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⚠この物語に登場する人物、団体、グループ名等は、現実世界と関係ありません。

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星の彼方へ -the glory of world star-

#3

#3 久しぶりの海底世界

ピーッピーッピーッ…

私は目覚し時計の音に気付き、飛び起きた。

ゴン‼

反動で天井に頭を豪快にぶつけた。

「ったぁ~」

歯を磨き、櫛で髪をとかし、用を足し、朝食を食べる。

今日は地上歴2026年5月17日…今日は任務報告でポセイディアの宮殿に行くんだった。それに陛下にも会うから、今日は正装しなければならない。でも私含め3人の家族は全員アトランティスの軍人だから、私が今日宮殿に行く事は、家族の誰もが知っている。

地上のアジト(?)と現地をつなぐドアを開き、今日一日が始まった。

胸元にいくつもの金バッジ(勲章)を付け、宮殿に向かった。

扉の先のシャトルに乗り、宮殿へ向かう。一般の国民は裏で戦争が始まろうとしていることすら知らない。自分が住む海底世界の外すら知らない。クリスタルの様に透き通ったパイプから、巨大な市が見える。そこは地上人の言葉でいう『未来都市』その物だ。今日の市は、いつもより熱気に包まれている。

今日は『[下線]感謝祭[/下線]』の日だ。市には大陸各地の珍味や物産が並び、瞬間移動を可能にする機械から、新種の植物まで、あらゆる物産が展示されており、街には熱気があふれている。
シャトルは宮殿に着き、私はそこで降りた。

コン、コン、コン…

大理石の床を踏むと、革靴の音が壁に反射する。静かな宮殿だから尚更だ。
しばらく歩くと、金や銀、象牙で彩られた玉座に座る陛下が見えた。
「レオノール、こちらに参れ。」
私は緊張したのか、反射的に
「はっ、はいっ‼」
と言ってしまった。
やはり陛下の前だと、どうしても緊張してしまう。[打消し]やばい、お腹痛い…[/打消し]
陛下の前で跪くと、陛下は話し出した。
「レオノール、ご苦労であった。これで祖先の恨みを晴らす事が出来る。」
「はっ。恐悦至極でございます。(やった~)」
陛下に褒められ、私は努力が報われた気がした。
「慣れない地上の生活、ご苦労。」
地上の生活、確かに慣れなかった。[打消し]マジでごみすぎる。[/打消し]
「確かにそうでした。地上人は堕落し、終わりのない未来を求めて、毎日同じ地上人を[太字]無理矢理[/太字]働かせ、得た金を自らの懐に入れ、欲の為に他者を蔑み、殺す。地上は相当な地獄でした。」
自分が見てきた地上人の姿を、そのまま陛下に語る。
「そんな堕落した地上人からこの瑠璃色の地球を救う事が、君達の任務だ。」
「あり難きお言葉、ありがとうございます。」
陛下は外交が得意だ。今回の地上侵攻の件で、『連邦同盟』のアトランティスに次ぐ強国、ムー共和国や、『紅玉の一月』以降関係が悪化していたレムリア王国と和解して相互援助条約を結び、海底に住む全ての"本当の"地上人による"大審判"を可能にした。

地上に存在するアメリカ、中国、ロシア…その他欲に塗れた蛮族をこの星から追い出し、地上人帝国に終焉を齎すのだ!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

[小文字]※『紅玉の一月』…アトランティス歴56254年(地上歴1843年)、レムリア王国の首都ノヴァ・レムリアの中心部で、アトランティスの使節団がレムリア王国の極右テロ組織『王国国民同盟』によって襲撃された事件。更に、テロ組織はアトランティス側でも動き、アトランティス第二の都市アゾレスの大学や中央駅を襲撃した。当時、アトランティスとレムリアは、ネモ戦争の終結直後だったので、関係は冷え切っており、和解の意を伝えるアトランティスの使者を殺害した事で、再びレムリア王国との関係が悪化した。[/小文字]

作者メッセージ

前回のあらすじ
ブルーノとレオノールは、街角のカフェで作戦会議を行っていた。それは、地上人の滅亡を図るアトランティス帝国の最高機密計画「アレース」の立案が始まっていた。

2024/05/10 21:34

AS@関東の民 ID:≫0tS.Wi/U8jY6Y
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