原稿用紙
外で虫の声がする。
暑苦しい夜中、原稿用紙とにらめっこをする。
どうしてもいいアイデアが浮かばない。
締め切りは明日。
どうしようと頭をひねってもネタは出てこず、睡魔だけが襲ってくる。
締め切りに遅れれば、きっと編集担当に怒られるだろう。
そう思って万年筆を握ろうにも、手に力が入らなかった。
当然だ。現在時刻は午前二時。
普段なら寝ているところだが、締め切り直前という危機に陥っている私にそんなことはできない。
こんな時に限って眠気に襲われる。
どうにか万年筆を手に取ろうと座卓に突っ伏しながら手で座卓の上を探る。
手にひんやりとした感触が伝わってきて、どうにか手に取ろうと腕を伸ばす。
やっとの思いで万年筆を手に取り、原稿用紙に目をやる。
一切進んでいない現実に打ちひしがれながら、私は原稿用紙に万年筆を走らせ、頑張って考えついた文章を書いていった。
眠気で視界が霞み、手が震える。
金色の万年筆の先がぼやけてよく見えない。
意識が遠のきかけて、慌てて意識を取り戻そうと手の甲をつねる。
痛みが走るが、眠気はおさまらない。
限界が近づいてきたものの、何が何でもこの小説を書き上げたかった。
締め切りを今日の午後でいいと編集担当に伝えた過去の自分を恨みつつ、本当に限界が来そうなので無理矢理小説を書き上げ、かなり雑な字で≪了≫と書いた。
了の字を書いた瞬間、糸が切れた操り人形のように私は座卓に突っ伏してしまった。
きっと、明日は編集担当に怒られるだろうな…なんて考えながら私はようやく意識を手放した。
「先生ー!先生!原稿、書き終わったんですか?!書き終わってないとは言わせませんよ!」
襖をを乱暴に開けながら編集担当の「篠宮 霞」が和室に入ってきた。
私は彼女の大声に叩き起こされ、あくびをしながら「書き終わったよ…多分ね」と適当に返事をしながら部屋を出ようとした。
「多分?多分ってどういうことですか?まさか、締め切り直前まで小説書いてなかったんですか…?」
眉間に皺を寄せながら篠宮くんは座卓に一直線に向かい、置かれた原稿にさっと目を通す。
「あっ」
篠宮くんが上げた声に驚き、後ろを振り返る。
「先生、インクが…」
篠宮くんの手元を見ると、字が擦れて?原稿用紙が汚れている部分があった。
まさかと思い自分の手を見てみると、手の横がインクで黒く汚れていた。
「まあ小説自体に影響は無いので、心配することはないでしょう。さ、先生。早く手洗ってきてください。汚れ落ちなくなっちゃうでしょう」
篠宮くんにそう言われて、私は手を洗いに行った。
外は晴天で、日が強く照っていた。
蝉の鳴き声を聞きながら、私は廊下を歩いた。
暑苦しい夜中、原稿用紙とにらめっこをする。
どうしてもいいアイデアが浮かばない。
締め切りは明日。
どうしようと頭をひねってもネタは出てこず、睡魔だけが襲ってくる。
締め切りに遅れれば、きっと編集担当に怒られるだろう。
そう思って万年筆を握ろうにも、手に力が入らなかった。
当然だ。現在時刻は午前二時。
普段なら寝ているところだが、締め切り直前という危機に陥っている私にそんなことはできない。
こんな時に限って眠気に襲われる。
どうにか万年筆を手に取ろうと座卓に突っ伏しながら手で座卓の上を探る。
手にひんやりとした感触が伝わってきて、どうにか手に取ろうと腕を伸ばす。
やっとの思いで万年筆を手に取り、原稿用紙に目をやる。
一切進んでいない現実に打ちひしがれながら、私は原稿用紙に万年筆を走らせ、頑張って考えついた文章を書いていった。
眠気で視界が霞み、手が震える。
金色の万年筆の先がぼやけてよく見えない。
意識が遠のきかけて、慌てて意識を取り戻そうと手の甲をつねる。
痛みが走るが、眠気はおさまらない。
限界が近づいてきたものの、何が何でもこの小説を書き上げたかった。
締め切りを今日の午後でいいと編集担当に伝えた過去の自分を恨みつつ、本当に限界が来そうなので無理矢理小説を書き上げ、かなり雑な字で≪了≫と書いた。
了の字を書いた瞬間、糸が切れた操り人形のように私は座卓に突っ伏してしまった。
きっと、明日は編集担当に怒られるだろうな…なんて考えながら私はようやく意識を手放した。
「先生ー!先生!原稿、書き終わったんですか?!書き終わってないとは言わせませんよ!」
襖をを乱暴に開けながら編集担当の「篠宮 霞」が和室に入ってきた。
私は彼女の大声に叩き起こされ、あくびをしながら「書き終わったよ…多分ね」と適当に返事をしながら部屋を出ようとした。
「多分?多分ってどういうことですか?まさか、締め切り直前まで小説書いてなかったんですか…?」
眉間に皺を寄せながら篠宮くんは座卓に一直線に向かい、置かれた原稿にさっと目を通す。
「あっ」
篠宮くんが上げた声に驚き、後ろを振り返る。
「先生、インクが…」
篠宮くんの手元を見ると、字が擦れて?原稿用紙が汚れている部分があった。
まさかと思い自分の手を見てみると、手の横がインクで黒く汚れていた。
「まあ小説自体に影響は無いので、心配することはないでしょう。さ、先生。早く手洗ってきてください。汚れ落ちなくなっちゃうでしょう」
篠宮くんにそう言われて、私は手を洗いに行った。
外は晴天で、日が強く照っていた。
蝉の鳴き声を聞きながら、私は廊下を歩いた。
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