朝 起きたら いなくて … ッ 」
蒼
「 なんか 、 女の人と 歩いてて … っ 」
うん 。
そう 相槌を うち 、 僕の 話に 口を 挟まずに 穏やかに 桃くんは 話を 聞いてくれた 。
蒼
「 … 僕 、 嫌われるような こと したかなって 」
蒼
「 僕 、 変わらなきゃ 駄目 なのかな 、 」
すると 、 桃くんの 大きな 腕が 僕を 包み込んだ 。
桃
「 … 蒼は 何も 変わらなくていいよ 」
あったかい 。
柔軟剤の いい匂いがする 。
桃くんの 腕の 中に 収まり ながら 、
この人なら 僕を 大事にしてくれるかも しれない 。
そう 思った 。
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