紅月姐さん、何やら悩んでいる様子です。
「あ〜あ、客から事件解決してくれとは言われたけど…手がかりなんてカスほどもないじゃないか。ったく、あの客次会ったら引っ叩いてやる……」
不穏な空気ですが心配なさらず。
実を言うと、紅月姐さんは先程お客に依頼を受けたのです。
遡ること数十分前。
[水平線]
「なあ紅月ィ……。近頃、俺の店の周りで"狐憑き"が相次いでるんだよ。お前、どうにか解決できねぇかい?」
唐突なお願いに、紅月姐さん困惑致します。
「どうしたのさ藪から棒に……狐憑きねェ……最近、誰か病気になったとか、そういう話聞かなかったかい?」
お客は首を横に振ります。
「いや、全くだ」
「困ったモンだねぇ……。何か新しい話が入ったら教えとくれ、こっちも何かわかったら文でも送るから」
「ああ、わかった」
こうして、紅月姐さんは依頼を引き受けたわけですが───────
いかんせんお客が大した情報を残さなかったせいで何もわかりません。
手がかりは一切なし。
そんな状況で「事件を解決しろ」と言われてもどうしようもありません。
頭を抱えていると、いい案が浮かびました。
ここで雪華ちゃんの出番でございます。
紅月姐さん、雪華ちゃんを呼びつけますな。
「雪華ァ、ちょいとおいでなァ」
雪華ちゃん、呼ばれて嬉しくなります。
ルンルンで姐さんの部屋へ向かうと、紅月姐さんが正座しております。
これは只事ではない────雪華ちゃんは察します。
「どうかしましたか?」
雪華ちゃんは花魁の向かいに正座して尋ねます。
「さっき客から面倒な依頼を受けてねェ、狐憑き事件を解決してほしいッてんだ。しっかし手がかり情報何もなし。そこで、お前さんに情報を集めるのを手伝ってほしいんだよ」
雪華ちゃん、頼られて大喜びです。
「もちろんです!それじゃあ、どこから始めンしょうか」
「そうだねェ……。お前、禿だし遊郭の外に出るのはまず無理だし……、あっ」
紅月姐さん、急停止します。
「ど、どうしたんですか……?」
雪華ちゃんが恐る恐る尋ねると、紅月姐さんは満面の笑みで答えます。
「私が売られた時に来てきた着物貸してやるから、それ着て夜中に抜け出しな。そうすれば朝頃にゃ町に着くはずだよ。客の店は町でも有名な呉服屋だから、他の町人に聞けばすぐにわかるはずさ」
雪華ちゃんは目を丸くします。
「お、女将さんに叱られませんかね……?」
「なァに、バレなきゃ問題ないよ。町に出ても髪を少し結っておけば何処ぞの家の子供だと思われるだろうサ」
紅月姐さん、豪快に笑います。
「じゃあ頼んだよ。今夜は私も客を取らないから時間があるし、着付けだとか髪結いだとかやってやれるし」
こうして、雪華ちゃんは一世一代の大博打に出るのでした。
「あ〜あ、客から事件解決してくれとは言われたけど…手がかりなんてカスほどもないじゃないか。ったく、あの客次会ったら引っ叩いてやる……」
不穏な空気ですが心配なさらず。
実を言うと、紅月姐さんは先程お客に依頼を受けたのです。
遡ること数十分前。
[水平線]
「なあ紅月ィ……。近頃、俺の店の周りで"狐憑き"が相次いでるんだよ。お前、どうにか解決できねぇかい?」
唐突なお願いに、紅月姐さん困惑致します。
「どうしたのさ藪から棒に……狐憑きねェ……最近、誰か病気になったとか、そういう話聞かなかったかい?」
お客は首を横に振ります。
「いや、全くだ」
「困ったモンだねぇ……。何か新しい話が入ったら教えとくれ、こっちも何かわかったら文でも送るから」
「ああ、わかった」
こうして、紅月姐さんは依頼を引き受けたわけですが───────
いかんせんお客が大した情報を残さなかったせいで何もわかりません。
手がかりは一切なし。
そんな状況で「事件を解決しろ」と言われてもどうしようもありません。
頭を抱えていると、いい案が浮かびました。
ここで雪華ちゃんの出番でございます。
紅月姐さん、雪華ちゃんを呼びつけますな。
「雪華ァ、ちょいとおいでなァ」
雪華ちゃん、呼ばれて嬉しくなります。
ルンルンで姐さんの部屋へ向かうと、紅月姐さんが正座しております。
これは只事ではない────雪華ちゃんは察します。
「どうかしましたか?」
雪華ちゃんは花魁の向かいに正座して尋ねます。
「さっき客から面倒な依頼を受けてねェ、狐憑き事件を解決してほしいッてんだ。しっかし手がかり情報何もなし。そこで、お前さんに情報を集めるのを手伝ってほしいんだよ」
雪華ちゃん、頼られて大喜びです。
「もちろんです!それじゃあ、どこから始めンしょうか」
「そうだねェ……。お前、禿だし遊郭の外に出るのはまず無理だし……、あっ」
紅月姐さん、急停止します。
「ど、どうしたんですか……?」
雪華ちゃんが恐る恐る尋ねると、紅月姐さんは満面の笑みで答えます。
「私が売られた時に来てきた着物貸してやるから、それ着て夜中に抜け出しな。そうすれば朝頃にゃ町に着くはずだよ。客の店は町でも有名な呉服屋だから、他の町人に聞けばすぐにわかるはずさ」
雪華ちゃんは目を丸くします。
「お、女将さんに叱られませんかね……?」
「なァに、バレなきゃ問題ないよ。町に出ても髪を少し結っておけば何処ぞの家の子供だと思われるだろうサ」
紅月姐さん、豪快に笑います。
「じゃあ頼んだよ。今夜は私も客を取らないから時間があるし、着付けだとか髪結いだとかやってやれるし」
こうして、雪華ちゃんは一世一代の大博打に出るのでした。