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売り娘

感染症が広まり、全員死亡した売春宿から発見された、無名の売春婦の手記。
その内容を、ここに記す。


















今日も、霧がかかって薄暗い街。
ここには、世間からあぶれたひとが多く集まっている。
気が狂って、自分を着飾る商売道具を壊す売春婦。馬車馬のように働かされて、上司への恨み辛みを吐き続けるみすぼらしい男。
私も、その中の一人。
私は、売春宿で夜遅くまで働いて、安い給料で生活している。
給料は、基本薬物に溶ける。
あんな仕事をしていて、薬に頼らないやつなんていない。
私の友人も、みんな客の相手をを終えると、真っ先に薬を吸ったり、打ったりする。
だって、あれがないと生活できない。
みんな、薬のせいで体が骨と皮ばかりになっているが、客は来る。










体を売るのは、もちろん怖い。
病に身を蝕まれることもあるからだ。
何人も、病に倒れて、そのまま死んでいく。
感染してしまうのは怖いけれど、どうしても体を売るのはやめられなかった。
薬を打って、客と一つになる。
これほど幸せなことはなかった。









ある日の朝、目が覚めると店が騒がしかった。
私は下に降りようと、部屋から出るとき、鏡台の中に映る自分と目が合った。
骨ばって、頬骨の浮いた顔。
私が下へ向かうと、店番の男とまだ若い女が何やら騒いでいた。
私が友人に何があったのか尋ねると、どうやら女は客との子を孕んでしまったらしい。
そして、その子を堕ろすか産むかで揉めているようだった。
客との子を腹に宿してしまうことは珍しくなかったが、堕したがるのと産みたがるので、店の待遇はだいぶ変わった。
きっと、あの女はすぐに医者のところに連れて行かれる。
私は運よく子供を宿したことはなかったので、いつも連れて行かれる女を見送っていた。







(この部分は血液と思われる汚れにより判別不可)










子供が宿った。
私の腹の中に、客との子供が。
私が真っ先に考えたのは、「どうしたら"私が"苦しまずに子供を堕ろせるか」だった。
ひとまず、こんなんじゃ客を取れない。
金を稼げなくなる。
店番には伝えず、一人で闇医者の元に向かった。
道を歩いていると、腹の中の子供が「死にたくない」と訴えかけてくるようで、心の中の罪悪感が私を襲った。
でも、これは私の体。
何をしようが、私の勝手だ。
そのまま、医者のところで子供を堕ろして、そのまま帰ってきた。
この時から、子供に睨まれているような気がして、私は薬を多く打つようになった。










みんな、感染していく。
周りはみんな、病に倒れ、そのまま先に逝ってしまう。
私はそれを見ても、よくあることだとしか思わなかった。
私も、そろそろだろうか?









感染してしまった。
梅毒だった。
皮膚が崩れて、人前に出られるような様ではなかった。
昔の私の写真を見ていると、今の私との差に涙が出てくる。
美しかった頃の私を返して。
(手記はここで途切れている)

2024/10/05 22:52

月町 桔梗
ID:≫ 7r5tHLeuz1RfY
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