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暴力表現などが含まれている作品になります。
苦手な人はここでUターンすることをおすすめします。
―――結真に手を引かれながら、楓は校舎の中を歩く。
「ここが実験室!色々な器具が置いてて、勝手に触ると科学の先生が怒るから気を付けて」
「わっ、凄い量のフラスコ・・・」
「あそこは図書館!校舎からはちょっと離れてるけど、色んな本があって毎日行く子もいるんだよ」
「図書館って普通は校舎の中にあるんじゃないの・・・?」
戸惑いながらも、楓は結真の学校案内に微かな喜びを感じていた。
こんな美少女が、わざわざ自分なんかに「学校案内したい」と申し出てくれたのだ。そして、その言葉の通り、しっかししてくれている。そんな些細なことに、純粋な喜びを感じていた。
「ここはカフェテリア、まぁ食堂だね。弁当を持ってきてない子はここで食べることが多いよ。メニューもたくさんあるしね!」
「なんか、凄く豪華だね」
「でしょでしょ!私、よく弁当忘れるからさ、食べること多いんだけど、ここの豚肉の生姜焼き定食オススメ!」
「生姜焼きってもう美味しそうだもんね」
その後も、結真の案内によって楓たちの教室がある校舎は全て把握することが出来た。
教室に戻った結真は、声を弾ませながら楓に笑みを向ける。
「楓って話しやすいかも!聞き上手?って言うのかな、スラスラ話せる!」
「・・・そう、かな?」
そんなことを言われたのは初めてだ。元々、自分から積極的に話しに行くような性格ではない。
「うん!なんか、なんていうんだろ・・・・・・楓は自然体で接してくれるから、話しやすいなぁって」
「そ、っか・・・・・・結真ちゃんにそう言ってもらえて、嬉しいなぁ」
確かに、彼女ほどの美少女ならば、話す人は緊張してしまうのも当然だろう。楓だって最初は緊張していたが、結真は想像よりも普通の少女なのだ。
容姿は確かに整っている。だが、その性格も表情も、全てが普通の少女なのだ。
自分の手を引く、結真の小さな手のひらから伝わってくる温かな熱が、確かに楓の緊張を溶かした。
[下線] [/下線]
教室に戻った楓と結真。すると、そんな二人に話しかけようと、靴音を立てる人影があった。
「あら、八神さんらしくないじゃない。そんな地味の人と関わるだなんて」
見ると、そこには一人の少女が立っていた。
背中に届くくらいのクリーム色の長髪を緩く巻いており、紫紺の瞳は愉快げに細められている。彼女の周りには、数人の女子生徒がおり、少女の雰囲気から察するに取り巻きだろうか。
少女の言葉に、楓を庇うように結真が前に立った。
「わざわざ、お嬢様の[漢字]郷宮[/漢字][ふりがな]さとみや[/ふりがな]がなんの用?いがみに来たわけ?暇人じゃん」
「相変わらずの減らず口ね。その性格のせいで、せっかく恵まれた容姿が、ただの宝の持ち腐れになっちゃってるわよ?」
どちらも、目元が笑っていない笑みを浮かべながらそう会話をしている。
少女について何も知らない楓が戸惑っていると、前に立っていた結真が静かな声で教えてくれた。
「コイツは[漢字]郷宮[/漢字][ふりがな]さとみや[/ふりがな][漢字]李紗[/漢字][ふりがな]りさ[/ふりがな]。実家が金持ちの、お嬢様だよ」
「郷宮・・・・・・って、あの郷宮財閥!?」
「あ゙ー・・・・・・確か、それだった気もする」
「ええ、その郷宮財閥の娘で間違いないわよ?よく知ってるわね」
「だ、だって、有名だし・・・・・・」
―――郷宮財閥。ニュースで何度か聞いたことがある名前だ。海外との貿易を積極的に行っており、多くの事業を手掛けていると聞いたことがある。まさか、財閥令嬢まで通っているとは、想像すらしなかったが。
「で?郷宮はなんの用?」
「別に何もないわよ?ただ、そんな子と関わるだなんてあなたらしくないと思っただけ。一ノ瀬さん」
「は、はいっ!」
「改めて今日からクラスメイトとして過ごす、郷宮李紗。仲良くしてちょうだいね」
「は、はい・・・・・・」
嘘だ、仲良くする気などないに決まっている。目が笑っていないのだ。
李紗は最後に結真を見て、苛立たしげに鼻を鳴らすとそのまま、取り巻きたちと去っていった。
「ここが実験室!色々な器具が置いてて、勝手に触ると科学の先生が怒るから気を付けて」
「わっ、凄い量のフラスコ・・・」
「あそこは図書館!校舎からはちょっと離れてるけど、色んな本があって毎日行く子もいるんだよ」
「図書館って普通は校舎の中にあるんじゃないの・・・?」
戸惑いながらも、楓は結真の学校案内に微かな喜びを感じていた。
こんな美少女が、わざわざ自分なんかに「学校案内したい」と申し出てくれたのだ。そして、その言葉の通り、しっかししてくれている。そんな些細なことに、純粋な喜びを感じていた。
「ここはカフェテリア、まぁ食堂だね。弁当を持ってきてない子はここで食べることが多いよ。メニューもたくさんあるしね!」
「なんか、凄く豪華だね」
「でしょでしょ!私、よく弁当忘れるからさ、食べること多いんだけど、ここの豚肉の生姜焼き定食オススメ!」
「生姜焼きってもう美味しそうだもんね」
その後も、結真の案内によって楓たちの教室がある校舎は全て把握することが出来た。
教室に戻った結真は、声を弾ませながら楓に笑みを向ける。
「楓って話しやすいかも!聞き上手?って言うのかな、スラスラ話せる!」
「・・・そう、かな?」
そんなことを言われたのは初めてだ。元々、自分から積極的に話しに行くような性格ではない。
「うん!なんか、なんていうんだろ・・・・・・楓は自然体で接してくれるから、話しやすいなぁって」
「そ、っか・・・・・・結真ちゃんにそう言ってもらえて、嬉しいなぁ」
確かに、彼女ほどの美少女ならば、話す人は緊張してしまうのも当然だろう。楓だって最初は緊張していたが、結真は想像よりも普通の少女なのだ。
容姿は確かに整っている。だが、その性格も表情も、全てが普通の少女なのだ。
自分の手を引く、結真の小さな手のひらから伝わってくる温かな熱が、確かに楓の緊張を溶かした。
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教室に戻った楓と結真。すると、そんな二人に話しかけようと、靴音を立てる人影があった。
「あら、八神さんらしくないじゃない。そんな地味の人と関わるだなんて」
見ると、そこには一人の少女が立っていた。
背中に届くくらいのクリーム色の長髪を緩く巻いており、紫紺の瞳は愉快げに細められている。彼女の周りには、数人の女子生徒がおり、少女の雰囲気から察するに取り巻きだろうか。
少女の言葉に、楓を庇うように結真が前に立った。
「わざわざ、お嬢様の[漢字]郷宮[/漢字][ふりがな]さとみや[/ふりがな]がなんの用?いがみに来たわけ?暇人じゃん」
「相変わらずの減らず口ね。その性格のせいで、せっかく恵まれた容姿が、ただの宝の持ち腐れになっちゃってるわよ?」
どちらも、目元が笑っていない笑みを浮かべながらそう会話をしている。
少女について何も知らない楓が戸惑っていると、前に立っていた結真が静かな声で教えてくれた。
「コイツは[漢字]郷宮[/漢字][ふりがな]さとみや[/ふりがな][漢字]李紗[/漢字][ふりがな]りさ[/ふりがな]。実家が金持ちの、お嬢様だよ」
「郷宮・・・・・・って、あの郷宮財閥!?」
「あ゙ー・・・・・・確か、それだった気もする」
「ええ、その郷宮財閥の娘で間違いないわよ?よく知ってるわね」
「だ、だって、有名だし・・・・・・」
―――郷宮財閥。ニュースで何度か聞いたことがある名前だ。海外との貿易を積極的に行っており、多くの事業を手掛けていると聞いたことがある。まさか、財閥令嬢まで通っているとは、想像すらしなかったが。
「で?郷宮はなんの用?」
「別に何もないわよ?ただ、そんな子と関わるだなんてあなたらしくないと思っただけ。一ノ瀬さん」
「は、はいっ!」
「改めて今日からクラスメイトとして過ごす、郷宮李紗。仲良くしてちょうだいね」
「は、はい・・・・・・」
嘘だ、仲良くする気などないに決まっている。目が笑っていないのだ。
李紗は最後に結真を見て、苛立たしげに鼻を鳴らすとそのまま、取り巻きたちと去っていった。