文字サイズ変更

りゃんりゃん俳句短歌ショートストーリー旅

#3

不来方のお城の草に寝転びて空に吸われし十五の心

ぼんやりと空を見つめる僕に、さんさんと太陽の光が降り注ぐ。
木漏れ日が地面にまだら模様を作っていた。
「はぁーぁ」
大袈裟にため息をついてみせる。
自分のために、世界のために。
閑かで誰もいない僕だけのお城に、ゆっくりと視線を這わせる。
「ふぁーぁ」
今度は大袈裟にあくびをする。
何もかもが、嫌になってしまう。

ここと学校は目と鼻の先。こうやって僕は、たびたび学校を抜け出して、さびれたお城へと足を運ぶ。
どうしようもない、拭えない不安感。
なぜだろう?
将来への不安?何もできない自分への不安?
嫌になってしまう。
そういう時、僕は決まってここへ来る。

「なぁ、どうすればいい?」
馬鹿でかい独り言を、城壁に向かって叫ぶ。
閑かなお城は、当たり前のように沈黙を守る。
「このままで良いのかな?」
今度は空に向かって問う。
高い高い、手を伸ばしても届かない、無限の空。
当たり前だが、答えは返ってこない。
ほんの少しだけ心がすっきりしたが、後ほんの少し、学校はさぼってしまおうと思った。

「はあーぁ…」
毎日がこんなにも、ため息の出る日々だとは、思ってもいなかった。
不意に郷愁とともに思い出が、そっと窓の外の景色に映る。
十五のあの時は、よく不来方の城を木の下で眺めたものだ。
僕は胸に手を当てる。
今の心も、ずっとーー、十五の心から受け継がれてきたものだ。これからも、命尽きるまで、僕はこの心と共に生きていく。

「どうすればいい?」
僕は遠い故郷に問う。

作者メッセージ

不来方のお城、今はもうありません。

2025/11/17 12:06

りゃんりゃん。
ID:≫ 5pplVSwPOVTKw
コメント

この小説につけられたタグ

俳句短歌ショートストーリー

通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

どういった部分が元作品と類似しているかを具体的に記入して下さい。

※できるだけ具体的に記入してください。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
タイトル
URL

この小説の著作権はりゃんりゃん。さんに帰属します

TOP