空 を 舞 う 天 使 に 恋 を し て
蒼
「 ふぅ …… 」
俺の 隣に ふわりと 座り込む 天使 。
蒼は 見つからないように 真っ白な 羽根を 小さく 折りたたんで 、 息を はいた 。
辺りには 雪が 降り積もっていて 、 俺は 上着を 着ていても 寒いのに 、 半袖の 蒼は 何事も ないかのように 雪の 上に 座り込んでいる 。
蒼も 雪も 、 まだ 真っ白な まま そこに いた 。
今日も 、 昨日も 、 去年も 、 きっと 明日も 来年も 、 同じ姿で 。
その 羽根に 色が ついてしまわないように 、 と 気を 張るのは いつも 俺だった 。
桃
「 …… 今日も 綺麗だね 」
蒼の 髪に ひらひらと 永遠に 降り積もる 雪を 払いながら 、 言う 。
綺麗だった 。
透き通るような 薄い 水色の 髪 。
青く 澄んだ 瞳 。
真っ白な 肌と 羽根 。
本当に 、 綺麗な 天使 だった 。
蒼
「 僕も 、 いつか 綺麗じゃなくなる のかな … 」
ぼそり 。
呟いた その 言葉は 息と 一緒に 冬の 寒さに 溶けた 。
桃
「 … 蒼は 永遠に 綺麗だよ 」
永遠 。
口の 中で 小さく 反復 させる 蒼 。
蒼
「 そんなの 、 絵空事 じゃん … ッ ? 」
小さく 俺に 笑いかけ ながら 、 蒼は 頬に 涙を 伝わせた 。
桃
「 …… 大丈夫 」
桃
「 俺は ずっと 蒼が 好きだから 」
俺の 腕の 中で 小さく なる 天使 。
まるで 、 天使 という より 小さな 子供 の ようだった 。
髪を 撫でて 、 そっと 口付けを 落とす 。
蒼
「 …… ッ ぅ 、 」
桃
「 大丈夫 」
桃
「 明日も 、 ここで 逢おうね 」
こくこくと 頷く 蒼 。
蒼が 穏やかに 眠るまで 、 俺は 何度も そう 明日を 誓った 。
蒼
「 … ぅわあ っ 」
初めて 蒼と 会った 時 。
今日と 同じような 雪の 日の 山の 中で 、 一人で ソリに 乗って いた 俺に 、 蒼が ついてきたのだった 。
まだ 小さくて 、 蒼と 同じくらいの 背丈だった ころの ことだ 。
都会に 連れて行くと 、 蒼は ネオンの 光に 目を キラキラと 輝かせて はしゃいだ 。
でも 、 たまに ふっと 目を 閉じて 、
蒼
「 …… ずっと 、 このまま なら いいのに 」
と 憂いた 。
まだ 、 その時の 俺には その言葉の 意味は 分からなかった 。
今なら 分かる 。
蒼
「 すぅ … 」
小さく 寝息を 立てる 蒼を 見ながら 想う 。
俺は 、 あの日から 背も 伸びて 、 年も 重ねた 。
でも 、 蒼は ずっと あの日の ままだった 。
桃
「 …… 愛してる 」
俺自身が 、 壊れそうに なるほど に 。
もちろん 、 蒼は そんな こと 知らない 。
蒼
「 …… 桃くん … ッ 」
月と 星が 、 綺麗に 輝いていた 。
桃
「 ん ? 」
蒼
「 … ほんと なの 、 ッ 」
絞り出すよう に 、 言葉を 探しながら 、 ゆっくりと 声を 出した 。
蒼
「 ねえ 、、 愛情 なんて 、 嘘なの 、 ? 」
俺の 服に 皺を 作りながら 、 涙を 流した 。
桃
「 大丈夫 、 怖くない 」
怖がったって 、 ずっと 俺の 腕の 中で 、 抱きしめるから 。
蒼
「 桃くん …… ッ 」
俺の 未来と 引き換えに 、 少しずつ 育まれていく 愛 。
朝も 、 昼も 、 夜も 。
全てを 投げ捨てて 、 二人で ずっと こうして 寄り添って 。
桃
「 大好きだよ 」
蒼
「 …… 僕も 、 ッ 」
幼気 に 誓う 愛 。
桃
「 …… もう 怖くない ? 」
蒼
「 … ぅん 」
少し 目を 逸らし ながら 、 俺を 安心 させるためか 嘘を つく 蒼 。
そんな 癖も 、 愛おしかった 。
誰も 知らない 、 俺と 蒼だけの パスコード の ようで 。
永遠なんて 絵空事 だって 何度 泣かれたって 、
いつまでも 愛を 歌うから 。
最期 の 時まで 、 永遠を 誓おう 。
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