瞬間
階段を登る。
すれ違う人々。
学校に行く途中の女子高生の明るい話し声。
会社に向かうサラリーマンの憂鬱げな表情に、就活生であろう少し緊張したような面持ちで階段を足早に降りる若い学生。
人の多い駅のホーム。
陽の光が一枚の布のように差す駅のホームに並ぶ。
前には中年らしきサラリーマン。
せわしなく指を動かし、メッセージを打っている。
駅を行き交う人の足音。
「まもなく、ニ番線に列車が参ります。」
電車が駅の中に滑り込んでくる。
ホームドアが開き、電車のドアが開く。
涼しい風がこちらに流れてくる。
電車の中に乗り込み、席に座る。
向かい側には、まだ若い母親と幼い子どもが座っていた。
母親は黒い髪を肩につくくらいに切っており、品のいいワンピースを着ていた。
子どもの方は、戦隊モノのTシャツを着て、半ズボンを履き、戦隊ヒーローのおもちゃを持っていた。
そして右斜め前の方に目をやると、女子高生がふたり、仲良く話していた。
目を閉じると、先ほど目に入った人々の会話が聞こえてきた。
母親らしき人物の「たっくん、おばあちゃんち着いたら、ちゃんと挨拶しようね」と言う優しげな声が聞こえてくる。
「うん!ぼく、いいこだからちゃんとあいさつするよ!」という元気な声が車内に響く。
癒される…。
女子高生の方はというと、好きな相手の話で盛り上がっていた。
「ねねね、アンタ、蒼真くんのこと好きなんでしょ〜?」「な、なわけないじゃん!」「え〜?うっそだぁ〜、絶対好きでしょ〜!」といういかにもお年頃な会話が聞こえてきた。
近くに座っている老夫婦は、どうやらふたりで息子夫婦の元に行くようだ。
「ねえ、あなた。私のお化粧、崩れてないかしら?」「崩れてないよ、綺麗なままだ。」「あぁ、ならよかった。茉子も今年で5歳ねぇ、大きくなったわねぇ」
きっと、孫の顔を見るのが楽しみなのだろう。
他愛もない会話だが、どこか懐かしさを感じた。
電車に揺られ、自分の降りる駅が近づいてきた。
駅に着き、開いたドアから駅のホームへと降りる。
また、人々の声や足音が聞こえてきた。
そして、私は階段を駆け下り、駅の外へと出た。
夏の日差しが眩しくて、目を細める。
「今日も、頑張らないとな」
そう心の中でつぶやき、歩き出した。
すれ違う人々。
学校に行く途中の女子高生の明るい話し声。
会社に向かうサラリーマンの憂鬱げな表情に、就活生であろう少し緊張したような面持ちで階段を足早に降りる若い学生。
人の多い駅のホーム。
陽の光が一枚の布のように差す駅のホームに並ぶ。
前には中年らしきサラリーマン。
せわしなく指を動かし、メッセージを打っている。
駅を行き交う人の足音。
「まもなく、ニ番線に列車が参ります。」
電車が駅の中に滑り込んでくる。
ホームドアが開き、電車のドアが開く。
涼しい風がこちらに流れてくる。
電車の中に乗り込み、席に座る。
向かい側には、まだ若い母親と幼い子どもが座っていた。
母親は黒い髪を肩につくくらいに切っており、品のいいワンピースを着ていた。
子どもの方は、戦隊モノのTシャツを着て、半ズボンを履き、戦隊ヒーローのおもちゃを持っていた。
そして右斜め前の方に目をやると、女子高生がふたり、仲良く話していた。
目を閉じると、先ほど目に入った人々の会話が聞こえてきた。
母親らしき人物の「たっくん、おばあちゃんち着いたら、ちゃんと挨拶しようね」と言う優しげな声が聞こえてくる。
「うん!ぼく、いいこだからちゃんとあいさつするよ!」という元気な声が車内に響く。
癒される…。
女子高生の方はというと、好きな相手の話で盛り上がっていた。
「ねねね、アンタ、蒼真くんのこと好きなんでしょ〜?」「な、なわけないじゃん!」「え〜?うっそだぁ〜、絶対好きでしょ〜!」といういかにもお年頃な会話が聞こえてきた。
近くに座っている老夫婦は、どうやらふたりで息子夫婦の元に行くようだ。
「ねえ、あなた。私のお化粧、崩れてないかしら?」「崩れてないよ、綺麗なままだ。」「あぁ、ならよかった。茉子も今年で5歳ねぇ、大きくなったわねぇ」
きっと、孫の顔を見るのが楽しみなのだろう。
他愛もない会話だが、どこか懐かしさを感じた。
電車に揺られ、自分の降りる駅が近づいてきた。
駅に着き、開いたドアから駅のホームへと降りる。
また、人々の声や足音が聞こえてきた。
そして、私は階段を駆け下り、駅の外へと出た。
夏の日差しが眩しくて、目を細める。
「今日も、頑張らないとな」
そう心の中でつぶやき、歩き出した。
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