来世で逢おう
初めて君に会ったとき、体に稲妻が走ったような衝撃を受けた。
散歩をしているときに、ベンチに座って本を読んでいた君。
運命を感じたんだ。
勇気を出して話しかけてみると、君は愛嬌のある笑顔を見せながら、自分のことを話してくれた。
僕と同い年なこと、飼い犬との二人暮らしなこと、ポメラニアンが好きなこと、ゆべしが大好きで、よく3時のおやつに食べていること、大喜利番組が好きなこと。
色々なことを話してくれた。
僕が「趣味はあるのかい?」と聞くと、君は「そうだなぁ、読書が好き!」と答えてくれた。
「特に、アルジャーノンに花束をが好きなの」と言う君に、僕は親近感を覚えた。
「あなたは、何が好きなの?」と尋ねられて、「僕は詩集が好きかな」と答えると、君は「私もなの!中原中也の詩集が一番好き!」と屈託のない笑顔で言ってくれた。
その笑顔を見ると、つい口元が緩んでしまう。
僕はいつの間にか、君に恋心を抱いていた。
でも、君に振られるのが少し怖くて、伝えることができなかった。
だから、僕は君と「趣味の合う友人」として付き合いを始めた。
おすすめの小説や詩集の話をしたり、お互いに夕食に招いたり。
君と過ごす時間は、とても楽しいものだった。
でも、ある日君はいなくなってしまった。
突然のことだった。
いつも待ち合わせする場所に君がいなくて、他の友人に聞いたら、「彼女は、癌で亡くなったんだ。」と言われた。まだ75歳なのに。
視界がぐらりと揺れた。
信じたくなかった。
数日後、君のお葬式が行われた。
棺の中に眠る君。
君の顔を覗き込んだ。
死化粧を施された君の顔は、とても美しかった。
君に別れを告げる。
「君と過ごした時間は、かけがえのない宝物になったよ。天国で、楽しく過ごしておくれ。」
君がいなくなって、10年の時が経った。
時の流れとは速いもので、この頃、私もすっかり弱ってしまった。
そろそろ、私も死が近い。
病院のベッドの上でそう思いながら、窓の外に目をやると、桜の花が満開だった。
「桜の花…か。」君が好きだった花。
ふいに、視界が少し暗くなった。
ああ、もう私はこの世に別れを告げるのだ。
脈が弱くなっていくのが分かる。
視界がだんだんと暗くなっていく。
僕はゆっくりと瞼を閉じた。
目が覚めた。
見たこともないような景色が広がっていた。
紫色と薄い赤、青が混じる銀河のような夜空に星が浮かび、足下には水面が広がる。
前を見ると、病室の窓から見たのと同じ、満開の桜の木があった。
木の下には、君がいた。
若々しい少女の姿で、美しい牡丹の花が描かれた着物を着た君が。
自分の手を見てみると、若い頃の自分の姿に戻っていた。学生服を着た、若い学生だった頃の自分に。
君は僕に大きく手を振った。
僕は君に駆け寄った。
君は僕の手を握り締め、こう言った。
「これで一緒になれるね!」
僕は頷き、手を繋いで歩いた。
絶対に君に伝える。
「愛してるよ」と。
散歩をしているときに、ベンチに座って本を読んでいた君。
運命を感じたんだ。
勇気を出して話しかけてみると、君は愛嬌のある笑顔を見せながら、自分のことを話してくれた。
僕と同い年なこと、飼い犬との二人暮らしなこと、ポメラニアンが好きなこと、ゆべしが大好きで、よく3時のおやつに食べていること、大喜利番組が好きなこと。
色々なことを話してくれた。
僕が「趣味はあるのかい?」と聞くと、君は「そうだなぁ、読書が好き!」と答えてくれた。
「特に、アルジャーノンに花束をが好きなの」と言う君に、僕は親近感を覚えた。
「あなたは、何が好きなの?」と尋ねられて、「僕は詩集が好きかな」と答えると、君は「私もなの!中原中也の詩集が一番好き!」と屈託のない笑顔で言ってくれた。
その笑顔を見ると、つい口元が緩んでしまう。
僕はいつの間にか、君に恋心を抱いていた。
でも、君に振られるのが少し怖くて、伝えることができなかった。
だから、僕は君と「趣味の合う友人」として付き合いを始めた。
おすすめの小説や詩集の話をしたり、お互いに夕食に招いたり。
君と過ごす時間は、とても楽しいものだった。
でも、ある日君はいなくなってしまった。
突然のことだった。
いつも待ち合わせする場所に君がいなくて、他の友人に聞いたら、「彼女は、癌で亡くなったんだ。」と言われた。まだ75歳なのに。
視界がぐらりと揺れた。
信じたくなかった。
数日後、君のお葬式が行われた。
棺の中に眠る君。
君の顔を覗き込んだ。
死化粧を施された君の顔は、とても美しかった。
君に別れを告げる。
「君と過ごした時間は、かけがえのない宝物になったよ。天国で、楽しく過ごしておくれ。」
君がいなくなって、10年の時が経った。
時の流れとは速いもので、この頃、私もすっかり弱ってしまった。
そろそろ、私も死が近い。
病院のベッドの上でそう思いながら、窓の外に目をやると、桜の花が満開だった。
「桜の花…か。」君が好きだった花。
ふいに、視界が少し暗くなった。
ああ、もう私はこの世に別れを告げるのだ。
脈が弱くなっていくのが分かる。
視界がだんだんと暗くなっていく。
僕はゆっくりと瞼を閉じた。
目が覚めた。
見たこともないような景色が広がっていた。
紫色と薄い赤、青が混じる銀河のような夜空に星が浮かび、足下には水面が広がる。
前を見ると、病室の窓から見たのと同じ、満開の桜の木があった。
木の下には、君がいた。
若々しい少女の姿で、美しい牡丹の花が描かれた着物を着た君が。
自分の手を見てみると、若い頃の自分の姿に戻っていた。学生服を着た、若い学生だった頃の自分に。
君は僕に大きく手を振った。
僕は君に駆け寄った。
君は僕の手を握り締め、こう言った。
「これで一緒になれるね!」
僕は頷き、手を繋いで歩いた。
絶対に君に伝える。
「愛してるよ」と。
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