僕がこの世で一番好きなもの。
それは水だ。
透明で清らかで、どんな形にも柔軟に対応する。
光を反射してキラキラと輝く水面の美しさは何にも例え難い。
しかし、僕がもっと好きなのは水に濡れた「髪」だ。
特に、長い髪。
濡れてしっとりとした長い髪。
黒曜石のように黒く輝いて、僕の情欲を湧き立たせる。
他の誰かには分かってもらえないけど、僕は幸せだからそれでいい。
それに、僕が飽きるまで濡れた髪を見せてくれる人がいるから大丈夫。
世界一優しい僕の恋人。
彼女は僕の好きなものを知っていても僕と一緒にいると約束してくれた。
彼女は僕がいる時はいつも夜の決まった時間に透明な洗面台のようなものに水をたっぷり入れて、そこに髪を入れる。
水に浮かんだ髪が広がって美しく、永遠に眺めていたくなる。
その時の彼女はいつも目を瞑っているが、時々目を開いてこちらを見つめてくる。
彼女の真っ黒な瞳は輝いていて、子供のような純粋さを感じさせる。
僕があまりの美しさにため息をつくと、彼女は目を開く。
そしてこちらに微笑みかけてくれる。
僕はいつもその笑顔に癒されていた。
ある日彼女は、僕に「ねえ、私たちの関係っておかしいのかな…?」と不安そうに聞いてきた。
僕は驚いて何があったのか尋ねた。
彼女の話によると、友人に僕たちの話をしたところ、「気持ち悪い、そんな関係恋人なんかじゃない。異常だ」と言われたらしく、泣きそうな顔をしていた。
僕は彼女を抱きしめて、僕たちは世間一般で言う通常の恋人であること、僕たちの関係は「決して異常ではないこと」を伝えた。
すると彼女は泣き笑いみたいな表情をして、「よかったぁ。あたしと乙葉くんがおかしいわけじゃないよね、愛の形に正解はないって、乙葉くん言ってたもんね」と自分を落ち着かせるような声で言った。
全く、僕たちの愛にひびを入れようだなんて、その友人はかなり頭の悪い人のようだ。
僕の恋人を悲しませるだなんて…
僕と彼女はちゃんとした利益関係があった。
彼女は僕と付き合いたい。
僕は彼女の黒髪を眺めていたい。
お互いの願望を叶えているのだから、他人にとやかく言われる筋合いはないのだが。
それにしても、僕のように特殊な好みを持っている人を「偏愛」と言うらしい。
やはり世間は、型から外れたものを痛く嫌うのだろう。
世間から異常とされても、僕は自分の愛を信じる。
誰かに理解してもらえなくても、僕は幸せだから関係ない。
彼女だって、幸せなはずだ。
確信は持てない。
だって、僕が好きなのはあくまで彼女の「濡れた髪」だ。
彼女自身にも愛情はあるが、それ以上の愛情を彼女の髪に注いでいた。
…やはり僕の愛は歪んでいるのだろうか?
僕は彼女自身のことも愛しているんだけどなぁ。
それは水だ。
透明で清らかで、どんな形にも柔軟に対応する。
光を反射してキラキラと輝く水面の美しさは何にも例え難い。
しかし、僕がもっと好きなのは水に濡れた「髪」だ。
特に、長い髪。
濡れてしっとりとした長い髪。
黒曜石のように黒く輝いて、僕の情欲を湧き立たせる。
他の誰かには分かってもらえないけど、僕は幸せだからそれでいい。
それに、僕が飽きるまで濡れた髪を見せてくれる人がいるから大丈夫。
世界一優しい僕の恋人。
彼女は僕の好きなものを知っていても僕と一緒にいると約束してくれた。
彼女は僕がいる時はいつも夜の決まった時間に透明な洗面台のようなものに水をたっぷり入れて、そこに髪を入れる。
水に浮かんだ髪が広がって美しく、永遠に眺めていたくなる。
その時の彼女はいつも目を瞑っているが、時々目を開いてこちらを見つめてくる。
彼女の真っ黒な瞳は輝いていて、子供のような純粋さを感じさせる。
僕があまりの美しさにため息をつくと、彼女は目を開く。
そしてこちらに微笑みかけてくれる。
僕はいつもその笑顔に癒されていた。
ある日彼女は、僕に「ねえ、私たちの関係っておかしいのかな…?」と不安そうに聞いてきた。
僕は驚いて何があったのか尋ねた。
彼女の話によると、友人に僕たちの話をしたところ、「気持ち悪い、そんな関係恋人なんかじゃない。異常だ」と言われたらしく、泣きそうな顔をしていた。
僕は彼女を抱きしめて、僕たちは世間一般で言う通常の恋人であること、僕たちの関係は「決して異常ではないこと」を伝えた。
すると彼女は泣き笑いみたいな表情をして、「よかったぁ。あたしと乙葉くんがおかしいわけじゃないよね、愛の形に正解はないって、乙葉くん言ってたもんね」と自分を落ち着かせるような声で言った。
全く、僕たちの愛にひびを入れようだなんて、その友人はかなり頭の悪い人のようだ。
僕の恋人を悲しませるだなんて…
僕と彼女はちゃんとした利益関係があった。
彼女は僕と付き合いたい。
僕は彼女の黒髪を眺めていたい。
お互いの願望を叶えているのだから、他人にとやかく言われる筋合いはないのだが。
それにしても、僕のように特殊な好みを持っている人を「偏愛」と言うらしい。
やはり世間は、型から外れたものを痛く嫌うのだろう。
世間から異常とされても、僕は自分の愛を信じる。
誰かに理解してもらえなくても、僕は幸せだから関係ない。
彼女だって、幸せなはずだ。
確信は持てない。
だって、僕が好きなのはあくまで彼女の「濡れた髪」だ。
彼女自身にも愛情はあるが、それ以上の愛情を彼女の髪に注いでいた。
…やはり僕の愛は歪んでいるのだろうか?
僕は彼女自身のことも愛しているんだけどなぁ。