深海学校
教室。
窓際の席。
外がよく見える。
私のいる方からは綺麗な青空が見える。
でも、少し前の席を覗き込んだら、視界の端に夕焼けがいた。
あまりにつまらなくて、後ろの席の子と話そうとした。
おかしいな、私しかいないのに。
真後ろには金魚鉢の頭をした子が座っていた。
多分女子。
半袖のセーラー服に、揺れる水面が美しい。
彼女が頭を傾けるたび、中の金魚が慌てていた。
金魚と目が合った。
なんか、ヤなかんじ。
[水平線]
すっからかんな教室を飛び出すと、いつもと変わらない廊下がある。
掲示板には相変わらずつまらないお知らせ。
美術室に駆け込んだ。
白かったであろうキャンパスの中で、錦鯉が泳いでいる。
手を伸ばすと、鯉は飛び出て床に潜った。
「絵の具、ついちゃうよ。せっかく綺麗なんだから、これ以上色を増やさないで」
諭すように言うと、鯉は口を尖らせた。
「いいじゃないの。私たちは赤とか、金とか、黒とかしかないんだもの。たまには空みたいな青もほしいわ」
確かに、たまには新しいものが見たくなる。
[水平線]
音楽室に入った。
センセイがメトロノームに合わせて指揮棒を振っている。
顔があったら、きっと目の焦点が合っていなかっただろう。
ゆらゆらと、自主性のない動きだ。
海を固めたような頭に、熱帯魚が泳いでいる。
カチカチとうるさいメトロノームを止めても、センセイはまだ揺れていた。
[水平線]
保健室。
薄いピンク色のカーディガンを着た女性が座っている。
惚けた色の浅葱色の中に、名も知らぬ魚がいた。
[水平線]
落ち着きたくてトイレの鏡を見た。
私も、同じ。
深い海の中に、クラゲが揺蕩っている。
綺麗。
窓際の席。
外がよく見える。
私のいる方からは綺麗な青空が見える。
でも、少し前の席を覗き込んだら、視界の端に夕焼けがいた。
あまりにつまらなくて、後ろの席の子と話そうとした。
おかしいな、私しかいないのに。
真後ろには金魚鉢の頭をした子が座っていた。
多分女子。
半袖のセーラー服に、揺れる水面が美しい。
彼女が頭を傾けるたび、中の金魚が慌てていた。
金魚と目が合った。
なんか、ヤなかんじ。
[水平線]
すっからかんな教室を飛び出すと、いつもと変わらない廊下がある。
掲示板には相変わらずつまらないお知らせ。
美術室に駆け込んだ。
白かったであろうキャンパスの中で、錦鯉が泳いでいる。
手を伸ばすと、鯉は飛び出て床に潜った。
「絵の具、ついちゃうよ。せっかく綺麗なんだから、これ以上色を増やさないで」
諭すように言うと、鯉は口を尖らせた。
「いいじゃないの。私たちは赤とか、金とか、黒とかしかないんだもの。たまには空みたいな青もほしいわ」
確かに、たまには新しいものが見たくなる。
[水平線]
音楽室に入った。
センセイがメトロノームに合わせて指揮棒を振っている。
顔があったら、きっと目の焦点が合っていなかっただろう。
ゆらゆらと、自主性のない動きだ。
海を固めたような頭に、熱帯魚が泳いでいる。
カチカチとうるさいメトロノームを止めても、センセイはまだ揺れていた。
[水平線]
保健室。
薄いピンク色のカーディガンを着た女性が座っている。
惚けた色の浅葱色の中に、名も知らぬ魚がいた。
[水平線]
落ち着きたくてトイレの鏡を見た。
私も、同じ。
深い海の中に、クラゲが揺蕩っている。
綺麗。
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