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ルビンの壺

ねえ、ルビンの壺って知ってる?
おんなじ絵でも、見方を変えると別のものが見えてくるあれ。
顔に見える人もいれば、壺に見える人もいる。
顔に見えた人が、壺に見えると思うのは難しい。
逆に、壺に見えた人が、顔に見えると思うのも難しい。
人は、自分から見えるもの以外を、中々信じようとしない。
え?なんであたしがこの話をするのかだって?
それはね、あたしが今から話すことの大切な鍵になるからだよ。








あたしね、お姉ちゃんがいるの。
頭が良くて、すごく優秀な人だった。
頭がよかったから、要領もよくて、親とか教師の前では、いい子を演じてた。
でも、クラスメイトの前だとか、あたしの前だと、ものすごく性格が悪かった。
あたしやクラスメイトを小間使いのように扱って、物を取り上げた。
あたしがどれだけ親に訴えても、親は信じてくれないどころか、あたしを嘘つき呼ばわりした。
あたしに味方はいないって思うと、涙が止まんなかったよ。
泣きながら部屋に戻ろうとしたら、お姉ちゃんに声をかけられたの。
あたしは、お姉ちゃんに何されるかわかんなくて、怖かった。
お姉ちゃんはあたしの耳元でこう囁いた。
「お前パパとママにチクッたろ、馬鹿が調子乗ってんじゃねえよ」
聞いたことのないドスの効いた低い声で言われて、あたしは怖気付いちゃって、なんも言い返せなかった。









親はお姉ちゃんがいい子だって、心の底から信じてる。
まるで、教祖に洗脳された信者みたいにね。
もうこの人たちはだめだって思っちゃって。
あたしに救いなんてないんだって思って。
もう、諦めちゃった。
どれだけ訴えかけてようが、お姉ちゃんがなにか言っちゃえば、嘘だろうと真実だろうと、あたしの言ったことは無かったことにされる。
人は、自分にとって都合のいいことしか信じようとしない。
あたしがこんなんだから、親もあたしがいることを信じたくなさげだし、相対的にお姉ちゃんへの期待が高まる。
あたしは、期待されない。
正直言っちゃえば、期待されないほうが楽でいい。
少なくとも、お姉ちゃんみたいに、重い圧力をかけられて、いい子のテンプレを演じるよりかは。










え?
今までの話はルビンの壺と関係ないだって?
関係は大アリだよ。
だって、あたし言ったでしょ?
「人は、自分から見えるもの以外を、中々信じようとしない」って。
さ、この話はもうお終い。
あたしも、賢くなれるよう努力してる"つもり"なんだけどねえ。

2024/10/08 19:03

月町 桔梗
ID:≫ 7r5tHLeuz1RfY
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