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言霊の幸ふ国(ことだまのさきわうくに)

#3

「ようこそ、言霊の幸う国へ」
千世が、ぶっきらぼうな口調で扉を開けた。
言霊の幸ふ国ーー。昔何かで読んだ事のあるような気がする。
([漢字]山上憶良[/漢字][ふりがな]やまのうえのおくら[/ふりがな]だったっけ?)
言葉は現実を形作る力があるとかなんとか。
扉の向こうには、更に長く廊下が続いていた。
「うち、こんなに広くない…」
いくら広いとはいえここまでは長くは無い。
「もう“うち”じゃねぇよ。お前の家のあの扉は、向こうと“こっち”を繋いでんの」
慣れた様子で進む千世。
「ふーん」
「お前話聞いてる?」
「抽象表現多すぎて聞く気なくす」
「あっそ」

扉の先に広がっていたのは、エレベーターホールのようにたくさんの扉が集まっている大きな部屋だった。
「長くなるから歩きながら話すぞ。お前が今まで住んでいた世界はレスタリオ《第一並行世界》。んで、扉を抜けた先の今俺たちが居る所が、エルパシオ《第二並行世界》。」
「並行世界?だから“こっち”なのか」
「そ。お前の兄貴はエルパシオ側の人間だった」
「えるぱしお?で何してたんだ?」
「薬草師兼戦士かな。《イグニス》っていう王国最強の軍隊の一員だった」
「最強軍隊?ミツ兄は武道もなにもやってなかったけど?」
「“そっち”ではそう振る舞ってたのかもな。ただし、エルパシオでのミツル•ブレイクは〈光〉を操る細剣使いだったんだよ」
「細剣…先が細い、刺突用の剣か」
「他はなんもしらねぇのに、物騒な物だけ知ってるんだな」
「昔本で読んだ」

ざわざわと進行方向が騒がしい。
ここは普通の民家なのだろうか。それとも、大きな役所のような場所なのだろうか。
黎空の頭の中は疑問だらけだった。
(この世には並行世界がある。兄はその一員だった。私は救世主?らしい。千世は、兄の事を知っている。リンクス?は偉い人)
ざっと整理しながら推理する。
(1番謎なのは私が救世主な事だな)
代々黎空の家に繋ぐ“扉”があったのなら、黎空が気づいていてもおかしくはなかっただろうに。
不意に、狙撃された時に聞こえた警報音が辺りに鳴り響いた。
「またか!?」
千世が急に走り出した。
「攻撃されるのか!?」
最後の扉を開け放つと、民衆が四方八方から集まってきていた。
それぞれの手には農具や木剣、弓、槍などの武器が握られている。
「チセさま!!!」と軍人の隊服を着た中年の男が叫んだ。
(さま?まさかこいつ偉いのか)
「グレイランの奴ら、また奇襲を仕掛けてきて!!」
(グレイラン…国か組織の名前だろうな)
ぎゅっ、とチセが唇を噛み締めた。
「くそ、あいつらと戦ってる場合じゃねぇのに…!」
「チセ殿!もうすぐそこにーー」
報告しようと走ってきた青年がふっとばされた。
(殴っ…!?)
「逃げろ!!!!」
別の色の隊服を着た男たちがなだれ込んできた。
千世が黎空を突き飛ばす。
木の影に入った黎空は、呆然と立ち尽くした。
「走って逃げろ!何処でもいい、後で助けに行ってやるから!!」
逃げていないことに気づき、千世が振り返って叫んだ。
その言葉を受け、取り敢えず敵がいなさそうな方向へ走り出す。
(見ず知らずの場所で逃げるとか無理だろ)
こうして、黎空のエルパシオ生活が始まるー!?


2025/06/09 21:25

りゃんりゃん。
ID:≫ 5pplVSwPOVTKw
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暴力表現並行世界異能力チームバトル

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