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ショートショート•ショート小説

#9

射干玉

くらい。暗くて、周りには誰もいなくて、たった一人で、まさしく地獄の道を足を引き摺りながら歩く。靴の裏には血の跡。
自分でも、どんよりと目が濁っているのを感じる。手に残る生々しい感触。
くらい。月の光は出ているのに、視界はほとんど真っ暗。[漢字]射干玉[/漢字][ふりがな]ぬばたま[/ふりがな]の闇が、視野の端にずんずんと侵食してくるのが手に取るようにわかる。
「あぁ…」
意味もなく漏れ出る声。
「———ねぇ」
どこからか、声が。
上を見ると、天の裂け目から一筋の光が見えた。
「そこには行けないよ。そんな資格は…」
そんな資格は持ち合わせていない。
「________起きてったら」
うっすらと目を開けると、そこには不安げな顔をした彼女がいた。
「だいじょぶ?うなされてたけど」
「うん、まぁ…」
彼女は底なしの笑みを浮かべた。
それだけが今、己が生きている存在意義だった。
「昔の夢を見てたんだ」



2026/01/26 13:50

りゃんりゃん。
ID:≫ 5pplVSwPOVTKw
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