修正液が足りませんが?
#1
ぷろろぉぐ。
鮮やかな部屋は、たぶん君のせいだ。
赤は少し近すぎて、青は落ち着く暇をくれなくて、
金色はやけに自信満々で、全部が主張している。
まるで、君がそこに立っているだけで、
世界が「見てくれ」と騒ぎ出したみたいだった。
嫌だった。
そこで何も考えずに笑っているところが。
こっちの混乱なんて知らない顔で、
いつもと同じ調子で、いつもと同じ声でいるところが。
普段なら、
その横顔も、髪のはね方も、
眠そうな目も、少しだらしない服装も、
全部まとめて「好きだな」と思えるのに。
今日は違った。
細かいところばかりが目について、
どうでもいいはずの癖がうるさくて、
君という存在が、やけに完成されすぎていて。
――腹が立った。
理由なんて分からない。
ただ、好きという感情が、
そのままの形では収まりきらなかっただけだ。
「……修正液、持ってる?」
口から出た言葉に、
自分で一番驚いた。
何を直したいのかも分からないくせに、
とりあえず、白で塗りつぶしたかった。
この気持ちも、この空気も、
君を前にしてぐちゃぐちゃになる自分も。
恋って、こんなに不格好だっただろうか。
赤は少し近すぎて、青は落ち着く暇をくれなくて、
金色はやけに自信満々で、全部が主張している。
まるで、君がそこに立っているだけで、
世界が「見てくれ」と騒ぎ出したみたいだった。
嫌だった。
そこで何も考えずに笑っているところが。
こっちの混乱なんて知らない顔で、
いつもと同じ調子で、いつもと同じ声でいるところが。
普段なら、
その横顔も、髪のはね方も、
眠そうな目も、少しだらしない服装も、
全部まとめて「好きだな」と思えるのに。
今日は違った。
細かいところばかりが目について、
どうでもいいはずの癖がうるさくて、
君という存在が、やけに完成されすぎていて。
――腹が立った。
理由なんて分からない。
ただ、好きという感情が、
そのままの形では収まりきらなかっただけだ。
「……修正液、持ってる?」
口から出た言葉に、
自分で一番驚いた。
何を直したいのかも分からないくせに、
とりあえず、白で塗りつぶしたかった。
この気持ちも、この空気も、
君を前にしてぐちゃぐちゃになる自分も。
恋って、こんなに不格好だっただろうか。