また、姉さんから手紙が届いた。
「伝言を伝えに来た子はなんて言うの?」
そんなことが書いてあった。
此度も返事を書く気にならなくて、また、届いた手紙を箱に仕舞い込んだ。
私がわざわざ言わなくても、お付きの禿が教えてやっている頃だろう。
「はあ……」
一人溜息をつく。
理由は自分でも分からなかった。
もうじき、客の相手をする時間が来る。
立ち上がろうとして、思わずよろめいた。
その場に倒れ込んでしまって、顔を強かに打った。
ぶつけた顔がやけに痛くて、鏡で自分の顔を覗き込んでみた。
「え?」
顔から、血が出ていた。
そんなに強く打ったわけでも無いのに、どこかしら怪我をしたのかと不安になって、もっとよく顔を見つめた。
「……嘘、嘘でしょ」
気持ちの悪い色をしたゴム腫が幾つかできていた。
それを見た瞬間、本気で気が狂ってしまった方がマシに思えた。
禿が、「姐さん、もう時間が…」と私を呼びながら襖を開けた。
「キャー!」
甲高い悲鳴と共に、バタバタと廊下を走り去る音が聞こえた。
五分もしないうちに楼主と禿が二人走ってきて、何やら話し込んでいたが、私の耳には届かなかった。
顔を布で覆った禿二人が、私を両脇から支えてながら立たせようとした。
ふらつく足取りで立ち上がっだが、泣くことしかできなかった。
「なんで、なんで私が…」
廊下を引きずられながら嗚咽を漏らしていると、夜桜がこちらを見ているのに気がついた。
また、お得意の冷たい視線を向けてきた。
憐れむわけでも無く、[漢字]嘲笑[/漢字][ふりがな]わら[/ふりがな]うわけでも無く、ただただ冷やかにこちらを見ていた。
私は切見世に連れて行かれて、他の病気の遊女と同じ扱いを受けた。
「かつての美貌は何処へやら」
町人の言葉が聞こえてきた気がした。
今更後悔しても遅いのに、姉さんからの手紙に、筆を取ろうともしなかったことが、どうにも虚しく感じて、一人寂しくなった。
「ごめんなさい。」
「伝言を伝えに来た子はなんて言うの?」
そんなことが書いてあった。
此度も返事を書く気にならなくて、また、届いた手紙を箱に仕舞い込んだ。
私がわざわざ言わなくても、お付きの禿が教えてやっている頃だろう。
「はあ……」
一人溜息をつく。
理由は自分でも分からなかった。
もうじき、客の相手をする時間が来る。
立ち上がろうとして、思わずよろめいた。
その場に倒れ込んでしまって、顔を強かに打った。
ぶつけた顔がやけに痛くて、鏡で自分の顔を覗き込んでみた。
「え?」
顔から、血が出ていた。
そんなに強く打ったわけでも無いのに、どこかしら怪我をしたのかと不安になって、もっとよく顔を見つめた。
「……嘘、嘘でしょ」
気持ちの悪い色をしたゴム腫が幾つかできていた。
それを見た瞬間、本気で気が狂ってしまった方がマシに思えた。
禿が、「姐さん、もう時間が…」と私を呼びながら襖を開けた。
「キャー!」
甲高い悲鳴と共に、バタバタと廊下を走り去る音が聞こえた。
五分もしないうちに楼主と禿が二人走ってきて、何やら話し込んでいたが、私の耳には届かなかった。
顔を布で覆った禿二人が、私を両脇から支えてながら立たせようとした。
ふらつく足取りで立ち上がっだが、泣くことしかできなかった。
「なんで、なんで私が…」
廊下を引きずられながら嗚咽を漏らしていると、夜桜がこちらを見ているのに気がついた。
また、お得意の冷たい視線を向けてきた。
憐れむわけでも無く、[漢字]嘲笑[/漢字][ふりがな]わら[/ふりがな]うわけでも無く、ただただ冷やかにこちらを見ていた。
私は切見世に連れて行かれて、他の病気の遊女と同じ扱いを受けた。
「かつての美貌は何処へやら」
町人の言葉が聞こえてきた気がした。
今更後悔しても遅いのに、姉さんからの手紙に、筆を取ろうともしなかったことが、どうにも虚しく感じて、一人寂しくなった。
「ごめんなさい。」