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暴力表現などが含まれている作品になります。
苦手な人はここでUターンすることをおすすめします。
「アイツ、嫌味な奴だからそんな気にしなくていいよ。人にああ言わないと死ぬ病気かもしれないし、気にするだけムダだしさ」
「う、うん・・・・・・」
自分の席に戻りながらそう呆れたような声音で言う結真に、楓は眉を八の字にしながら頷く。
結真はどこからか取り出したミルクティーを飲んでおり、なんと言えばいいのだろうか―――とても、飄々としている。
「結真ちゃんって、なんだか凄いね・・・」
囁くような声で言ったつもりだったが、地獄耳なのだろうか。結真は「ん?」と首を傾げながら、こちらを見た。
「そうかな?いつもこんな感じだから」
結真はそう言いながら、前の方にある時計を見てすぐに楓に手招きした。
「早めに席着いときなよ。藍城先生、そーいうのめっちゃ厳しいから」
「え、あ、本当だ。もう三分前・・・」
楓がそう言って座るのと同時に、教室の扉が開いて瑠璃が入ってきた。
「おや皆さん、とても真面目ですね。今日は前回の小テストを返却しますから、赤ペンなどを用意しておいてください」
瑠璃はそう言いながら、指先で綺麗にプリントを整えている。
そのままチャイムが鳴り響いて、教室の空気が変わったので、楓も教科書とノートを取り出して前を向いた。
[下線] [/下線]
―――出雲学園に転入してから、一週間が経った。
結真は相変わらず楓と仲良くしてくれており、彼女が楓以外の生徒たちと親しく話しているところを見たことがなかった。
そんなある日の、放課後のことだった。
「はぁ?肝試しぃ?」
結真のそんな声が、放課後の教室に響く。
楓は彼女のその声を、結真の後ろで聞いていた。
「そう、肝試し」
肩にかかった髪を払いながら、そう言うのは財閥令嬢である李紗だ。
李紗は取り巻きの生徒を周りに、結真と楓に笑みを向けている。
「まぁ、度胸試しってところね。ほら、うちの学園って七不思議あるじゃない?」
「どこの学校にでもありそうなやつじゃん、あれ。トイレの花子さんとか、音楽室の肖像画とかでしょ?やる必要ある?」
「ないわよ、そんなの」
「・・・・・・はぁ?」
「言ったでしょ?度胸試しって。そこの一ノ瀬さんと仲も深めたいし、ちょうどいいじゃない・・・・・・ああ、もしかしてだけど」
李紗はそう言いながら、口元を手で隠した。
その口元には、まるで人をばかにするような笑みが浮かんでいる。
「八神さん、怖いの?強気なあなたにしては、可愛らしいところもあるのね」
「んなわけ。ただ単に、意味不明だっただけだっつーの。私は別にいいけど、さっきの言い方だと楓にも言ってんでしょ」
「勿論」
「・・・・・・楓、どうする?やりたくないなら、断ってもいいけど」
結真は自分の背後にいる楓に、首を傾げて尋ねた。
彼女のその言葉に、楓は指を腹の前でいじる。
―――怖いのは苦手だ。幽霊や妖怪といった、説明がつかない現象が苦手だ。だが、ここで断れれば、結真も一緒に指を差されて馬鹿にされてしまう。
―――こんな自分と仲良くしてくれた少女を、馬鹿にされるのは嫌だ。
「―――私は、大丈夫」
「・・・・・・ほんとにぃ?強がってない?私がいるからとかじゃなくて、楓の本心を―――」
「本当に、大丈夫だよ」
「・・・・・・・・・・・・って感じだから」
結真は一瞬だけ楓を見て呆れたような表情をしたが、すぐに李紗を見てそう言った。
「ああ、良かったわ。断られたらどうしようって思ってたの」
「別にそういうのいらないから。詳しい情報は?」
「今日の夜九時、正門前に集合。来なかったら分かるわよね?」
「脅しのつもりなら、下手くそだね。もっと凄んだ方がいいと思うけど」
「ふふ、今夜もそれだけ強気でいれたらいいわよね」
李紗はそうクスクスと笑いながら、取り巻きと一緒に鞄を持って去っていった。
その様子を眺めながら、楓は結真を見る。
その表情はどこか、何かを警戒するように険しくなっている。
「・・・・・・結真ちゃん?どうしたの?」
「・・・・・・いーや、なんでもない。ちょっとだけ・・・・・・楓」
「?」
「正門に行く前に、他の場所で先に集合してからいかない?軽く飲み物買ったりしようよ」
そう言って、いつも通りに笑う結真。
―――その瞳に、先程の険しさが残っていることなど、楓には気付けなかった。
「う、うん・・・・・・」
自分の席に戻りながらそう呆れたような声音で言う結真に、楓は眉を八の字にしながら頷く。
結真はどこからか取り出したミルクティーを飲んでおり、なんと言えばいいのだろうか―――とても、飄々としている。
「結真ちゃんって、なんだか凄いね・・・」
囁くような声で言ったつもりだったが、地獄耳なのだろうか。結真は「ん?」と首を傾げながら、こちらを見た。
「そうかな?いつもこんな感じだから」
結真はそう言いながら、前の方にある時計を見てすぐに楓に手招きした。
「早めに席着いときなよ。藍城先生、そーいうのめっちゃ厳しいから」
「え、あ、本当だ。もう三分前・・・」
楓がそう言って座るのと同時に、教室の扉が開いて瑠璃が入ってきた。
「おや皆さん、とても真面目ですね。今日は前回の小テストを返却しますから、赤ペンなどを用意しておいてください」
瑠璃はそう言いながら、指先で綺麗にプリントを整えている。
そのままチャイムが鳴り響いて、教室の空気が変わったので、楓も教科書とノートを取り出して前を向いた。
[下線] [/下線]
―――出雲学園に転入してから、一週間が経った。
結真は相変わらず楓と仲良くしてくれており、彼女が楓以外の生徒たちと親しく話しているところを見たことがなかった。
そんなある日の、放課後のことだった。
「はぁ?肝試しぃ?」
結真のそんな声が、放課後の教室に響く。
楓は彼女のその声を、結真の後ろで聞いていた。
「そう、肝試し」
肩にかかった髪を払いながら、そう言うのは財閥令嬢である李紗だ。
李紗は取り巻きの生徒を周りに、結真と楓に笑みを向けている。
「まぁ、度胸試しってところね。ほら、うちの学園って七不思議あるじゃない?」
「どこの学校にでもありそうなやつじゃん、あれ。トイレの花子さんとか、音楽室の肖像画とかでしょ?やる必要ある?」
「ないわよ、そんなの」
「・・・・・・はぁ?」
「言ったでしょ?度胸試しって。そこの一ノ瀬さんと仲も深めたいし、ちょうどいいじゃない・・・・・・ああ、もしかしてだけど」
李紗はそう言いながら、口元を手で隠した。
その口元には、まるで人をばかにするような笑みが浮かんでいる。
「八神さん、怖いの?強気なあなたにしては、可愛らしいところもあるのね」
「んなわけ。ただ単に、意味不明だっただけだっつーの。私は別にいいけど、さっきの言い方だと楓にも言ってんでしょ」
「勿論」
「・・・・・・楓、どうする?やりたくないなら、断ってもいいけど」
結真は自分の背後にいる楓に、首を傾げて尋ねた。
彼女のその言葉に、楓は指を腹の前でいじる。
―――怖いのは苦手だ。幽霊や妖怪といった、説明がつかない現象が苦手だ。だが、ここで断れれば、結真も一緒に指を差されて馬鹿にされてしまう。
―――こんな自分と仲良くしてくれた少女を、馬鹿にされるのは嫌だ。
「―――私は、大丈夫」
「・・・・・・ほんとにぃ?強がってない?私がいるからとかじゃなくて、楓の本心を―――」
「本当に、大丈夫だよ」
「・・・・・・・・・・・・って感じだから」
結真は一瞬だけ楓を見て呆れたような表情をしたが、すぐに李紗を見てそう言った。
「ああ、良かったわ。断られたらどうしようって思ってたの」
「別にそういうのいらないから。詳しい情報は?」
「今日の夜九時、正門前に集合。来なかったら分かるわよね?」
「脅しのつもりなら、下手くそだね。もっと凄んだ方がいいと思うけど」
「ふふ、今夜もそれだけ強気でいれたらいいわよね」
李紗はそうクスクスと笑いながら、取り巻きと一緒に鞄を持って去っていった。
その様子を眺めながら、楓は結真を見る。
その表情はどこか、何かを警戒するように険しくなっている。
「・・・・・・結真ちゃん?どうしたの?」
「・・・・・・いーや、なんでもない。ちょっとだけ・・・・・・楓」
「?」
「正門に行く前に、他の場所で先に集合してからいかない?軽く飲み物買ったりしようよ」
そう言って、いつも通りに笑う結真。
―――その瞳に、先程の険しさが残っていることなど、楓には気付けなかった。