理由
「理屈っぽい」
私が子供の頃から言われてきた言葉だ。
両親にも、友人にも、恋人にも。
何十回、何百回、何千回と言われてきた。
「茜って、ほんと理屈くさいよなw科学者じゃあるまいし、なんでそんなに色んなことに理由求めんだよ?細かすぎて怖いわw」
学生時代の恋人に言われた言葉だ。
なんでって聞かれても、私だって分からない。
でも、どうしても感情論なんかより、正確なデータを用いて問題を解決したいのだ。
そんなところを、皆んなに嫌われてきた。
小学生の時は、先生たちからは「賢い子だ」と言われ続けてきたが、中学や高校では、少し疎まれるようになってきた。
周りの人には、特に。
クラスメイトからは「頭いいアピ?w超絶ウザいんだけどw」や、「うーわ、あいつ内申稼ぎじゃんwガチ痛いわ〜w」と言われた。
私はただ、事実よりも感情を優先する行為が理解できなかった。
何故、周りは感情だなんて簡単に揺らいでしまうものを主軸にして物事を考えるのだろう。
データや事実は、揺らがない、ずっと変わらずにいるから正確なのに。
私はこんな性格のせいで、友達ができなくて、孤立する羽目になった。
私はよく、「怒ると面倒」と言われる。
私はただ、筋道を立てて正確に判断を下したいだけなのに。
誰もこれを理解してくれなかった。
「感情が欠けている」とも言われた。
色んなことを淡々と進めようとして学生らしくないとか、真面目すぎる、冗談が通じないとか、色々言われて、両親にもそのことを伝えても、「あんたが理屈っぽいのが悪いのよ、もう少し青春満喫しなさいよ。青春なんて一度きりなんだから、沢山友達作って、沢山遊びなさい」と私が怒られる始末。
両親も私を理解してくれなかった。
私を生んで、育てたのはあなた達なのに。
学校でいじめられるようなことは無かったが、陰で色々言われたり、すれ違いざまにクスクスと笑われたり。
先生に相談しても、「遊び半分だろ、本気にしてたらやっていけないぞ」と、面倒そうに言われた。
先生たちも、こういったことの対応が面倒なのだろう。まるで相談した私が悪いと言いたげな扱いを受けた。
私の味方は、誰一人としていなかった。
大学でも、中学高校と扱いは変わらなかった。
相変わらず友達はできなかったし、私は就活と勉強に集中することにした。
就活を続けて、それなりにいい会社に入れた。
しかし、会社でも私は先輩たちや上司から疎まれてきた。
「新しく入ってきた縁崎…茜?だっけ、あの子、ほんと理屈っぽくてやんなっちゃうわ〜」「分かる〜!説教したらなんで?みたいな顔で超反論してくるし、絶対学生の時ぼっちだったでしょw」
そんな言葉が聞こえてきて、私は決心がついた。
屋上に続く階段を上る。
古びた板を踏むたびに、赤茶色の錆がポロポロと落ちていく。
今日は屋上の清掃日だから、鍵は掛かっていなかった。
屋上に続く扉を開けて、屋上に出る。
夕方だからか、空はとても美しい茜色だった。
これが、私が最後に見る光景。
目に、しっかりと焼き付けておこう。
靴を脱ぐ。
綺麗に揃えて、そっと地面に置く。
まとめていた髪を解いて、掛けていた眼鏡を外して靴の隣に置く。
柵の外に出る。
……。
怖い。
死にたくない。
そんな気持ちが湧いてきてしまって、柵の内側に戻る。
靴を履き直して、髪を結び直す。
やっぱり、私には自殺するほどの勇気は無かったんだろう。
自分が情けなくてたまらない。
結局、私は今日も生きる。
"普通"と言う名の、鋭い硝子に身体を突き刺されながら。
私が子供の頃から言われてきた言葉だ。
両親にも、友人にも、恋人にも。
何十回、何百回、何千回と言われてきた。
「茜って、ほんと理屈くさいよなw科学者じゃあるまいし、なんでそんなに色んなことに理由求めんだよ?細かすぎて怖いわw」
学生時代の恋人に言われた言葉だ。
なんでって聞かれても、私だって分からない。
でも、どうしても感情論なんかより、正確なデータを用いて問題を解決したいのだ。
そんなところを、皆んなに嫌われてきた。
小学生の時は、先生たちからは「賢い子だ」と言われ続けてきたが、中学や高校では、少し疎まれるようになってきた。
周りの人には、特に。
クラスメイトからは「頭いいアピ?w超絶ウザいんだけどw」や、「うーわ、あいつ内申稼ぎじゃんwガチ痛いわ〜w」と言われた。
私はただ、事実よりも感情を優先する行為が理解できなかった。
何故、周りは感情だなんて簡単に揺らいでしまうものを主軸にして物事を考えるのだろう。
データや事実は、揺らがない、ずっと変わらずにいるから正確なのに。
私はこんな性格のせいで、友達ができなくて、孤立する羽目になった。
私はよく、「怒ると面倒」と言われる。
私はただ、筋道を立てて正確に判断を下したいだけなのに。
誰もこれを理解してくれなかった。
「感情が欠けている」とも言われた。
色んなことを淡々と進めようとして学生らしくないとか、真面目すぎる、冗談が通じないとか、色々言われて、両親にもそのことを伝えても、「あんたが理屈っぽいのが悪いのよ、もう少し青春満喫しなさいよ。青春なんて一度きりなんだから、沢山友達作って、沢山遊びなさい」と私が怒られる始末。
両親も私を理解してくれなかった。
私を生んで、育てたのはあなた達なのに。
学校でいじめられるようなことは無かったが、陰で色々言われたり、すれ違いざまにクスクスと笑われたり。
先生に相談しても、「遊び半分だろ、本気にしてたらやっていけないぞ」と、面倒そうに言われた。
先生たちも、こういったことの対応が面倒なのだろう。まるで相談した私が悪いと言いたげな扱いを受けた。
私の味方は、誰一人としていなかった。
大学でも、中学高校と扱いは変わらなかった。
相変わらず友達はできなかったし、私は就活と勉強に集中することにした。
就活を続けて、それなりにいい会社に入れた。
しかし、会社でも私は先輩たちや上司から疎まれてきた。
「新しく入ってきた縁崎…茜?だっけ、あの子、ほんと理屈っぽくてやんなっちゃうわ〜」「分かる〜!説教したらなんで?みたいな顔で超反論してくるし、絶対学生の時ぼっちだったでしょw」
そんな言葉が聞こえてきて、私は決心がついた。
屋上に続く階段を上る。
古びた板を踏むたびに、赤茶色の錆がポロポロと落ちていく。
今日は屋上の清掃日だから、鍵は掛かっていなかった。
屋上に続く扉を開けて、屋上に出る。
夕方だからか、空はとても美しい茜色だった。
これが、私が最後に見る光景。
目に、しっかりと焼き付けておこう。
靴を脱ぐ。
綺麗に揃えて、そっと地面に置く。
まとめていた髪を解いて、掛けていた眼鏡を外して靴の隣に置く。
柵の外に出る。
……。
怖い。
死にたくない。
そんな気持ちが湧いてきてしまって、柵の内側に戻る。
靴を履き直して、髪を結び直す。
やっぱり、私には自殺するほどの勇気は無かったんだろう。
自分が情けなくてたまらない。
結局、私は今日も生きる。
"普通"と言う名の、鋭い硝子に身体を突き刺されながら。
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