狐憑きの事件を解決したことで、雪華ちゃんはお店の中でも一躍有名人になりました。
姐さんも褒められて満更ではなさそうな表情でございます。
事件以降、姐さんは伊織さんと連絡を取るようになり、何やら親しげでございます。
「さては恋だな」と、禿たちは勘繰っております。
姐さんはそのことについて聞かれてもどこ吹く風。
はぐらかされてお終いです。
禿たちは伊織さんの話で持ちきりでございます。
そんなある日、雪華ちゃんが起きると何やら店の中が騒がしゅうございます。
何事かと人だかりのできている方へ向かうと、そこは[漢字]夏文[/漢字][ふりがな]なつふみ[/ふりがな]姐さんの部屋でございました。
人混みの中から顔を覗かせますと、医者らしき人がおります。
夏文姐さんは医者に抱きかかえられ、畳には血がついています。
不思議なのが、夏文姐さんは何度も首を横に振っているのです。
周りの人は自殺がどうとか騒いでいます。
びっくりした雪華ちゃんが後ずさると、誰かにぶつかりました。
「もっ、申し訳ございません!」
雪華ちゃんが謝ると、後ろにいたのは姐さんでした。
彼女も騒ぎを聞いて来たらしく、部屋の中を一瞥してから雪華ちゃんの手を引いて部屋へ戻りました。
「さて、夏文はもう助からない。暇だしあいつの死因でも考えてやろうじゃないか」
不謹慎なことを言い出す姐さんを、雪華ちゃんは叱りました。
「そんなこと言わないでください!不謹慎ですよ!」
怒られた姐さんは不服そうな顔で文句を言います。
「あの血の量を見たろ?それならもう死ぬことなんて明白じゃないか。それにあいつは自殺だ、ほっといてやりな」
「だとしても、そんな酷いことおっしゃらなくたっていいじゃないですか」
ごめんてば、と謝る姐さんを尻目に雪華ちゃんはお茶を沸かし、お菓子を取り分けました。
きっちり2人分でございます。
「それにしても……あれは自殺なんですか?どうもそうには見えませんが……」
雪華ちゃんが大福を頬張りながら訝しげな声で尋ねますと、姐さんは呆れたような目をして言います。
「あのねぇ……。遊女が毒飲んだら基本自殺だよ。それにあいつは医者に抱えられてたとき、首振ってたろ?助けるな、って意味だったんじゃないのかい?」
雪華ちゃんは首をぶんぶん横に振ります。
「そこですよ!あれは「死にたくない」っていう意思表示なんじゃないですか?」
姐さんは目を大きく開いて、ぺちんと自分の額を叩きました。
「畜生!やっちまった……、そこまで考えてなかったよ……。ああ恥ずかしい!」
大騒ぎする姐さんを宥め、大福とお茶を差し出します。
「まあまあ落ち着いて。考え違いは誰にだってありますよ」
姐さんは大福を口に突っ込み、それをお茶で流し込むと大きなため息をつきました。
「そうだねェ、落ち着いて考えようか。それじゃ、捜査開始だ!」
姐さんは威勢よく言うと、勢いよく立ち上がりました。
姐さんも褒められて満更ではなさそうな表情でございます。
事件以降、姐さんは伊織さんと連絡を取るようになり、何やら親しげでございます。
「さては恋だな」と、禿たちは勘繰っております。
姐さんはそのことについて聞かれてもどこ吹く風。
はぐらかされてお終いです。
禿たちは伊織さんの話で持ちきりでございます。
そんなある日、雪華ちゃんが起きると何やら店の中が騒がしゅうございます。
何事かと人だかりのできている方へ向かうと、そこは[漢字]夏文[/漢字][ふりがな]なつふみ[/ふりがな]姐さんの部屋でございました。
人混みの中から顔を覗かせますと、医者らしき人がおります。
夏文姐さんは医者に抱きかかえられ、畳には血がついています。
不思議なのが、夏文姐さんは何度も首を横に振っているのです。
周りの人は自殺がどうとか騒いでいます。
びっくりした雪華ちゃんが後ずさると、誰かにぶつかりました。
「もっ、申し訳ございません!」
雪華ちゃんが謝ると、後ろにいたのは姐さんでした。
彼女も騒ぎを聞いて来たらしく、部屋の中を一瞥してから雪華ちゃんの手を引いて部屋へ戻りました。
「さて、夏文はもう助からない。暇だしあいつの死因でも考えてやろうじゃないか」
不謹慎なことを言い出す姐さんを、雪華ちゃんは叱りました。
「そんなこと言わないでください!不謹慎ですよ!」
怒られた姐さんは不服そうな顔で文句を言います。
「あの血の量を見たろ?それならもう死ぬことなんて明白じゃないか。それにあいつは自殺だ、ほっといてやりな」
「だとしても、そんな酷いことおっしゃらなくたっていいじゃないですか」
ごめんてば、と謝る姐さんを尻目に雪華ちゃんはお茶を沸かし、お菓子を取り分けました。
きっちり2人分でございます。
「それにしても……あれは自殺なんですか?どうもそうには見えませんが……」
雪華ちゃんが大福を頬張りながら訝しげな声で尋ねますと、姐さんは呆れたような目をして言います。
「あのねぇ……。遊女が毒飲んだら基本自殺だよ。それにあいつは医者に抱えられてたとき、首振ってたろ?助けるな、って意味だったんじゃないのかい?」
雪華ちゃんは首をぶんぶん横に振ります。
「そこですよ!あれは「死にたくない」っていう意思表示なんじゃないですか?」
姐さんは目を大きく開いて、ぺちんと自分の額を叩きました。
「畜生!やっちまった……、そこまで考えてなかったよ……。ああ恥ずかしい!」
大騒ぎする姐さんを宥め、大福とお茶を差し出します。
「まあまあ落ち着いて。考え違いは誰にだってありますよ」
姐さんは大福を口に突っ込み、それをお茶で流し込むと大きなため息をつきました。
「そうだねェ、落ち着いて考えようか。それじゃ、捜査開始だ!」
姐さんは威勢よく言うと、勢いよく立ち上がりました。