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ラムネ

「だぁ〜〜‼︎終わらねえ!」そういいながら裕はボールペンを放り投げる。
「おいコラペン投げんじゃねぇよ!」光はボールペンを拾い上げながら怒鳴った。
「うるせぇプリン!」「誰がプリンじゃコラ!」相手に文句を言いつつ、共に頭を悩ませていた。

高校生の2人にやってきた夏休み。そして一緒にやってくる大量の宿題。裕は光の祖母の家で一緒に宿題に頭を悩ませていた。

「マジで点P二度と動くな、落ち着きを持てよ」「それな?点P落ち着き無さすぎだろ。安定した人生送れよ」蝉の鳴く夏。窓の外にはじりじりと照りつける太陽がある。大きな入道雲の後ろには、青空が広がっていた。

「光〜」「んあ?」「コンビニ行ってアイス買おうぜ〜」
「天才かよ、行こうぜ」そう言いながら裕と光は部屋を出て、太陽の熱を帯びたアスファルトの上を並んで歩いた。

「なに買う?」「ここは安定のガリガリ君じゃね?」「スーパーカップも捨てがたいよな」「お前ほんとスーパーカップ好きよな」「だってうまいじゃん」

そんな他愛もない話をしながら、2人はコンビニでガリガリ君を買った。

コンビニから帰ると、光はふとつぶやいた。
「ばあちゃん大丈夫かな?」「熱中症なってたらやだよな」「おばあちゃ〜ん?だいじょーぶっすか〜?」裕が大声を上げると、可愛らしいお婆さんがひょっこりと縁側から顔を出した。
「あれまぁ裕ちゃん光ちゃん、おかえりなさい。暑かったでしょう?早く上がっておいで、ラムネ、冷やしてあるからね」「ばあちゃんサンキュー!」「あざす!」
2人はバタバタと靴を脱ぎ、家に上がった。

おばあちゃんはたらいいっぱいの氷水の中に浮かべて冷やしたラムネを持ってきてくれた。

「ラムネ久しぶりに飲むわ〜」と裕。「せーので開けようぜ」という光の提案で、2人は一斉に栓を叩いた。

その瞬間、ラムネの瓶から、シュワシュワと音を立てて、透明なラムネがこぼれた。
「あっ、やべ!ラムネ服に付いたわ〜」「はは、あとからベタベタになるやつじゃねぇか」

2人は会話を交わしながら、ラムネを勢いよく飲んだ。
細かい炭酸の泡と、すっきりとした心地よい甘さを堪能しながら、2人は冷凍庫に閉まっておいたアイスを取りに、ラムネの瓶を机の上に置いた。

涼しげな風鈴の音の中で、2人はアイスを食べながら、いろんなことを話した。宿題のことだったり、好きな人の話だったり。

2人の夏は、まだ始まったばかりだ。

水滴の光るガラス瓶の中で、ラムネがかすかに揺れた。

2024/09/23 07:37

月町 桔梗
ID:≫ 7r5tHLeuz1RfY
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