「ねー、あなたお名前はなんていうの?」
つやつやした華奢な声が響く。状況はまるで理解できないけれど、とにかく可愛すぎる…!
「え、と、[漢字]辻 咲百合[/漢字][ふりがな]つじ さゆり[/ふりがな]…」
百合が咲く、そう書く私の名前は百合の花言葉『純潔・威厳』にちなんで、清らかで美しい心を持つ子になってほしい______そんな意味が込められている。今は少なくとも清い心ではないから、申し訳ないと思う。
「さゆりちゃん?わー、可愛い名前!あたしも名前が『さくら』だから、おそろいみたいっ!」
推しに名前を呼ばれた…?もう私は死んでもいいのかもしれない。けれど、とげとげした声が耳に障る。
「…あんた、誰?急に入ってきて私たちのことシカトしてこいつに話しかけてるけど。何がしたいの?」
熊谷アリサが口を開く。邪魔しないで欲しい。
「え?茅花さくら、中学一年生だよ?いやぁ、なんかおさんぽしてたらたまたま見つけちゃって!そうだ、さゆりちゃんもらってっていい?」
「は?」
「あたしさゆりちゃんとお話ししたいんだー!だから、ね?」そして、さくらはいじめっ子を無視して私の元へ歩んでくる。
「行こ!」
ああ、私はこの瞬間のために生まれてきたのかもしれない_______手を伸ばすさくらの手を取り、私は立ち上がる。「おい!!無視してんじゃねえよ!!!」声を荒げる熊谷アリサ。思い出したように彼女の方へくるり、向き合う。
「そーだ。もうさゆりちゃんにひどいこと、しないでよ?あたし、怒っちゃうんだから!」
そして倉庫を出て、私たちは駆けていった。
世界ってこんな眩しかったっけ。久しぶりだ、こんなに気分が高揚してるの…
走りながらさくらは私に声をかけた。「ねえ、今からあそぼーよ!」
「え?!でも学校が…」「いーじゃんいーじゃん、さぼっちゃえー!」悪い心をやっつける魔法少女なのに、逆に悪の道へ連れていくのか。一瞬そう思ったけど、もうどうでもいい。
「ていうか、さゆりちゃんってなんであたしの名前知ってたの?」そう聞かれ、びくっとする。どうする、アニメで見ていたんです…そう伝えるか。そもそもの話、彼女はアニメのキャラクターである。まだ今こうして走っているのも全て私の幻なんじゃないか…そう思っているけど、私の手を引くさくらの手はあたたかい。
私は唾をのみこみ、口を開く。「えっと…勘?」我ながら何言ってるんだろうって思ったけど、口下手なのだ。
すると彼女はぴたり立ち止まり「うえぇぇぇぇぇ?!?!?!?!?!」オーバーな驚き方をする。
「すっごーいっ!!!さゆりちゃん超能力者なの?!」そう嬉々として言う彼女の目はきらきらしている。かわいい。もうそういうことにしてしまおう。推しに嘘をつくだなんて大罪はこれからの行いで償えばいい。「…どこに行くんですか」「んーとね…あっそーだ!あたしさゆりちゃんと行きたいところがあるの!」私の手をぎゅっとにぎり、私に向き合う。
「もう大丈夫だからね!どんな辛いことがあっても、どんなひどいことがあっても、あたしが守るからっ!」
ああ、私はきっと、そんな言葉を待っていた。私は胸がいっぱいになって泣きそうになる。けれどぐっと堪えて、彼女の顔を見た。私より背が低く、かわいい顔立ちに、太陽みたいな笑顔。
私は「ありがとう」そう伝え、さくらの手を握り返した。
つやつやした華奢な声が響く。状況はまるで理解できないけれど、とにかく可愛すぎる…!
「え、と、[漢字]辻 咲百合[/漢字][ふりがな]つじ さゆり[/ふりがな]…」
百合が咲く、そう書く私の名前は百合の花言葉『純潔・威厳』にちなんで、清らかで美しい心を持つ子になってほしい______そんな意味が込められている。今は少なくとも清い心ではないから、申し訳ないと思う。
「さゆりちゃん?わー、可愛い名前!あたしも名前が『さくら』だから、おそろいみたいっ!」
推しに名前を呼ばれた…?もう私は死んでもいいのかもしれない。けれど、とげとげした声が耳に障る。
「…あんた、誰?急に入ってきて私たちのことシカトしてこいつに話しかけてるけど。何がしたいの?」
熊谷アリサが口を開く。邪魔しないで欲しい。
「え?茅花さくら、中学一年生だよ?いやぁ、なんかおさんぽしてたらたまたま見つけちゃって!そうだ、さゆりちゃんもらってっていい?」
「は?」
「あたしさゆりちゃんとお話ししたいんだー!だから、ね?」そして、さくらはいじめっ子を無視して私の元へ歩んでくる。
「行こ!」
ああ、私はこの瞬間のために生まれてきたのかもしれない_______手を伸ばすさくらの手を取り、私は立ち上がる。「おい!!無視してんじゃねえよ!!!」声を荒げる熊谷アリサ。思い出したように彼女の方へくるり、向き合う。
「そーだ。もうさゆりちゃんにひどいこと、しないでよ?あたし、怒っちゃうんだから!」
そして倉庫を出て、私たちは駆けていった。
世界ってこんな眩しかったっけ。久しぶりだ、こんなに気分が高揚してるの…
走りながらさくらは私に声をかけた。「ねえ、今からあそぼーよ!」
「え?!でも学校が…」「いーじゃんいーじゃん、さぼっちゃえー!」悪い心をやっつける魔法少女なのに、逆に悪の道へ連れていくのか。一瞬そう思ったけど、もうどうでもいい。
「ていうか、さゆりちゃんってなんであたしの名前知ってたの?」そう聞かれ、びくっとする。どうする、アニメで見ていたんです…そう伝えるか。そもそもの話、彼女はアニメのキャラクターである。まだ今こうして走っているのも全て私の幻なんじゃないか…そう思っているけど、私の手を引くさくらの手はあたたかい。
私は唾をのみこみ、口を開く。「えっと…勘?」我ながら何言ってるんだろうって思ったけど、口下手なのだ。
すると彼女はぴたり立ち止まり「うえぇぇぇぇぇ?!?!?!?!?!」オーバーな驚き方をする。
「すっごーいっ!!!さゆりちゃん超能力者なの?!」そう嬉々として言う彼女の目はきらきらしている。かわいい。もうそういうことにしてしまおう。推しに嘘をつくだなんて大罪はこれからの行いで償えばいい。「…どこに行くんですか」「んーとね…あっそーだ!あたしさゆりちゃんと行きたいところがあるの!」私の手をぎゅっとにぎり、私に向き合う。
「もう大丈夫だからね!どんな辛いことがあっても、どんなひどいことがあっても、あたしが守るからっ!」
ああ、私はきっと、そんな言葉を待っていた。私は胸がいっぱいになって泣きそうになる。けれどぐっと堪えて、彼女の顔を見た。私より背が低く、かわいい顔立ちに、太陽みたいな笑顔。
私は「ありがとう」そう伝え、さくらの手を握り返した。