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設定ががばがばです。
白銀の松陽花菱の馬乗り袴に大小の刀を差し、さらりとした風の中を歩む姿は、まさしく武士であった。
「ほんとうに、良いのですか」
野村はおうのに問う。
彼女も、鮮やかな紅梅色の羽織を羽織り、いかにもよそいきといった風だった。
「ええ、それに…」
ちらりとあたりを窺った後、おうのは野村にそっと耳打ちをした。
「これを逃せば、いつ行けるかわかりませんもの」
「……そうですね」
甘い香の香りが、ふわりと野村の鼻腔をくすぐった。
高杉にとっては久方ぶりの街への外出である。
「では、行ってまいります」
「はい。いってらっしゃいませ」
きれいな角度で野村はお辞儀を返した。二人の後ろ姿は、まるで、長年連れ添った夫婦のように見えた。
高杉たちが出かけて暫く、野村は部屋の掃除をしたり、庭の木に水をやったりしていた。
「もし。そこの尼僧さん」
垣根の向こうから、ひょっこりと顔がのぞいて、野村は仰天した。が、表情には出さなかった。
「こちらに何か御用でしょうか?」
声の主は、浅黒い肌に、顔だけでも無数の傷がある男だった。
「ここは、奇兵隊総督の高杉晋作とやらが滞在しているそうですな」
挨拶もなしに、慇懃無礼に男が言った。
顔が壁より高い位置にあり、会話まで出来るので、結構な大男だろう。
「どちら様でしょう?」
野村は、貴方はどちら、とも、高杉というのはどちら、ともつかない言葉を吐いた。
「これは失礼。拙者、この度奇兵隊総督副官補に就任いたした新田弥五兵衛と申す」
新田弥五兵衛ーー。
聞いたことのない名前だ。
この度、というあたり高杉が戦線を離脱した後に入隊し、面識がないようである。
「左様ですか」
「この長州では人斬り弥五兵衛とも呼ばれる剣客だ」
自慢げにそう言うと、傷だらけの頬が少し緩んだ。
「左様ですか」
野村は同じ返答を繰り返した。
「して、高杉は?」
総督を呼び捨てとは、武士の風上にも置けないやつだ。
これには野村もかちんときた。
「貴方様は高杉さま率いる奇兵隊の副官補なのでしょう?大将を呼び捨てにする兵が何処におります」
新田は眉をひそめた。
「だって、大将には一度も会ったことがないし、大事な戦にそいつが来たこともない。この俺は、高杉晋作を連れ戻すために来たんだ」と、言い訳にならない言い訳をした。
「高杉さまは御病気なのです。戦になど行けませぬ」
「ほうら、矢張り此処におるではないか。病は気からというであろう、さっさと身柄を寄越せ」
聞けば聞くほど横柄な態度である。しかもこの会話が、垣根ごしの、頭だけなのが余計に野村を苛つかせた。
「高杉さまは気合で治る病などではありませぬ。肺の病で、もう永くないのです」
どうにか説得しようとして、懇願するような口調になった。
「ほう。では、見舞いに来たとでも思い、案内しろ。やつの顔が見たい」
「それはーーー」
野村はぐっと詰まった。
「今は…此処には居りませぬ」
「ふうん?」
傷だらけの顔が勝利の笑みの形に歪んだ。
いつのまにか、彼は玄関口に立って野村を見下ろしていた。
「我らが総督高杉殿は重い病に伏せてらっしゃるのに、今は此処には居ないと申すか」
違う、違う、そうじゃないのに。
野村の顔が初めてこわばった。
「高杉様はーー、今……」
「やつは逃げたんだ!」
歓喜の声色で、新田が叫んだ。
野村は絶望した。
「夫は、此処で暮らしているのですね」
しゃらん、と鈴の音が聞こえた気がした。
「お取り込み中の所申し訳ありませぬ。私、長州藩士井上平右衛門が次女、高杉晋作が妻の雅子と申します」
柳のように細く、色白で高貴な服をまとった女だった。
高杉の細君ーーー。
おうのから自分はお妾なのだと聞いては居たが、実際に見たのは初めてだった。
「貴方が…」
新たな闖入者に野村は冷静な表情を取り繕う。
「夫を愚弄する良からぬ者の声が耳に入り、つい口を挟んでしまいました」
広げていた扇子をぴしゃりと閉じて、雅子は眦を吊り上げた。
中々にお怒りのご様子だ。
「だれが良からぬ者だ!俺を何だと…」
「人斬り弥五兵衛でしょうか?」
まさかそこから聞いていたのか、と野村は微かに瞠目した。
「今のこの御時世、人斬りの異名を持つ者などごまんとおりますわ」
けっ、と吐き捨てるように高杉夫人は言った。口調はどこまでも丁寧だが、明確な否定の声色である。
「貴様、奇兵隊に何という口をきくか!そもそもの、お前が高杉の妻だという証拠があるのか!」
「高杉晋作を知らない男に奇兵隊を語る資格もまたなし。夫が帰ってきてから出直して来てくだされ」
ぴしゃりとトドメを刺すと、人斬り弥五兵衛はすごすごと後ずさりしていった。
「さ、野村望東尼どのでしたか。夫のこと、詳しくお聞かせ願えますか」
野村は初めて、仲間に会えた気がした。
「どうぞ、こちらに」
その頃ーー。
高杉とおうのは街で買い物をしていた。
「あっ、高杉さん。鯛が売っていますよ!買って帰りましょうか」
「ああ、そうだな」
二人の姿は自然と周囲の視線を集めたが、高杉はまるで気にしていなかった。
「おい、親父」
高杉は魚屋の向かいにある簪の店棚を見ていた。
「なんでしょう?」
店主も身なりの良い高杉を見て、普通の客とは態度を変えた。
「この簪、いくらだ」
「へえ、こちらなら…」
それは、濃い琥珀色の木の枝を模したものに、鮮やかな梅の花の装飾がついた簪だった。
桃色のガラス玉のようなものが先端についており、太陽の光を反射してちらちらと虹を作り出している。
「買おう」
「へえ、ありがとうごぜえます」
「おうの」
「はい?」
さくっ、とおうのの髪に簪がささる。
振り返った彼女は、簪一本で別人のように美しく見えた。
「矢張り、似合うな」
「ええ?」
おうのがおそるおそるといった様子で頭を探り、棒状のそれを取る。
「これ…」
「お前にやるよ」
「高杉さん…」
まじまじと簪を見つめ、それから、ぱっと笑顔になった。
「嬉しいです!」
ぴょんと跳ねて高杉に抱きつく。
往来の人々が高杉とおうのの周囲を避けて、川の流れのように過ぎてゆく。
けれどそんなものは、おうのもちっとも気にならなかった。それよりも、とびきりの贈り物に心が弾んでいた。
「やめろ、うつるぞ」
高杉は鬱陶しそうに見てくるが、そんなことは知ったことではなかった。
「何をおっしゃいます、うつる病ならとっくにうつってますよ」
その言葉を聞いて、高杉は珍しく、ぶっと吹き出した。
「今のは、野村みたいだ」
「…ほんとうだ」
おうのは、時折野村が羨ましくなる。詩的な才能を持つ二人の掛け合いは、毒の掛け合いに見えて、その実は文学の掛け合いなのだと思う。
言い争いをしている時の高杉は、どことなく楽しそうだった。
おうのにはおうのの役目がある。
野村には野村の。
分かってはいても、嫉妬せずにはいられない、乙女なおうのであった。
「少し休みましょう、疲れちゃいました」
おうのは高杉の袖を引いて、茶屋に入る。屋外の席は風通りがよく、水色の空がよく見えた。
高杉は元気だと言い張るが、倒れた昨日の今日で健康体になるわけがない。こまめな休憩はとらせるよう、医者にも言いつけられていた。
「そういえば、なんで私が梅が好きだと、分かったんです?」
「紅梅色のそれ。後は…」
少しだけ、高杉がいいよどんだ。
「あとは?」
「勘だ」
「高杉さんはなんでもお見通しですね」
きゃらきゃらと、おうのは笑う。
「大事にします、ありがとう」
「例には及ばない。というか、梅が好きだったんだな」
「はい。芸妓になる前はお梅と名乗っていました。この紅とも桃ともつかぬ色が、私に語りかけてくるような気がして…。香りも好きです。梅の花も、梅の実も…」
「人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける」
「え?」
茶を飲んでいた高杉がぼそりとつぶやいた歌に、おうのは懐かしさのようなものを覚えた。どこかで、聞いたことのあるような、ふんわりとした感触だった。
「…お前と同じようなことを言ったやつがいるんだ。さ、今晩は鯛が喰いたいな。さっき見つけたんだろう?」
「そうですね、買って帰りましょう」
そうして、高杉とおうのが帰宅すると、そこには先客がいたのだった。
「…雅子?」
「晋作さま」
はっとするほど白いうなじが、太陽の陰に入った部屋で良く目立った。
「奥様」
おうのがほんの少しこわばった声で挨拶をし、恭しくお辞儀をした。
「おかえりなさいませ、御二方」
心なしか、野村は顔に微笑をたたえていた。
「この組み合わせに出会おうとは…夢のようだな」
ふむと顎に手を当てて、高杉は言った。
「はい?」
「いや、なんでも」
気味の悪い笑みをうかべた高杉は、それから何も言わずに自室に戻った。
「どういう意味でしょう?」
「さぁ?」
おうのは高杉のいわんとしていることが分かったが、この強者の女性二人に申す勇気はなく、ほんの少し微笑んで黙っていた。
「ほんとうに、良いのですか」
野村はおうのに問う。
彼女も、鮮やかな紅梅色の羽織を羽織り、いかにもよそいきといった風だった。
「ええ、それに…」
ちらりとあたりを窺った後、おうのは野村にそっと耳打ちをした。
「これを逃せば、いつ行けるかわかりませんもの」
「……そうですね」
甘い香の香りが、ふわりと野村の鼻腔をくすぐった。
高杉にとっては久方ぶりの街への外出である。
「では、行ってまいります」
「はい。いってらっしゃいませ」
きれいな角度で野村はお辞儀を返した。二人の後ろ姿は、まるで、長年連れ添った夫婦のように見えた。
高杉たちが出かけて暫く、野村は部屋の掃除をしたり、庭の木に水をやったりしていた。
「もし。そこの尼僧さん」
垣根の向こうから、ひょっこりと顔がのぞいて、野村は仰天した。が、表情には出さなかった。
「こちらに何か御用でしょうか?」
声の主は、浅黒い肌に、顔だけでも無数の傷がある男だった。
「ここは、奇兵隊総督の高杉晋作とやらが滞在しているそうですな」
挨拶もなしに、慇懃無礼に男が言った。
顔が壁より高い位置にあり、会話まで出来るので、結構な大男だろう。
「どちら様でしょう?」
野村は、貴方はどちら、とも、高杉というのはどちら、ともつかない言葉を吐いた。
「これは失礼。拙者、この度奇兵隊総督副官補に就任いたした新田弥五兵衛と申す」
新田弥五兵衛ーー。
聞いたことのない名前だ。
この度、というあたり高杉が戦線を離脱した後に入隊し、面識がないようである。
「左様ですか」
「この長州では人斬り弥五兵衛とも呼ばれる剣客だ」
自慢げにそう言うと、傷だらけの頬が少し緩んだ。
「左様ですか」
野村は同じ返答を繰り返した。
「して、高杉は?」
総督を呼び捨てとは、武士の風上にも置けないやつだ。
これには野村もかちんときた。
「貴方様は高杉さま率いる奇兵隊の副官補なのでしょう?大将を呼び捨てにする兵が何処におります」
新田は眉をひそめた。
「だって、大将には一度も会ったことがないし、大事な戦にそいつが来たこともない。この俺は、高杉晋作を連れ戻すために来たんだ」と、言い訳にならない言い訳をした。
「高杉さまは御病気なのです。戦になど行けませぬ」
「ほうら、矢張り此処におるではないか。病は気からというであろう、さっさと身柄を寄越せ」
聞けば聞くほど横柄な態度である。しかもこの会話が、垣根ごしの、頭だけなのが余計に野村を苛つかせた。
「高杉さまは気合で治る病などではありませぬ。肺の病で、もう永くないのです」
どうにか説得しようとして、懇願するような口調になった。
「ほう。では、見舞いに来たとでも思い、案内しろ。やつの顔が見たい」
「それはーーー」
野村はぐっと詰まった。
「今は…此処には居りませぬ」
「ふうん?」
傷だらけの顔が勝利の笑みの形に歪んだ。
いつのまにか、彼は玄関口に立って野村を見下ろしていた。
「我らが総督高杉殿は重い病に伏せてらっしゃるのに、今は此処には居ないと申すか」
違う、違う、そうじゃないのに。
野村の顔が初めてこわばった。
「高杉様はーー、今……」
「やつは逃げたんだ!」
歓喜の声色で、新田が叫んだ。
野村は絶望した。
「夫は、此処で暮らしているのですね」
しゃらん、と鈴の音が聞こえた気がした。
「お取り込み中の所申し訳ありませぬ。私、長州藩士井上平右衛門が次女、高杉晋作が妻の雅子と申します」
柳のように細く、色白で高貴な服をまとった女だった。
高杉の細君ーーー。
おうのから自分はお妾なのだと聞いては居たが、実際に見たのは初めてだった。
「貴方が…」
新たな闖入者に野村は冷静な表情を取り繕う。
「夫を愚弄する良からぬ者の声が耳に入り、つい口を挟んでしまいました」
広げていた扇子をぴしゃりと閉じて、雅子は眦を吊り上げた。
中々にお怒りのご様子だ。
「だれが良からぬ者だ!俺を何だと…」
「人斬り弥五兵衛でしょうか?」
まさかそこから聞いていたのか、と野村は微かに瞠目した。
「今のこの御時世、人斬りの異名を持つ者などごまんとおりますわ」
けっ、と吐き捨てるように高杉夫人は言った。口調はどこまでも丁寧だが、明確な否定の声色である。
「貴様、奇兵隊に何という口をきくか!そもそもの、お前が高杉の妻だという証拠があるのか!」
「高杉晋作を知らない男に奇兵隊を語る資格もまたなし。夫が帰ってきてから出直して来てくだされ」
ぴしゃりとトドメを刺すと、人斬り弥五兵衛はすごすごと後ずさりしていった。
「さ、野村望東尼どのでしたか。夫のこと、詳しくお聞かせ願えますか」
野村は初めて、仲間に会えた気がした。
「どうぞ、こちらに」
その頃ーー。
高杉とおうのは街で買い物をしていた。
「あっ、高杉さん。鯛が売っていますよ!買って帰りましょうか」
「ああ、そうだな」
二人の姿は自然と周囲の視線を集めたが、高杉はまるで気にしていなかった。
「おい、親父」
高杉は魚屋の向かいにある簪の店棚を見ていた。
「なんでしょう?」
店主も身なりの良い高杉を見て、普通の客とは態度を変えた。
「この簪、いくらだ」
「へえ、こちらなら…」
それは、濃い琥珀色の木の枝を模したものに、鮮やかな梅の花の装飾がついた簪だった。
桃色のガラス玉のようなものが先端についており、太陽の光を反射してちらちらと虹を作り出している。
「買おう」
「へえ、ありがとうごぜえます」
「おうの」
「はい?」
さくっ、とおうのの髪に簪がささる。
振り返った彼女は、簪一本で別人のように美しく見えた。
「矢張り、似合うな」
「ええ?」
おうのがおそるおそるといった様子で頭を探り、棒状のそれを取る。
「これ…」
「お前にやるよ」
「高杉さん…」
まじまじと簪を見つめ、それから、ぱっと笑顔になった。
「嬉しいです!」
ぴょんと跳ねて高杉に抱きつく。
往来の人々が高杉とおうのの周囲を避けて、川の流れのように過ぎてゆく。
けれどそんなものは、おうのもちっとも気にならなかった。それよりも、とびきりの贈り物に心が弾んでいた。
「やめろ、うつるぞ」
高杉は鬱陶しそうに見てくるが、そんなことは知ったことではなかった。
「何をおっしゃいます、うつる病ならとっくにうつってますよ」
その言葉を聞いて、高杉は珍しく、ぶっと吹き出した。
「今のは、野村みたいだ」
「…ほんとうだ」
おうのは、時折野村が羨ましくなる。詩的な才能を持つ二人の掛け合いは、毒の掛け合いに見えて、その実は文学の掛け合いなのだと思う。
言い争いをしている時の高杉は、どことなく楽しそうだった。
おうのにはおうのの役目がある。
野村には野村の。
分かってはいても、嫉妬せずにはいられない、乙女なおうのであった。
「少し休みましょう、疲れちゃいました」
おうのは高杉の袖を引いて、茶屋に入る。屋外の席は風通りがよく、水色の空がよく見えた。
高杉は元気だと言い張るが、倒れた昨日の今日で健康体になるわけがない。こまめな休憩はとらせるよう、医者にも言いつけられていた。
「そういえば、なんで私が梅が好きだと、分かったんです?」
「紅梅色のそれ。後は…」
少しだけ、高杉がいいよどんだ。
「あとは?」
「勘だ」
「高杉さんはなんでもお見通しですね」
きゃらきゃらと、おうのは笑う。
「大事にします、ありがとう」
「例には及ばない。というか、梅が好きだったんだな」
「はい。芸妓になる前はお梅と名乗っていました。この紅とも桃ともつかぬ色が、私に語りかけてくるような気がして…。香りも好きです。梅の花も、梅の実も…」
「人はいさ心もしらずふるさとは花ぞ昔の香ににほひける」
「え?」
茶を飲んでいた高杉がぼそりとつぶやいた歌に、おうのは懐かしさのようなものを覚えた。どこかで、聞いたことのあるような、ふんわりとした感触だった。
「…お前と同じようなことを言ったやつがいるんだ。さ、今晩は鯛が喰いたいな。さっき見つけたんだろう?」
「そうですね、買って帰りましょう」
そうして、高杉とおうのが帰宅すると、そこには先客がいたのだった。
「…雅子?」
「晋作さま」
はっとするほど白いうなじが、太陽の陰に入った部屋で良く目立った。
「奥様」
おうのがほんの少しこわばった声で挨拶をし、恭しくお辞儀をした。
「おかえりなさいませ、御二方」
心なしか、野村は顔に微笑をたたえていた。
「この組み合わせに出会おうとは…夢のようだな」
ふむと顎に手を当てて、高杉は言った。
「はい?」
「いや、なんでも」
気味の悪い笑みをうかべた高杉は、それから何も言わずに自室に戻った。
「どういう意味でしょう?」
「さぁ?」
おうのは高杉のいわんとしていることが分かったが、この強者の女性二人に申す勇気はなく、ほんの少し微笑んで黙っていた。