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暴力表現などが含まれている作品になります。
苦手な人はここでUターンすることをおすすめします。
―――夜の八時半。
楓は、出雲学園から少し離れた公園のベンチに座っていた。
「あ、楓ー」
その声が聞こえて、そちらを見てみると手を振る結真の姿がある。
オーバーサイズのパーカーに、ジーンズの短パン。黒タイツで覆われた足は華奢だ。
「ごめん、待った?」
「ううん、全然待ってないよ」
「良かったー。あ、LINEで聞いといたジュース、楓の分も買っといたよ」
「え、あ、それならお金・・・!」
「いやいや、いらないよ。そんなかからなかったし、喉乾くよりかはマシでしょ」
結真はそう言いながら楓にレモンティーを渡し、結真はミルクティーを飲む。
「あ、そうだ・・・その、出雲学園の七不思議って・・・」
「そっか、楓は来たばっかで分かんないよね。まぁ、七不思議って言っても、よく聞くようなやつと一緒だよ」
結真は歩きながら、人差し指を立てて口を開いた。
「七不思議一つ目、トイレの花子さん。これこそ、七不思議定番ってやつ。出雲学園は校舎が結構あるんだけど、その中に旧北館があるんだよ」
「旧北館・・・・・・あ、あのちょっと古い?」
「そ。三十年くらい前までは使われてたみたいだけど、古くなって新しいのを建てたらしい。そんで、そこの三階の女子トイレにいるって話」
『トイレの花子さん』は、誰でも一回は聞いたことがあろう話だ。小学校の頃に、クラスの男子がよく旧校舎まで行って「花子さん会った!」などと騒いでいたのを思い出した。
「二つ目は?」
「二つ目、動く初代校長像!夜中に校庭走ってるらしい」
「校長・・・・・・二宮金次郎像じゃないんだ」
「うん、初代校長なんだよねー。えっと・・・・・・どこにあったっけ?」
「・・・・・・分かんない」
「私も分かんない!」
「えー・・・・・・」
そう話していると公園が近い場所にあったからか、すぐに学園についた。正門前には、李紗とその取り巻きがいる。
李紗の私服はやはりお嬢様らしく、華美な装飾はないが、高級感を漂わせるようなデザインとなっていた。
「あら、怖気付かずに来たのね」
「そっちこそ、本当は心ん中でビビり散らかしてんじゃないの?」
「いつまでその強気が保ってられるのか、とても楽しみね」
「(仲悪いんだよなぁ、この二人・・・・・・)」
いつ見てもバチバチな二人は、何か因縁でもあるのだろうか。
そう思っていると、李紗が溜息を吐いて「不毛な争いは醜いわね。ここは平和に行きましょう」と笑って、指を立てた。
「ということで、詳しい説明をさせてもらうわね。私たちと八神さんたち、二つのグループに分かれて、順番に七不思議を回っていくの」
「それ、意味ないじゃん。私たちとそっち、同時に回ることになるくない?」
「そうね、だからこういうことにしているわ。私たちは、一から七まで順番に。八神さんたちは七から一まで順番に回るの」
「・・・・・・ってことは、それぞれ四番目だけ被る?」
楓は小さな声でそう言った。
四番目の七不思議だけ、お互いのグループの順番が被るのだ。
「あ、確かに。なら、被るのは・・・・・・」
「七不思議四番目、音楽室の肖像画よ。まぁ、時間が重ならない限り、全く同じタイミングってことはないでしょうね」
「ふぅん・・・・・・ま、いいや。てかさ、どっから入るわけ?」
結真はそう言って細い腰に手を置き、校舎を見上げた。
出雲学園といえば、セキュリティも整っていると聞く。それもこんな夜の時間帯ならば、どこからも入れないのではないか。
楓がそう思っていると、李紗がニヤリと笑って手に握った”それ”を見せた。
「・・・・・・鍵?」
「校舎全ての扉が開けれるマスターキーよ。今日、先生に頼んだの。マスターキーは、予備も含めて二つあるわ。こっちは、あなたたちに」
李紗から投げ渡された鍵を、結真が受け取る。
「それじゃ、あなたたちからどうぞ」
楓は、出雲学園から少し離れた公園のベンチに座っていた。
「あ、楓ー」
その声が聞こえて、そちらを見てみると手を振る結真の姿がある。
オーバーサイズのパーカーに、ジーンズの短パン。黒タイツで覆われた足は華奢だ。
「ごめん、待った?」
「ううん、全然待ってないよ」
「良かったー。あ、LINEで聞いといたジュース、楓の分も買っといたよ」
「え、あ、それならお金・・・!」
「いやいや、いらないよ。そんなかからなかったし、喉乾くよりかはマシでしょ」
結真はそう言いながら楓にレモンティーを渡し、結真はミルクティーを飲む。
「あ、そうだ・・・その、出雲学園の七不思議って・・・」
「そっか、楓は来たばっかで分かんないよね。まぁ、七不思議って言っても、よく聞くようなやつと一緒だよ」
結真は歩きながら、人差し指を立てて口を開いた。
「七不思議一つ目、トイレの花子さん。これこそ、七不思議定番ってやつ。出雲学園は校舎が結構あるんだけど、その中に旧北館があるんだよ」
「旧北館・・・・・・あ、あのちょっと古い?」
「そ。三十年くらい前までは使われてたみたいだけど、古くなって新しいのを建てたらしい。そんで、そこの三階の女子トイレにいるって話」
『トイレの花子さん』は、誰でも一回は聞いたことがあろう話だ。小学校の頃に、クラスの男子がよく旧校舎まで行って「花子さん会った!」などと騒いでいたのを思い出した。
「二つ目は?」
「二つ目、動く初代校長像!夜中に校庭走ってるらしい」
「校長・・・・・・二宮金次郎像じゃないんだ」
「うん、初代校長なんだよねー。えっと・・・・・・どこにあったっけ?」
「・・・・・・分かんない」
「私も分かんない!」
「えー・・・・・・」
そう話していると公園が近い場所にあったからか、すぐに学園についた。正門前には、李紗とその取り巻きがいる。
李紗の私服はやはりお嬢様らしく、華美な装飾はないが、高級感を漂わせるようなデザインとなっていた。
「あら、怖気付かずに来たのね」
「そっちこそ、本当は心ん中でビビり散らかしてんじゃないの?」
「いつまでその強気が保ってられるのか、とても楽しみね」
「(仲悪いんだよなぁ、この二人・・・・・・)」
いつ見てもバチバチな二人は、何か因縁でもあるのだろうか。
そう思っていると、李紗が溜息を吐いて「不毛な争いは醜いわね。ここは平和に行きましょう」と笑って、指を立てた。
「ということで、詳しい説明をさせてもらうわね。私たちと八神さんたち、二つのグループに分かれて、順番に七不思議を回っていくの」
「それ、意味ないじゃん。私たちとそっち、同時に回ることになるくない?」
「そうね、だからこういうことにしているわ。私たちは、一から七まで順番に。八神さんたちは七から一まで順番に回るの」
「・・・・・・ってことは、それぞれ四番目だけ被る?」
楓は小さな声でそう言った。
四番目の七不思議だけ、お互いのグループの順番が被るのだ。
「あ、確かに。なら、被るのは・・・・・・」
「七不思議四番目、音楽室の肖像画よ。まぁ、時間が重ならない限り、全く同じタイミングってことはないでしょうね」
「ふぅん・・・・・・ま、いいや。てかさ、どっから入るわけ?」
結真はそう言って細い腰に手を置き、校舎を見上げた。
出雲学園といえば、セキュリティも整っていると聞く。それもこんな夜の時間帯ならば、どこからも入れないのではないか。
楓がそう思っていると、李紗がニヤリと笑って手に握った”それ”を見せた。
「・・・・・・鍵?」
「校舎全ての扉が開けれるマスターキーよ。今日、先生に頼んだの。マスターキーは、予備も含めて二つあるわ。こっちは、あなたたちに」
李紗から投げ渡された鍵を、結真が受け取る。
「それじゃ、あなたたちからどうぞ」