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捏造設定あり。国名・人名に関しては小説版を使わせてもらいました。
「王様!」
「何じゃ? 要件を早く言え!」
「姫がさらわれました!」
見間違いではない。姫が魔王にさらわれる一部始終を、ぼくはこの目で見たのだ。
「勇者は?」
「いません」
王様は少し考えて口を開いた。
「かくなる上はお前が勇者だ!」
まったく、王様はいつもそうだ。いつも無茶苦茶を言って人々を困らせる。
「さ、そこの宝箱の中身とこのなけなしの金で旅立って仲間を探して化け物倒して……」
その無茶苦茶というのが本当に私欲でしか無いのだ。まったく自分勝手だ。その後30秒ぐらいは聞いていなかったが、最後の一文は聞き取れた。
「ボスとか全然倒せる倒せる! マジで!」
どこかリアクションがおかしい。王様なら、姫がさらわれたと聞いた時点で大号泣して「助けてこい!」とか言いそうなものなのだが。
それはいいとして、拒否権がないことだけは理解した。ぼくは渋々頷いた。
——レンが去った後、リンは、いつも寝ている天蓋付きのベッドに横になった。隣のベッドには誰もいない。昼だからではない。隣のベッドに眠るべき人間が、連れ去られてしまったのだ。
「早く帰ってきてよ、お姉ちゃん……。レンに早く連れ帰ってもりゃわにゃきゃ……」
なぜだか涙が出てきた——。
「王様! そこは姫様のベッドですから、勝手に寝てはいけないんですよ!」
仕方がないのでベッドから下りた。ここは本当に自分のベッドなのに。悲しく思えてきた。
「いいの。これも自ら背負った定め……」
「何じゃ? 要件を早く言え!」
「姫がさらわれました!」
見間違いではない。姫が魔王にさらわれる一部始終を、ぼくはこの目で見たのだ。
「勇者は?」
「いません」
王様は少し考えて口を開いた。
「かくなる上はお前が勇者だ!」
まったく、王様はいつもそうだ。いつも無茶苦茶を言って人々を困らせる。
「さ、そこの宝箱の中身とこのなけなしの金で旅立って仲間を探して化け物倒して……」
その無茶苦茶というのが本当に私欲でしか無いのだ。まったく自分勝手だ。その後30秒ぐらいは聞いていなかったが、最後の一文は聞き取れた。
「ボスとか全然倒せる倒せる! マジで!」
どこかリアクションがおかしい。王様なら、姫がさらわれたと聞いた時点で大号泣して「助けてこい!」とか言いそうなものなのだが。
それはいいとして、拒否権がないことだけは理解した。ぼくは渋々頷いた。
——レンが去った後、リンは、いつも寝ている天蓋付きのベッドに横になった。隣のベッドには誰もいない。昼だからではない。隣のベッドに眠るべき人間が、連れ去られてしまったのだ。
「早く帰ってきてよ、お姉ちゃん……。レンに早く連れ帰ってもりゃわにゃきゃ……」
なぜだか涙が出てきた——。
「王様! そこは姫様のベッドですから、勝手に寝てはいけないんですよ!」
仕方がないのでベッドから下りた。ここは本当に自分のベッドなのに。悲しく思えてきた。
「いいの。これも自ら背負った定め……」
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